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2015年07月02日

Suicaなどの非接触決済、世界でもっとも普及しているのは日本ではない

米国では、「Apple Pay」「Android Pay」「Sumsung Pay」といったNFCモバイルペイメントが話題となっているが、日本ではすでに「WAON」「nanaco」「Suica」「楽天Edy」などの「非接触決済」が広く普及しているのはご存じのとおり。しかし、そんな日本よりもさらに非接触決済が普及している国がある。それがオーストラリアだ。なぜオーストラリアで非接触決済が普及しているのか、またどのような形で普及しているのか、オーストラリア現地で開催された「Cards&Payments Australia」などでの取材をベースに、同国の非接触決済の状況について紹介したい。

執筆:TIプランニング代表取締役 池谷 貴

半数以上の生活者が非接触IC決済を利用、「Tap&Go」で簡単に支払いが可能

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オーストラリアでは数多くの店舗で非接触IC決済が利用できる

 RFiグループが世界16カ国、3万2,000人を対象に実施した調査によると、1位となったオーストラリアでは約3分の2が非接触ICカードを所有し、実際に53%が利用しているそうだ。

 2位の国はシンガポールで、利用割合は45%となる。NETSの「ネッツフラッシュペイ(NETS FlashPay)」、乗車券や電子マネーとして利用可能な「EZ-Link」など、国を挙げて非接触IC決済に力を入れている。

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 オーストラリアでは国際ブランドが提供する非接触決済サービスが数多く利用されているのが特徴だ。Visa アジア・パシフィック エマージング・プロダクト・ソリューションズ ヘッドのVikram Modi氏によると、「Visaブランドのうち実に60%が非接触決済となっている」と、RFiグループの調査も数値よりも高い数字を示す。また、2014年のVisaが発表した数値では、月間7,500万のトランザクションが非接触IC決済となっているそうだ。さらに、MasterCardブランドも約60%が非接触決済となっている。

 オーストラリアでは、Visaが「Visa payWave」、MasterCardが「MasterCard PayPass(グローバルではMasterCard Contactless)」の名称でサービスを展開しており、American Expressも非接触決済を提供している。ただ、各ブランドのサービスの認知よりも、テレビのコマーシャルなどでは「Tap&Go」で簡単に支払いができることをPRしているという。

 非接触決済といっても日本の四大電子マネーである、「WAON」「nanaco」「Suica」などの交通系電子マネー、「楽天Edy」のようなプリペイドが中心ではない。最近では、オーストラリアのコンビニエンスストアでプリペイドカードやギフトカードが販売されるケースも増えてきたが、利用率は決して高くはない。多くの非接触決済が、クレジットカードおよびデビットカードに搭載された非接触IC機能を使って行われている。

オーストラリアの40%の端末で非接触取引が可能

 Visa、MasterCard、American Expressのクレジットカードを発行する銀行(イシュア)は、コンタクトレス搭載のカードを発行。たとえば、MasterCardブランドのカードは、2007年からコモンウェルス銀行が搭載を開始した。

 また、銀行が発行するキャッシュカードによる「エフトポス(EFTOPS)」決済の利用者も多いが、同カードでもコンタクトレス決済がスタートしている。現状、デビットカードに比べてクレジットカードのほうが非接触決済の比率は高いが、それはEFTOPSで非接触決済が利用できるカードが限られるためである。

 オーストラリアで非接触決済が普及した要因としては、オーストラリア準備銀行(Reserve Bank of Australia : RBA)などによる推進も挙げられるが、MasterCardオーストラリア地区 シニア・ヴァイス・プレジデント&カントリーマネージャーAndrew Cartwrite氏は、「すべてのイシュアが非接触ICカードを発行していること、それにより多くの生活者にカードが行き渡っていること、そして支払いを迅速に行える魅力を加盟店が認知していることが挙げられます」とコメントしている。

【次ページ】2009年はたった10%だったのが、なぜ世界一になったのか

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