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2015年12月16日

TwitterをB2B企業がどう活かした?森田アルミ工業の「中の人」が明かした深謀遠慮

大阪府の外れ、阪南市に森田アルミ工業というエクステリア製品を製造する企業がある。その事業は建材メーカーや金物店を直接的な取引先とするB2Bが中心、従業員数もわずか45名の同社だが、あるメディアでは非常に高い知名度を誇っている。それがTwitterだ。同社が特徴的なのは、中小企業にありがちな、ITに詳しい社長からのトップダウンでソーシャル活用が進んだのではなく、現場の担当者の地道な努力によって社内さえも変えてしまったこと。「森アルさんの中の人」こと、同社 営業部 プロダクトデザイン課の野際 万佐子さんにTwitterへの取り組み方、その経緯、そして成功の秘訣を聞いた。

(聞き手:編集部 松尾慎司、構成:重森大)

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大阪府阪南市にある森田アルミ工業。従業員数は45名。主要事業は「室内・外のアルミ建材の製造販売」で一見、ソーシャルとはほど遠いが…


ソーシャルでABテスト、具体的な根拠に基づいてスタイルを確立

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デザイン性の高い室内物干しワイヤー「pid 4M」。その製造でもっともこだわったのは「ワイヤーがいきなり巻き取られずに、安全に収納できるところだった」(野際さん)という

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ドイツの「iF」賞を受賞したアルミ忍び返し「AGx」。1972年創業からの定評ある技術に加えて、2005年以降はグッドデザイン賞やレッドドットなども受賞するなど、デザイン面にも注力している

 森田アルミ工業 営業部 プロダクトデザイン課 野際 万佐子さんは、「森アルさん」と親しまれる同社のTwitterアカウントを運用する、いわゆる「中の人」だ。野際さんは当初、Webサイトのデザイン、運用を手がけるために森田アルミ工業に入社した。

 入社してWebサイトの運用を始めた野際さんが悩んだのは、直接消費者との接点を持たない同社がその反応を拾う手段が少ないことだった。Webサイトは一方的に発信するメディアであり、利用者との直接的なやり取りがあるわけではないため、営業を通してもメディアを通してもエンドユーザーの声が聞こえてこない。

「そこで目を付けたのが、ソーシャルメディアの活用でした。ソーシャルメディアでエンゲージできればユーザーの顔が見えてくるのではないか、そう考えて上司に提案しました。許可を得てまず始めたのがFacebookページです。中小企業には、当時Facebookが効果的だと言われていたので」

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 野際さんはエンゲージの指標となる項目をいくつか挙げ、それぞれに目標値を設定。しっかりKPIを見ながら運用を開始したのだが、目標値の達成は困難だったという。そこで、もっと別の窓口を持ってみようとトライしたのがTwitterだった。

「既に個人でTwitterアカウントを持っていて使い方はわかっていましたが、企業の公式アカウントとしてどのような層にどのような情報を発信していけばいいのか、最初は手探り状態でした」

 Twitterアカウント開設当初は、商品紹介やブログ更新通知などをツイートするという、企業アカウントらしい「“かたい”情報発信」を行っていた。しかし、この手法では反応が薄く、フォロワーも増えていかなかった。

「では、“ゆるい”情報発信をすればよいかというと、そう単純な問題でもありません。ゆるいツイートで人気の企業と同じようなことを同じように言っても、話題にもならないのです。自社にも合っていて、なおかつ受け入れられる効果的な方法があるのか。それを模索するため、実験を行うことにしました」

 仕事としてツイートするからには、エビデンスを得た上でより効果の高い手法を選び取っていくべきだという野際さん。上司の許可を得た上で、ブログの更新通知や商品紹介を二通りのパターンでツイートするという実証実験をまずは行った。

 一つめのパターンは従来通りのかたい言い方。もう一方は、ネタを交えながらのゆるい言い方。いわゆるバナー広告のABテストだ。実験の結果は明白だった。後者のほうがフォロワーの反応が圧倒的に良く、商品紹介ページやブログへの誘導効果も高いことがわかったのだ。

「ただ単に人気の公式アカウントを真似てゆるくツイートした、ではなく、エビデンスを示したうえで社内の了解を得て、今のようなスタイルになっていった訳です」

【次ページ】社内の意識を変えることができた理由

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