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  • 2016/01/06 掲載

元Google Xのセバスチャン・スラン氏が語る 「みんな人工知能を愛すべき」

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人工知能は、今やSFの世界ではない。私たちの生活やビジネスの在り方を一変させるテクノロジーとして多様な分野で採用が始まっている。果たして人工知能は人間の仕事を奪う敵なのか、それとも人類に明るい未来をもたらす味方なのか。自動運転車のGoogle Carなどの開発に携わった元Google Xのセバスチャン・スラン氏が人工知能の可能性を語る。

谷崎朋子

谷崎朋子

企業向けIT専門誌の編集記者を経て、フリーランスのライター兼翻訳家(英日)。ソフトバンク ビジネス+ITでは主に戦略やイノベーションなど経営施策に関連するIT関係の記事執筆を担当している。

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Google X 創設者 Udacity 共同創業者 兼 CEO セバスチャン・スラン氏

まだ発見されていない99%の「面白い!」を求めてGoogle Xを創業

 人工知能は、現実だ。私たちが今やるべきことは、新規イノベーションに投資しながら、新しいテクノロジーやソリューションを積極的に業務に取り入れて、どんな状況も受け止め対応できる柔らかい頭を保つこと。それが、人工知能によって既存のビジネスモデルが崩壊した未来に生き残るための秘訣だ――。

 2015年12月10日に開催されたワークスアプリケーションズ主催「COMPANY Forum 2015」で、セバスチャン・スラン氏はこう会場に呼びかけた。

 Google X創設者で、Udacityの共同創業者兼CEOを務めるセバスチャン・スラン氏は、大学時代に人工知能と出会った。当時は荒唐無稽と言われていた人工知能だが、人間を理解する良い方法の1つと感じていた同氏は、人工知能の研究へ踏み出した。

 1995年、カーネギーメロン大学のコンピュータサイエンス学部の研究者となったスラン氏は、同大学の博士課程の機械学習および科学的発見講義の前進となるプログラムに携わった。そこでは、機械学習や論理的推論など、人工知能を形成するさまざまな要素の研究が行われた。

 Google Xを創業したきっかけは、テクノロジーの可能性を拡げたかったからとスラン氏は言う。

「私たちはまだ世の中に存在する発明のうち、1%しか見つけられていない。残り99%を発見しようと思ったとき、人工知能は1つの鍵になると感じた」(スラン氏)

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 Google X在籍時、スラン氏は自動運転車の開発プロジェクト「Project Self-Driving Car」、ヘッドマウント型ディスプレイのGoogle Glass開発プロジェクト「Project Glass」、成層圏に無線ルータ搭載の気球を飛ばしてインターネット接続を提供する「Project Loon」に携わった。

 その中で、人工知能の一歩前段階の技術と言われる「ディープラーニング」技術を研究開発する「Google Brain」の成果を取り入れたのが、Google Carだ。当初はドライバーの補助機能を搭載するのみだったが、試験的にGoogle社員に貸し出して、走行中の様子をチェックしたところ、誰も前方を見ている人はいなかった。

「スマホをいじったりお菓子を食べてよそ見している人が多かった(笑)。それであれば完全な自動化の方が安全ではないかという結論になり、ハンドルもアクセルもブレーキもない完全な自動運転車ができた」(スラン氏)

 自動運転車が実用化されたら、たとえば目的地まで自動運転し、乗客を降ろしたあとは近隣の駐車スペースを勝手に探して駐車、呼び出せばすぐにやってくるという未来も可能とスラン氏は語る。

「米国の自動車の稼働率は5~10%と言われており、走行している時間よりも駐車時間の方が長い。自動運転車であれば、その稼働率を75%以上にすることができる」(スラン氏)

【次ページ】シンギュラリティで人類は人工知能に乗っ取られるのか?

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