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2016年01月29日

カガヤキ農園、三つ豆ファーム、NKアグリは、ITで農業経営の仕事をどう変えたのか

小さな個人農家でも、ITを活用したスマートな農業経営が行われている――。従来まで数日かかっていた請求書発行をクラウドサービスで処理したり、栽培状況を従業員間でチャットで共有して業務を効率化したり、野菜の生育をリアルタイムで確認して複数の畑を効率的に管理したりと、ユニークな事例がある。20日に総額15億円もの資金調達を行ったチャットワークをはじめ、サイボウズ、ゾーホージャパンの3社がユーザーの事例を紹介するとともに、次世代の農業経営のあり方について語り合った。

執筆:フリーライター 井上 猛雄

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ITを活用したスマート農業のあり方を語る

メールを飛び越えてチャットワークを活用する「カガヤキ農園」

 働き手の少子化高齢による後継者不足が深刻な農業分野では、いかに作業を効率化し、その負担を軽減していくかという課題に直面していいる。最近では、ITを導入した新しい形のスマート農業も注目されている。

 「農業に就かれている方はぜひ一度、仕事にITを導入してみるべきです。まだあまり知らないだけで、実際に使ってみると意外と簡単で便利なことが理解できるでしょう」と強調するのは、オプンラボ主催イベントに登壇した「働き方エバンジェリスト」として活躍するChatWorkの河野 智英子氏だ。

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ChatWork
働き方エバンジェリスト
河野 智英子氏

 「チャットワーク」は、いわばLINEの法人版のようなコミュニケーションツールであり、主に4つの機能を無料あるいは有料で提供している。グループ内のチャットで一斉に情報を共有したり、特定の相手に期限付きでタスクを投稿したり、5GBまでのファイル管理や、リアルタイムでやりとりが可能なビデオ電話も使える。

 メール不要のチャットワークを利用し、農業にシンプルなIT革命を起こしたのが、新潟県のカガヤキ農園のケースだ。同農園の社員は、20代から50代まで年齢層が幅広く、なんとこれまでメールも含めてITツールを使った経験が一度もなかったそうだ。これまでは生産部と販売部の連携や、出勤日数の少ないパートタイマーとの情報共有の難しさなどの課題があったという。

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「メール利用をするにも設定が面倒だし、アドレス帳も煩雑で使いづらい。いちいち連絡に件名を入れる必要があるなど、IT未経験者にハードルがありました。そこでカガヤキ農園ではチャットワークを導入し、現場と事務スタッフがチャットで連絡する平易な形式にしました。たとえばグループチャットをつくり、全スタッフによる情報共有から、生産部による収穫関連の情報共有、販売部と事務所による出荷関連のスケジュール管理などに利用しています」(河野氏)

 生産部は、一度でも現場に出たら仕事が終わるまで事務所に戻らないことも多い。そこで出荷物の変更情報をリアルタイムに伝達する際にチャットが威力を発揮する。また生育履歴を管理して生産技術を高めたり、情報共有によってスタッフ育成にも役立てられる。

 河野氏は「カガヤキ農園では、メールを飛び越えて、お手軽なチャットを連絡ツールとして導入して成功を収めました。畑と事務所、畑と畑がつながり、チーム力がアップしました。当初の目的であった情報共有についても、目覚ましい効果を上げることができました。出荷・事務ミスが従来の10分の1に改善されたのです。ITといっても難しく考えず、まず簡単なコミュニケーションから始めればよいと思います」とアドバイスした。

【次ページ】事務処理を効率化させた三つ豆ファーム事例

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