• 2016/03/31 掲載

「MVP」の重要性をギルドワークス 市谷氏に聞く、新規事業に必要な仮説検証のヒント

第2回「MVPアワード」の応募が開始

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新規事業やスタートアップに興味がある人なら、「MVP」という言葉を聞いたことがあるはずだ。MVPとは「Minimum Viable Product:実用可能な最小限の範囲でのプロダクト」のことである。アイデアをもとに何らかのサービスやプロダクトを開発する際には、まずニーズや課題の仮説を立てて検証を行うことになるが、このMVPをつくることはその学習手段として欠かせないものだ。そのMVPをアワード名に冠したアイデア事業化コンテスト「MVPアワード」を企画するギルドワークス 代表 市谷 聡啓氏に、アイデアを事業化させるためのヒントや、MVPアワード開催のねらいについて話を聞いた。
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ギルドワークス 代表 市谷 聡啓氏

「MVP」とは「実用可能な最小限の成果物」のこと

――まずMVPアワードの話の前に、ギルドワークスの事業についてお聞かせください。インキュベーター、あるいはアクセラレーターである御社には、いろいろな起業家や企業が相談に来られると思いますが、どのような方が多いですか?

市谷氏:まさにスタートアップしたばかりの起業家はもちろん、すでに事業を行っているが新たな柱となる事業をつくりたい企業、事業会社として新規事業立ち上げたいが社内リソースがなく、検証から開発まで行いたいという企業なども相談にやってきます。

 スタートアップしたばかりの起業家の多くは資金的に厳しい面もあるため、いかにプロダクトの開発期間を短縮し、低予算でコストを抑えられるかという点で支援します。そこで我々としても、多くの構想のなかで最初に出すべきアイデアを特定したうえで、実用可能な最小限の成果物であるMVPをつくるようにアドバイスしているわけです。

 一方、ある程度は事業が進んでおり、新しい柱を育てたいベンチャーに対しては、まず仮説検証を行い、対象ユーザーや想定課題が実在するのかを確認します。このプロセスには、ある程度コストをかける必要があります。MVPをつくるまでもない仮説を丁寧に検証したうえで、MVPをつくるという流れになります。

 こうした相談を受けるギルドワークスでは、20ぐらいの案件が進められています。人員は少数精鋭で10名たらずなのですが、全員が何らかのプロジェクトにかかわっています。事業テーマ毎に、求められるスキルもさまざまです。そこで案件の性質にあわせて、我々とつながりがあるフリーランスやデザイナー、マーケッターなどと手を組んで、適切なチームを編成して事業開発を進めています。

――ここからはMVPアワードについて教えてください。そもそもアワードを開催するに至った背景はどういうところにありますか?

市谷氏:もともとはギルドワークスの活動から、MVPの必要性が明らかになり、それを広めるためにMVPアワードを開催することになりました。

 アイデアだけを持って開発したサービスやプロダクトがユーザーにとって本当に有益なものかは、すぐに判断できません。いくらサービスをつくり込んでも、あくまで中間成果物であり、無駄に終わってしまう場合もあります。アワードでは、MVPでつくるサービスやプロダクト自体の品質を問うているのではなく、どういう仮説検証を実施してMVPにたどり着いたか、またMVPを使ってどんな検証をやろうとしているのか、という学び自体を重視しているわけです。

 とはいえ、ソフトウェアがなければ、ユーザーのフィードバックが戻りませんから、やはりソフトウェア開発も求められます。つまり、MVPを軸として、MVPを作るまでの検証、MVPを用いての検証が必要になります。

受賞アイデアは事業化も検討

――MVPアワードでは、最優秀賞に100万円、優秀賞と特別賞にはそれぞれ50、30万円の賞金が送られます。また、他にも参加のメリットがあると聞きました。

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市谷氏:はい。まず参加者は、MVPアワードで賞を獲ると、本人が望めば事業化の支援が受けられます。受賞者側の意思次第では、協賛社から事業化の資金やノウハウを享受できるため、参加者にとって大きなチャンスになると思います。

 また第2回MVPアワードで新しい取り組みとして考えているのは、ご自身で起業を考えていなくてもアイデアを世に問いたい場合に、主催・協賛各社でサービス化できる選択肢が増えたことです。やはり協賛社側は、外部のアイデアをもとに、新規事業を立ち上げたいという思いもあります。

【次ページ】事業化までに必要な仮説検証には、2つの基準がある

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