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2015年10月13日

電子書籍にも「定額サービス」の波、アマゾン「Kindle Unlimited」はいつ上陸するか

「AWA」「LINE MUSIC」「Apple Music」「Google Play Music(GPM)」が次々とサービスを開始し、「定額音楽配信サービス」は今年の大きな話題になった。その電子書籍版が、300〜600円程度の月額料金で書籍や雑誌の電子版が読み放題になる「定額電子書籍読み放題サービス」だ。通信・モバイル各社のほか、7月にはヤフーが参入したが、角川は8月に撤退してしまった。「読書の秋」にふさわしく、今後のサービス動向を読み解いてみよう。

執筆:経済ジャーナリスト 寺尾 淳

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電子書籍も「読み放題」が主流になるのか


既刊本の電子書籍化が急速に拡大

 読書の秋。その本の世界では従来の「紙の本」の電子書籍化が進んでいる。新刊書が書店の本棚に並ぶのと同時に電子書籍版もリリースされることも、決して珍しくはなくなった。7月に芥川賞を受賞して今なおベストセラーを続ける又吉直樹氏の『火花』も、出版元の文藝春秋は紙の本(1,260円)と電子書籍(1,000円)の両方で発売している。

 しかし、本人や遺族の意向、出版社の方針で電子書籍化が進んでいない作家は決して少なくない。代表的な例が故・三島由紀夫氏で、作品の電子書籍化がほとんど進んでいない。1994年にノーベル文学賞を受賞した大江健三郎氏も長く電子書籍化されなかったが、昨年11月に作品が一気に電子書籍化されて話題になった。

 毎年、ノーベル文学賞の有力候補に挙げられる村上春樹氏の主要な小説作品は電子書籍化されていない。ただし外国語に翻訳された作品はかなりの程度、電子書籍化されている。1968年に文学賞を受賞した故・川端康成氏の作品は、翻訳も含めて大部分が以前から電子書籍化されている。

 文学書はそんな状況だが、出版界全体を見渡すと電子書籍の発行点数は2010年以降、既刊本の電子書籍化が進み急速に伸びている。

 今年5月、電子書籍検索用データベースの運用を手がけるhon.jpは、国内の電子書籍の新規発行点数は月1万点のペースで安定的に増えており、総点数は2016年中に100万点を突破するという推測を発表した。

 また、インプレス総合研究所が今年7月に発表した『電子書籍ビジネス調査報告書2015』によれば、国内の電子書籍の市場規模は2014年度は1,266億円で、2010年の650億円の約1.9倍。これが2019年度には約2.3倍の2890億円に拡大すると予測されている。電子雑誌のほうは、2014年度の市場規模は145億円だったが、2019年には約3.5倍の510億円に大きく伸びると予測されている。

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電子書籍・電子雑誌の市場規模予測

(出典:『電子書籍ビジネス調査報告書2015』,インプレスホールディングス)


 そんな電子書籍の世界に今年、存在感を示しはじめたサービスがある。それは月額300〜600円程度の料金を支払えば電子書籍や電子雑誌が読み放題になる「定額電子書籍読み放題サービス」だ。今年7月にはヤフージャパンが参入し、「Yahoo!ブックストア」は月400円(税別)で、もともと無料のものも含めて2万8234冊が読み放題になる。カテゴリーはコミック1万3764冊、一般書籍6441冊、写真集7772冊、雑誌153冊、絵本104冊となっている(10月4日現在)。

 「Yahoo!ブックストア」よりも読み放題の冊数が多いのがKDDIの電子書籍ストア「auブックパス」で、月562円(税別)でコミック、雑誌を中心に小説、実用書、写真集など3万冊以上が読み放題になる。

【次ページ】アマゾン「Kindle Unlimited」の動向は?

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