• 会員限定
  • 2015/09/04 掲載

ビズロボ 大角暢之 社長に聞く、事務処理はすべてロボットに置き換わるのか(2/2)

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。

事務処理センターやOSINTなどで広がるロボット活用

──具体的な活用事例を教えてください。

大角氏:ある大手金融機関では、Biz-Robo!を導入してロボット前提の事務処理センターを構築されました。1日約1万枚の新規契約申込書の処理をロボットに代行させることで、大幅な人員削減を実現しています。

 実際の業務フローとしては、まず申込書をOCRで読み取り、PDF化して、申込書の帳票コードに基づいて申込者を分類し、基幹系システムに登録する、というものですが、このPDF化以降の処理を今はすべてロボットが担っています。

 申込者を振り分けるルールに則って分類を行い、システムに登録するという処理の部分で、申込書に不備がある場合にはエラーを返し、ロボットの処理が本当に正しいかどうかをチェックする仕事もロボットが行っています。事務処理センターのスタッフは、不備が発生した際の判断を行うだけです。

 この事例の事務処理センターは“次世代の事務処理基盤”とも言えるもので、現在メガバンクをはじめ、導入が進んでいます。

 またロボットは労務管理の問題も解決できるソリューションです。いつまでも“残業”させることが可能で、さらに1件当たりの処理時間も非常に速い。たとえば人手で1件3分かかる処理は200件で600分、つまり丸1日以上のマンパワーが必要ですが、ロボットならこれを10分で処理し、しかもミスがない。従業員の残業を無くし、また作業の属人化や人手不足の問題も解決してくれるものだと言えます。

 さらには競合他社の価格調査など情報調査や不正検知の分野も、ロボットの有用性が非常に大きい領域です。現在、Webサイトやソーシャルメディアを含む複数の公開情報源からさまざまな情報を収集して各種分析を行う「オープンソースインテリジェンス(OSINT)」というトレンドが出てきていますが、特に不正情報の検知においては、このOSINTを実現するテクノロジーが非常に重要で、米国では国防技術にも選ばれました。

 日本ではまだ遅れていますが、2020年の東京オリンピック/パラリンピックに向けて、OSINTを強化していく動きは必ず出てくると思います。

人は上流工程、ロボットはルーチンワークという棲み分け

──人の手足の代わりを務めるロボットの活用で、今後間接部門の人たちの仕事や役割はどのように変わっていくとお考えでしょうか。

大角氏:その質問の象徴的な答えになるのが、北九州市の取り組みだと思います。北九州市ではBiz-Robo!を使って、北九州ロボットBPO工場を設立しました。人員1名に対して10個のロボットを割り当て、人がロボットに人事関連の事務処理をアウトソーシングするというものです。

 これから世の中に出てくる商品やサービスの数はさらに増え、一方でそのライフサイクルはもっと短くなっていくでしょう。そこでは人は企画の立案など、頭を使う仕事に注力し、実際に手足を動かす作業はロボットでなければ追い付かなくなります。

 だから“ロボットが事務処理を代行するから人は要らない”ということには決してならず、今ある体制を維持あるいは強化しつつ、人は上流工程にシフトしてビジネスの幅を広げていき、ルーチンワークはロボットに任せるという棲み分けが、ここ5年、10年の間に一般化していくと思います。

──本日はどうもありがとうございました。
(聞き手:編集部 松尾慎司 構成:西山毅)

関連記事


ご投稿いただいた内容は、個人情報を含まない形で今後の編集の参考や弊社メディアでご紹介させていただくことがございます。 あらかじめご了承ください。(正しくご投稿いただいた場合、このアンケートフォームは今後表示されません)

1. この記事はあなたの業務に役立ちましたか?

2. あなたはこの記事をどこで知りましたか?

3. この記事のご感想やご意見など、ご自由にお書きください

関連タグ

関連コンテンツ

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます