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- 2015/10/20 掲載
日本にスーパー営業マンは1割未満、インサイドセールス自動化は営業活動を変えるか?
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
WEICの事業コンセプトは営業活動の分業化
──内山社長は学生起業家としてキャリアをスタートさせているのですね。内山 雄輝氏(以下、内山氏):はい。WEICの設立は2004年ですが、元々私は大学在学中から起業を考えており、卒業直後に当社を立ち上げました。これからの時代は中国だということで、中国市場を専門に勉強しており、中国にモノを売るためにはどうすればいいのか、そのために何ができるのかを考えたのがスタートです。
当時の日本企業には中国語を話せる社員が非常に少なく、中国企業を相手に交渉する際にも、話をするのは通訳で社長は隣に座っているだけ、というような状況でした。これではモノは売れませんので、中国語習得用のソフトウェアを法人向けに販売開始します。これが軌道に乗ると、日本企業から『ダイレクトに自社の商材を中国に売ってくれないか』という営業支援の要望が出てきました。そこで、現在の主力事業であるCRMやデータ分析も絡めた営業支援ビジネスを本格化させたのです。
我々が営業活動を行う際には、電話をする人と訪問する人を分ける、つまりインサイドセールスとフィールドセールスを分けるという営業の分業化を実践してきました。現在までに500社のお客様企業を獲得したノウハウを活かして、このデータ分析の仕組みと、リード獲得を代行するインサイドセールスのサービスを組み合わせて提供しようと考えました。そうしてリリースしたのが「SALES BASE」です。
営業の分業化をしない理由はない
──御社が提供する「SALES BASE」はどのようなサービスなのでしょうか。内山氏:SALES BASEを一言で言えば、営業担当者から見た時に“アポイントが自動で入ってくるツール”です。あるいはリード獲得が目的のお客様には、関連情報が随時追加されてリードが醸成されていき、こちらも自動で追加されていきます。
サービスインまでの流れとしては、必要に応じてコンサルティングも行いながら、まずお客様と一緒に受注獲得戦略を立案します。それに基づいて我々独自の企業情報データベースである「LIZA17」からターゲットリストを抽出し、それに対して我々のコールセンタのスタッフが電話をかけて(=インサイドセールスを実施して)、獲得したアポイントやリードをSALES BASEに反映していきます。
──インサイドセールスを自動化し、フィールドセールスは訪問営業に専念させよ、いうことですね。
内山氏:はい。日本はモノづくりの現場では様々な効率化が進められてきましたが、営業領域の効率化はほとんど進んでいない。従来型の営業活動、つまり1人の営業担当者がマーケティングから見込み顧客の発掘、テレアポイントの獲得、訪問営業、さらにはアップセル、クロスセルまで全て担当するのは難しいのです。
米国企業では多くの場合、インサイドセールスとフィールドセールスは部門が分かれていることが多く、さらに2013年のデータとして、営業リソースの52.7%がインサイドセールスに割かれているという現状があります。つまり営業活動の半分以上を占めているのが、実は訪問営業前のインサイドセールスだということです。
さらに、そもそも人には得手、不得手がありますから、これら全てをマルチにこなせるスーパー営業担当者は数%から1割にも満たないでしょう。そこで重要なのが、営業活動の各フェーズを分業化する、ということです。
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