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- 2015/10/02 掲載
「これが他社に真似できますか」元AWS 玉川憲氏が立ち上げたソラコムってどんな会社?
ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。
ソラコムはどのように自社の核となるソフトウェアを実装し、ビジネスモデルを組み立てているのでしょうか。代表取締役社長 玉川憲氏に聞きました。
Amazonクラウドの価格体系に影響を受けた
──ソラコムのビジネスモデルは?玉川氏:最大の収入源はデータ通信の料金体系です。原価に対して私たちのコストをちょっとだけ乗せています。サービスをどのように利用していただいたとしても、通信していただかなかったとしても、私たちのビジネスとなるように設定しています。もちろんSORACOM Beamのようなサービスも同様です。
──価格表を見ると、AWSの料金体系に影響を受けているように見えます。
玉川氏:影響は受けていますね。基本的にはフェアプライスとオープンプライス。どのお客様もわけへだてなく同じ価格です。そしてサステナブルな価格体系、例えばここをこうすると無料になる、といった悪用がされない価格体系にも気を配りました。
──Amazonクラウドの上に、キャリアグレードの交換機をソフトウェアで実装するというのは非常にチャレンジングに見えます。どのように開発したのでしょう?
玉川氏:CTOの安川(安川健太氏)はもともとテレコムベンダの研究所にいて、そうした経験がありました。ほかにもキャリア出身のエンジニアがいます。
交換機の部分だけではなく、計測や課金、Beamといった機能をプラットフォームとしてゆがみのない形で作るというのはチャレンジングで面白いいところでした。
設計思想としてはAPIを使ってマイクロサービス的な構造にしています。ネットワークサービスのコアの部分、Webフロント部分、課金や監視の部分がきれいに分かれています。
開発していて、あらためてAWSは便利だなと思いました。性能や耐障害性についても、AWSのうえでテストや実装などに必要な部品が揃っていますし。
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