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- 2015/10/22 掲載
サイバーエージェントの新規事業は、女性の“母性愛”に支えられている
中森勇人(なかもりゆうと)
経済ジャーナリスト・作家/ 三重県知事関東地区サポーター。1964年神戸生まれ。大手金属メーカーに勤務の傍らジャーナリストとして出版執筆を行う。独立後は関西商法の研究を重ね、新聞雑誌、TVなどで独自の意見を発信する。
著書に『SEとして生き抜くワザ』(日本能率協会)、『関西商魂』(SBクリエイティブ)、『選客商売』(TWJ)、心が折れそうなビジネスマンが読む本 (ソフトバンク新書)などがある。
TKC「戦略経営者」、日刊ゲンダイ(ビジネス面)、東京スポーツ(サラリーマン特集)などレギュラー連載多数。儲かるビジネスをテーマに全国で講演活動を展開中。近著は「アイデアは∞関西商法に学ぶ商売繁盛のヒント(TKC出版)。
公式サイト http://www002.upp.so-net.ne.jp/u_nakamori/
グルメと投資が一体となったオイシイ話
サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営するクラウドファンディングサイト「Makuake」では「日本一の馬肉専門店で、石釜で焼いた最高のローストホースを食べさせたい!」というプロジェクトが生まれた。これは、石窯で焼いた馬肉が食べられるお店「Roast hosse」を開店させるためにプロジェクト支援者を募り、支援者は8,000円分支援すれば、1年間の飲食が定額6,500円になる特典が付くというものだ。
確かにオイシイ話ではあるが、残念ながらこのプロジェクトはすでに終了している。プロジェクトに支援した会員のみが利用できるレア感から、300万円の目標額に対し、プロジェクト開始後9時間で目標の300万円を突破。1週間で約560万円もの支援が集まったためだ。
クラウドファンティングは「Crowd(=群衆)+Funding(=資金調達)」という言葉を掛け合わせた造語で、プロジェクトを実行するために必要な資金を、インターネットを通じて支援するというものだ。プロジェクトジャンルはフードだけでなく、ファッションや店舗展開、新商品開発や映画、ゲーム制作など多岐にわたる。
数あるクラウドファンディングサイトのなかで、Makuakeの強みとなるのは何か。サイバーエージェント・クラウドファンディング 取締役 坊垣 佳奈さんは「アイデアの実現力」だと語る。
「2013年のサービス立ち上げから2年間で、すでに800を越えるプロジェクトをサポートしており、プロジェクト実現のノウハウを社内で蓄積しています。加えて、サイバーエージェントグループが有する4000万人もの「Ameba会員」や、プロジェクトに適したメディアに対してPRできる点も強みです」(坊垣さん)
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Makuakeのクラウドファンティングには以下の2種類の方法がある。
ひとつが「達成後支援型プロジェクト」だ。All or Nothing方式と言われるクラウドファンディング特有の資金調達方法で、期限までに支援総額が目標金額に到達した場合にのみ、プロジェクトがサクセスとなり資金調達が実施される。
目標金額に到達しなかった場合はプロジェクトが不成立となり資金調達は実施されないが、サポーターにリターン(製作物や作品展示会のチケットなど)を提供する必要はない。そのため、アイデア段階のプロジェクトや、世間のニーズを知りたいプロジェクトなどに向いているという。
もうひとつが「即時支援型プロジェクト」だ。プロジェクト実行者が目標金額の有無やファンディング期間の有無を自由に選択する事が出来るが、リターンは支援をした全てのサポーターに対して提供しなければならない。
All or Nothing型と違い、集まった支援金を全額受け取る事が可能なので、既にプロジェクトが進行している場合やプロダクトが存在する場合に適した資金調達方法だという。
サイトへの掲載料はいずれも無料でプロジェクトが成立した場合、プロジェクト実行者に対して集まった支援総額の80%が支払われ、20%がMakuakeの手数料となる。サポーターが利用するクレジットカード決済手数料はMakuakeが負担するというのも実行者にとって有利な条件だ。
【次ページ】組織における女性の役割とは?
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