• 会員限定
  • 2016/04/14 掲載

地理情報システム(GIS)活用法を解説、マップ分析で戦略的な出店計画立案をするには

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
ビッグデータ時代の浸透につれて、地理情報システム(GIS)活用の気運も高まっている。自社の所有している顧客情報、購買履歴を地図上にどんな新事実が発見できるのか。位置情報と自社情報の活用方法やマップ分析の最新動向について、ESRIジャパンがデモンストレーションを交えて解説した。

執筆:フリーランスライター 吉田育代

執筆:フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

photo
地理情報システム(GIS)活用方法を解説

スタバ、ナイキ、ペプシコが活用するGIS

 ESRIジャパンは、米国カリフォルニア州レッドランズ Esriを本社とする地理情報システム(Geographic Information System:GIS)の専業ベンダーである。

「米国本社がGISソフトウェアを最初にリリースしたのは1970年。以来、世界80カ国に現地法人を開設し、150カ国、世界でおよそ35万もの組織が当社テクノロジーを利用しています。この分野ではグローバルでトップシェアを誇り、業界をリードしている存在です」

photo
ESRIジャパン
ソリューション営業グループ
課長
山口 格氏
 ESRIジャパン ソリューション営業グループ 課長 山口 格氏は同社をこのように説明した。

 同社のフラッグシップ製品は、ArcGISと呼ばれるGIS統合プラットフォームである。地図や情報を容易に検索、作成、共有、利用できるよう設計されており、そこにはすぐに利用可能な豊富な地図データ、簡単な設定で業務に活用できる各種アプリが組み込まれている。

 また、デスクトップでのスタンドアロン利用から、共有を前提としたWebアプリケーションシステム、モバイル端末、クラウドまで、さまざまな環境からシステムにアクセスできるよう製品群を構成、組織のニーズに合わせて地図情報にアクセスできるのが特長だ。

 ArcGISには、グローバル企業での活用事例もある。例えばスターバックスでは、新規出店計画を立てる際にBIツールと組み合わせており、ナイキでは店舗ごとに地域に合わせた品揃えを検討するのに同プラットフォームを利用している。またペプシコでは、セブンイレブンやゲームメーカーと協業し、スマートフォンのGPS機能を活用したエナジードリンクの販促キャンペーンにこれを活用した。

 日本においても、不動産サービス大手が顧客情報を地図上で可視化したり、小売事業者がBIツールとの併用で商圏分析を行ったりしている例があるようだ。

外部データを使ってマップ分析を有効に行う方法

関連記事
 GISを使って効果の高いマップ分析を行うためにはどうすればよいのか。ESRIジャパン プラットフォームソリューショングループ 田中 信行氏は「計画」、「データ」、「分析」、「人」、「ツール」という5つのポイントを挙げた。

 その中で、最も重要なのがデータであるという。同氏は、外部データを使ってマップ分析を有効に行う方法を解説した。

 例えば、「将来人口推計データ」というものがある。これは、いろいろな手法で将来人口を予測したもので、コーホート要因法という手法では、出生データと死亡データの傾向から得られる自然増減と、行政区域の転出入傾向から得られる社会増減から推測値を出す。

 この将来人口推計データとArcGISを使い、同社では首都圏約100駅の2020年人口をランキング形式で表示するアプリを作成した。

 それを見ると豊洲や日本橋といった再開発の進んでいる駅周辺は、比較的高齢者が少なく、30歳代の壮年世代が多いため、2020年にも人口増が見込めるという。逆に現在、高齢者人口が多く、壮年世代の少ない駅周辺は将来的に人口減に傾くしかない。こうしたデータを見れば、今後どの地域に新規出店すべきかが明らかになるわけだ。

【次ページ】小売業や飲食サービス業の出店計画

関連タグ

関連コンテンツ

オンライン

アップデートに振り回されない 今やるべきSEO

今回は、累計約2,000社とのSEO取り組み実績のあるSpeeeが、アルゴリズムアップデートに強くなるためのSEOというテーマでセミナーを開催します。 24年3月に約4ヶ月ぶりとなるコアアルゴリズムアップデートが実施されました。 また同時に new spam policies の発表を行い、スパムアップデートも実施しています。 複数のシステムを調整しており通常のコアアップデートより複雑で、完了まで1ヶ月(通常は1?2週間)におよぶことが想定される、と公表されています。 アルゴリズムアップデートは、様々な業界やコンテンツの広範囲に影響を与えておりますが、Googleは上記以外にも大小様々なアップデートを実施しております。 Googleがアップデートを行う背景には、「より良い検索体験を提供する」という使命を実現する、というのがございます。 その使命の実現のため、時代の潮流を踏まえた新たな概念を取り入れたり、またAIなどの最新技術を用いたりしながら、日々バージョンアップを図っております。 今回のセミナーではまず、直近実施されたアルゴリズムアップデートを中心に、Googleが近年実施したアップデートの変化の傾向、及びGoogle自身やその関係者の発信内容を読み解きます。 それらを踏まえて、Googleがどのようなサイトを評価するのか、自社サイトでどのような方針のもとSEOを進めていくべきなのかを解説します。 ご参加いただいた方には、特典としてSEOヘルスチェックシートをご用意していますので、ぜひご参加ください。

オンライン

SEOはインハウス?外注? - 両方のやり方の比較やSEOのポイントを徹底解説

今回のセミナーは、昨年好評をいただいた『インハウスSEO』がテーマです。 「SEOに注力しており、より本格化するためにやり方や体制を見直したい」 「まずは内製でSEOには取り組みたいが、何からすればいいのかわからない」 「本当に内製でSEOの成果は出せるのか」 など様々な理由から、『SEOにインハウスで取り組むべきか』お悩みの方は多いかと思います。 今回のセミナーでは、インハウスSEOと外注のそれぞれやり方を比較し、そのメリット・デメリットなどを、詳しく解説します。 弊社においても、近年「インハウスSEOに取り組みたい」というご相談をいただくことが増えております。 ただし、SEOは中長期を見据えて取り組むことが前提となる施策であることから、短期的な視点で「自社でプロジェクトを回せるようになりたい」といった意向のみでなく、 コストや運用の負荷など様々な観点を比較し、売上やコンバージョンを最大化させるために、自社に見合う方法を合理的に決める必要がございます。 セミナー本編においては、まずSEOプロジェクトの基本的な進め方や実施する施策のイメージを皆様に持っていただきます。 その上で、インハウスSEOと外注での実施方法についてメリット・デメリットを比較し、それぞれどのような事業者様に向いているのか、わかりやすく説明します。 ご参加いただいた方には、特典としてコンテンツのユーザーインテントをチェックできる「サイトヘルスチェックシート」をご用意していますので、ぜひご参加ください。

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます