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  • 2015/07/09 掲載

三菱東京UFJ銀行が「生き残りにデジタルイノベーションが必須」と考えるワケ

ロボットや人工知能(AI)をフル活用

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「我々が生き残っていくためには、デジタルイノベーションを推進していくことが必要不可欠だ」と語るのは、三菱東京UFJ銀行 デジタルイノベーション推進部 プリンシパルアナリストの柴田誠氏だ。メガバンクの一角がここまで危機意識を訴えるのには理由がある。金融とITを融合した「Fintech」の台頭により、金融業界のあり方そのものが大きく変化しているからだ。同行は5月、これまでの「IT事業部」を「デジタルイノベーション推進部」へと改称。ロボットや人工知能、バーチャルエージェントなどに積極的に取り組んでいるほか、Fintechそのものも取り込んでいこうとしている。

激化する競争環境の中で金融機関に求められるイノベーション

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(写真:Yuya Tamai)

 三菱東京UFJ銀行のデジタルイノベーション推進部は、これまでにEC事業部、IT事業部と改称してきており、今年5月に現在の名称となった。「ガートナー ビジネスインテリジェンス&アナリティクスサミット2015」に登壇した柴田氏はその狙いを次のように語る。

「我々は“イノベーションの実践”をミッションに掲げており、リテールや法人、国際、市場といった業務部門からは独立した存在です。ICT技術とビジネスの現場を繋ぐ役割を担っており、さまざまな技術やビジネスモデルの変化を捉えながら、金融分野で何ができるのかを常に考えています。また組織全体のIT活用を促進していくことも我々のミッションで、さらには社内だけでなく、社外とも連携してオープンイノベーションを進めていきます」

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 デジタルイノベーション推進部では、既にその前身の時代から、ネットバンキングやグローバルキャッシュマネジメントサービスなどICTを利用した顧客サービスを作ってきた。今回部署名を変更した背景には、ICT関連技術がさらに目覚ましい進歩を遂げていることが挙げられるという。

 たとえば現在のスマートフォンに搭載されているチップの演算能力は、約30年前の銀行の勘定系のメインフレームの倍以上。ネットワークの接続スピードも何十倍、何百倍にもなった。こうした進化に対応して顧客の行動も大きく変化してきた。いつでも、どこでも、銀行の残高を見たり、送金したりといったことだ。

 それに伴い、銀行と顧客との接点も従来型の支店やATMだけでなく、コールセンタやインターネットが必須となり、さらにはスマートフォンやタブレットなども接点となってきた。加えて現在では、小売業者や通信事業者などが決済分野に参入してきており、またITを活用した金融サービスを提供する「Fintech」と呼ばれる金融領域に特化したベンチャー企業も現れてきている。

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顧客接点の変化
(出典:三菱東京UFJ銀行講演資料)


「今、金融機関を取り巻く競争環境は激化してきており、その中では提供するサービスをより一層向上させていく必要が高まっています。そこで求められるのがイノベーションであり、その役割を担うのが、我々デジタルイノベーション推進部です」

ロボティクスの活用で、新しい顧客体験の創出を目指す

 それでは実際にデジタルイノベーション推進部では、どんな分野で新しい取り組みを進めているのか。

 この点について柴田氏は、各顧客接点におけるサービスやアドバイスのレベル向上を図るための取り組みとして、ロボティクス、バーチャルエージェント(VA)、人工知能(AI)という3つの分野における事例を紹介した。

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三菱東京UFJ銀行の最近の事例

「まず支店では、新しい顧客体験を創出するという観点から、お客さま対応にロボットを使うことを考えました。またコールセンターやネット、モバイルといったチャネルにおいてはVAやAIを使って、これまでにはなかった新たなお客さま接点を作ろうという試みをしています」

【次ページ】ロボットに何ができるのか?人工知能に何をさせるのか

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