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2015年11月06日

来春開業の北海道新幹線、盛り上がりを欠く「本当の理由」とは

来年3月26日に開業する北海道新幹線の運行計画が明らかになった。青森県青森市の新青森駅から北海道北斗市の新函館北斗駅まで148.4キロの区間を1日13往復運行する。函館市内では開業に合わせ、商業施設の建設ラッシュが続いているが、今年3月に石川県金沢市まで延伸した北陸新幹線に比べると、盛り上がりは今ひとつ。年間50億円規模の赤字も見込まれ、先行きに厳しい声も出ている。

執筆:政治ジャーナリスト 高田 泰(たかだ たい)

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北海道新幹線では、JR東日本E5系ベースの
専用車両を製作する(写真はE5系)

(写真:*nog/Flickr

北海道観光ブームに期待

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 JR北海道によると、新函館北斗駅に乗り入れる北海道新幹線は、「はやぶさ」が東京駅直通1日10往復、仙台駅直通1日1往復、「はやて」が盛岡駅直通、新青森駅折り返し各1日1往復の計1日13往復で、客車はいずれも10両編成となる。

 東京−新函館北斗駅間863キロの移動時間は最短4時間10分。運賃に指定席料金を加えた通常料金は2万2,690円となる。函館駅と新函館北斗駅間は、基本3両編成のアクセス電車「はこだてライナー」を1日16往復運行し、すべての新幹線と接続する計画だ。

 開業に備え、函館市内では建設ラッシュが続いている。8月にはスポーツ、コンベンション施設として5,000人収容の函館アリーナが開館したほか、百貨店の棒二森屋が地下の食品売り場を一新。北海道キヨスクも函館駅の商業エリアに専門店街を新設する。

 函館駅前と本町地区では、大型商業施設やマンション、公共施設が入る地上16〜19階建ての複合ビルが建設中。完成は駅前が2017年3月、本町が16年12月の予定。開業には間に合わないものの、完成すれば新しい地域のランドマークとなりそうだ。

 日本政策投資銀行北海道支店は、開業で道内全体に136億円の経済波及効果があるとの試算を発表している。首都圏などからの観光、ビジネス客の増加が13万人。宿泊、飲食で消費を押し上げて73億円の直接効果を見込む一方、道内の産業が活気づくなどして63億円の波及効果があるとしている。

(単位:百万円)
直接効果1次波及効果2次波及効果経済波及効果計波及効果倍率
北海道7,2644,0532,28913,6061.87
(注1)投入係数(ある産業で1単位生産するのに必要な各産業からの原材料投入額を算出する係数)により原材料等投入額を算出した上で道内自給率を乗じて算出。
(注2)逆行列係数(ある産業への最終需要が1単位増加したとき、直接・間接効果を通じて各産業の生産水準が最終的にどれくらいになるかを示す係数)を用いて算出。
(出典:日本政策投資銀行「北海道新幹線開業による北海道内への経済波及効果」)

 外国人を中心とした北海道の観光ブームも追い風だ。道観光局によると、14年度の道南の観光入込客数は1,162万人で、うち函館市が484万人。外国人宿泊者は36万4,000人いて、前年度を21.1%上回った。

 函館市の人口は09年から5年間で2万4,300人以上減っている。しかし、9月の市まち・ひと・しごと創生推進会議では、委員長の奥平理函館工業高専准教授(都市地理学)が函館の観光客が27万人増えると推計、人口減を一定数補えるだけの波及効果があるとする試算結果を示した。

【次ページ】克服できるか「4時間の壁」

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