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  • 2015/06/23 掲載

中小企業がスマートデバイス活用で「売上増」を実現する2つのアプローチ

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タブレットやスマートフォンといった「スマートデバイス」は大企業のみならず、中小企業においても引き続き高い注目を集めている。だが、その一方で「端末を数台購入してみたものの、具体的な成果が得られない」という悩みも少なくない。そこで、今回は中小企業がスマートデバイスをビジネス活かすために「どのような体制/姿勢で臨むべきか?」について、調査データを踏まえながら考えていくことにする。

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ 岩上由高

ノークリサーチ シニアアナリスト 博士(工学)
早稲田大学大学院理工学研究科数理科学専攻卒業後、ジャストシステム、ソニーグローバルソリューションズ、ベンチャー企業などでIT製品及びビジネスの企画/開発/マネジメントに携わる。ノークリサーチでは多方面で培った経験を生かし、リサーチ/コンサル/執筆・講演など幅広い分野を担当。著書は「AdobeAIRの基本と実践」「クラウド大全(共著)」(日経BP刊)など。

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「コスト削減」から「売上増」へと進む“さらなる一歩”

 企業の経営層がIT活用に期待するのは、単なる利便性の向上やコスト削減だけではなく、新しい収益の創出(売上増)だ。スマートデバイスについても、「ノートPCよりもコンパクトなので、持ち運びが楽になった」というだけでは、新たに端末を購入する意義も薄れてくる。つまり、「売上増に直結するスマートデバイス活用」が求められているわけだ。

 実際にそうした活用事例も徐々に出てきている。「利便性の向上やコスト削減」の範囲に留まらず、そこから“一歩進んで”売上増へと踏み出している取り組みを業種別にいくつか挙げてみよう。

ケース1:製造業の場合

「利便性向上やコスト削減」の取り組み
部品表や図面を電子化し、タブレットで共有する。設計や部品を変更した時の取り違え(紙面だと起こりやすい)を防ぐことができる。

「売上増」への取り組み
上記からさらに一歩進めて、設計図面をタブレットに入れて営業活動に役立てる。中小製造業は部品製造を担うケースも多く、営業用サンプルを作製するためにはコストがかかる。営業用サンプルは実際に動かすことができないが、タブレットであれば画面上で実際の動きをシミュレートすることも可能となる。これにより営業時の訴求力が高め、受注増につなげる。


ケース2:小売業の場合

「利便性向上やコスト削減」の取り組み
店舗での在庫チェックを効率化するため、紙面でのチェックからタブレットによる 在庫情報の管理へと切り替える。

「売上増」への取り組み
商品情報を格納したタブレットを営業担当が持ち歩き、高齢者向けの訪問販売などに活用する。高齢化が進むにつれて、特に地方では顧客が来店すること自体が困難となるケースも増えてくる。そうした社会的変化を見込んだ取り組みといえる。

ケース3:サービス業の場合

「利便性向上やコスト削減」の取り組み
POSレジ専用機をタブレットで代替することによってコストを削減する。

「売上増」への取り組み
顧客にカタログを見せる際にもタブレットを用いる。さらに顧客を撮影した写真とカタログを重ね合わせることなどによってサービス品質や顧客満足度の向上を図り、リピート率を高める(特にヘアサロンやアパレルなどで有効)。

 このようにスマートデバイス活用で成果を出している例では「利便性向上やコスト削減」から“さらなる一歩”に踏み込んで、「売上増」を実現していることがわかる。

 この“さらなる一歩”を踏み出せるかどうかが中小企業におけるスマートデバイス活用の成否を大きく左右するといって良いだろう。それを達成するための道筋は大きく分けて2つある。

【次ページ】スマートデバイス活用で「売上増」を実現する2つのアプローチ

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