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  • 2015/09/24 掲載

ユーザーはOracle DatabaseとSAPの組み合わせを望んでいる SAPでのインメモリDB最適解

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SAPにおけるOracle Database 12cおよびDatabase In-Memoryの利用が認定された。SAP環境のOracle Databaseを12cにバージョンアップする効果、Database In-Memoryの詳細や実装方法、注意点についてのセミナーが実施され、既存SAP on Oracle Databaseへのロードマップが示された。米オラクルのSAPアカウント担当 バイスプレジデント ゲルハルト・カップラー氏は、今後もオラクルはSAPユーザーに対して製品とサービスを提供し続ける立場である点を強調する。

ユーザーはOracle DatabaseとSAPの組み合わせを望んでいる

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オラクル・コーポレーション
SAPアカウント担当 バイスプレジデント
ゲルハルト・カップラー氏
 オラクルは、Oracle Database 12cを市場に投入して以降、粛々とSAPアプリケーションの対応を進めている。2015年3月末に12.1.0.2でベース認定を受け、同年6月末にはOracle Database In-Memory(以下DBIM)が認定を受けた。現在は年末までを目標にILM(Information Lifecycle Management)とADO(Automatic Data Optimization)の認定に向けた作業に取り組んでいる。さらに来年度は、Oracle Multitenantの認定を見込んでいる。

 「Oracle Database 12c for SAP 最新情報セミナー」で最初に登壇したオラクル・コーポレーションのゲルハルト・カップラー バイスプレジデントは冒頭、これまでのSAPとオラクルの長期にわたるリレーションシップとパートナーシップについて強調し、SAPの本社があるワルドルフに有数の技術者を常駐させて最新のOracleテクノロジーをSAP向けに実装してきたことなどを振り返った。

 さらに、世界中の多くのSAP顧客がOracle Database上でSAPアプリケーションを稼働していることに触れ、「Oracleが選ばれているのはパフォーマンス・拡張性・柔軟性・高可用性など多くの指標で競合製品より優れているからであり、ユーザーはOracle Databaseの利用を望んでいます」と語った。

「少なくとも2025年までのメンテナンスコミットの延長がSAPから発表されました。IT業界での10年は、他の業界での100年にも該当する長い期間です。その先のことは、それまでにじっくり慎重に検討するほうがいいでしょう。目前のことを考えるのであれば、11gの拡張サポートが無償で提供される来年1月末までに、12cにアップグレードをすることです」

 12cのSAP認定ロードマップは前述の通りだが、Oracle DatabaseはSAP NetWeaver 7.0以上での認定を受けているのも大きなポイント。SAP HANAは7.4以上しかサポートしない。ERPのバージョンアップが不要な分、既存SAP on Oracle Databaseユーザーには導入しやすい。

 また、これまでインメモリといえば、カラム型データベースのことを指していた。カラム型は分析処理に向くが、トランザクション処理については従来のロー型データベースには及ばない。このトレードオフがデータベース管理者を悩ませてきたが、オラクルでは同一のデータをロー型とカラム型の両方のフォーマットでメモリ上に保持することで、この問題を解決した。

DBIM上でSAPを稼動した企業はどのような成果を手に入れたのか

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日本オラクル
クラウド・テクノロジー事業統括
クラウド・テクノロジー製品戦略統括本部 ソリューション開発部
担当シニアマネジャー 岩崎 護 氏
 次に登壇した日本オラクルの岩崎護担当シニアマネジャーは、最初にOracle Exadata Database Machine X5(以下、X5)について説明した。

 Oracle Exadataは、オラクルが全社を挙げて開発しているデータベース処理向けに最適化された“エンジニアドシステム”だ。最新テクノロジーの結晶であり、ペタバイト級のデータウェアハウスの構築や、金融・Eコマース・SaaSなど大規模システムでも導入されている。

 X5のテクノロジー上の特長としては、EFストレージの高速性(SQL検索で毎秒263GB)、1台ずつの拡張が可能なこと(X4以前のユーザーでもX5を1台ずつ追加できる)、大量データへのクエリーに対してストレージがインテリジェントに動くSmart Scan(従来の100倍以上のクエリー高速化を実現)などがある。

 セットアップとインプリメントの簡便性については、組み立てはもちろん、テストまで終了した製品を納品する。「iPhoneのように梱包を開ければすぐに使えるような製品を目指しました」と岩崎氏。ハードウェアとソフトウェアが統合された製品だからこそ可能なことと言えよう。

 続けて岩崎氏は12cの概要に触れた。12cの「c」はクラウドのことで、オラクルでは今、SAPユーザーに対しては特にプライベートクラウドの構築支援に力を入れている。

 12cで新たに実装された主な機能は以下の通り。

Oracle Multitenant
1つのインタンスに複数のデータベースを搭載する機能。アプリケーションからも管理者からも複数のデータベースが1つに統合されているように見える。数十~数百のデータベースを管理する必要のあるクラウド環境では特に便利。RACにも対応している。

HEAT MAPとAUTOMATIC DATA OPTIMIZATION(ADO)
データがアクセスされる頻度をデータベースが管理し、HOTからCOLDまで色分けする。COLDデータは、自動的に圧縮され、移動される。

ACTIVE DATA GURAD FAR SYNC
遠隔地にディザスタリカバリ環境を用意する際に、データ同期専用の「Far Syncサーバ」を仲介することで、性能を担保しながらデータロスをゼロにする。

 さらに岩崎氏はDBIM上でSAPを稼動した企業の事例についても言及。Business Objectsによるレポート生成速度が20分から10秒に100倍超改善したケースや、ETLプロセスがI/Oの削減によって50%程度まで向上したケースがあったという。

 それでは、SAPで利用できる機能とはどのようなものがあるのだろうか。それにはまず、SAP Core Data Services(CDS。SAP HANAでいうコードプッシュダウン)が挙げられる。従来のSAPアプリケーションでは、Oracle Database側ではほとんど計算を行わず、アプリケーション側でクエリー結果を受け取って計算していた。しかし、これではデータ転送にもデータ処理にも時間がかかる。そこで最新のNetWeaverから、アプリケーション側からストアドプロシージャを呼び出すことで、データベース側で処理できるようになった。

 また、セキュリティに関してもOracle Databaseのセキュリティ機能を導入することで堅牢になる。ネットワーク通信の傍受の防止、データベースへのアクセス保護やデータ暗号化、Vaultによるきめ細かいアクセス管理などが可能になるからだ。

【次ページ】SAP環境におけるOracle Database In-Memory共同検証結果とは?

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