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  • 2016/03/15 掲載

ユニリーバのイノベーションを支える、ダイバーシティ人材育成の秘密

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世界最大級の消費財メーカー、ユニリーバのイノベーションを支えているのはダイバーシティだ――。ゼロから1を生み出すことも、 1から100に拡げることも革新的なイノベーションに違いないが、ユニリーバのイノベーションは、これらとは少し毛色が異なるものだという。ユニリーバを支えるダイバーシティに理解のある人材育成の仕組みを、ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 取締役 人事総務本部長 島田 由香氏が語った。

フリーライター 井上 猛雄

フリーライター 井上 猛雄

1962年東京生まれ。東京電機大学工学部卒業。産業用ロボットメーカーの研究所にて、サーボモーターやセンサーなどの研究開発に4年ほど携わる。その後、アスキー入社。週刊アスキー編集部、副編集長などを経て、2002年にフリーランスライターとして独立。おもにロボット、ネットワーク、エンタープライズ分野を中心として、Webや雑誌で記事を執筆。主な著書に『キカイはどこまで人の代わりができるか?』など。

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ユニリーバのイノベーションを支えるダイバーシティな人材とは?

ユニリーバの掲げるグローバル・ビジョン

 ユニリーバの代表的なパーソナルケアブランド「LUX」(ラックス)。ヘアケア製品は世界に先駆けて日本で発売され、国内で売上No.1(注1)ブランドとなっている。また、カプセル化された香料を配合したボディソープを世界で初めて(注2)販売したのも同ブランドである。

(注1)INTAGE SRI トータルヘアケア市場(育毛剤を除く)※2015年3月~2016年2月金額シェア
(注2)Mintelデータベース内 2014年8月ユニリーバ調べ

 「InnovationCafe」に登壇したユニリーバ・ジャパン・ホールディングス 取締役 人事総務本部長 島田 由香氏。同氏は「我々のイノベーションとは、マーケットで新しい価値を生み出せる製品を開発していくこと。そういった新製品を次々と投入していかなければ、市場では勝てない」と語り、その背景にある「ダイバーシティ&インクリュージョン」の考え方について説明した。

 ユニリーバには「環境負荷を減らし、社会に貢献しながら、売上を2倍に伸ばす」というグローバル・ビジョンがある。売上が増えれば環境負荷も増えるように思われるが、自分たちが住む「宇宙船地球号」も目標に含めることは、同社にとっては重要な戦略だ。そして、ビジョンの実現には、社会に貢献できる人材と組織が必要となる。

「このビジョンに欠かせないのがイノベーションだ。イノベーションをもたらす条件には3つの“P”がある。『People(人材)』、『Passion(情熱)』、『Purpose(目的)』だ。さらにもう1つ、『Know yourself(自分への深い洞察)』が重要だ」(島田氏)とし、同氏が尊敬するパナソニック創業者 松下 幸之助の言葉を引用して説明した。

何としても2階に上がりたい。どうしても2階に上がろう。この熱意がハシゴという道具を思いつかせ、やがて階段をつくりあげることになる。2階に上がっても上がらなくてもよいと考えている人の頭からは、決してハシゴは生まれない(松下幸之助)
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ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
取締役 人事総務本部長 島田 由香氏

「この言葉には多くの示唆が含まれていると思う。まず周りを見渡して、何かに気づくこと。その気付きに対して興味をもち、どうすれば自分の目的を実現できるのかを考えて、試行錯誤する。そして、また新しい何か見つける。このプロセスの裏側には、先ほどの3つの“P”が隠されている。当然のことだが、Purposeを見つけ、Passionを持ち、何かを実現するのはPeopleだ」(島田氏)

 では、イノベーションをもたらすカギとは何か? それが4つ目の「Know yourself」で、自分自身を知ることだ。

「自身が何にPassionを感じるか。自身が何を知りたいと思い、何のPurposeをもって生きているのか、まずそれを知るところから始めなければならないと思う」(島田氏)

【次ページ】ユニリーバの研修プログラム・トレーニングの秘密

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