外国人延べ宿泊者数の伸び率、三重県が日本一になった理由

　三重県知事の鈴木英敬です。いよいよサミットまで50日を切りました。これまで、サミット開催に向けてさまざまな取り組みをしてまいりましたが、その成果の一つとして県内の宿泊者数が大躍進しています。

　観光庁が発表した今年1月の宿泊旅行統計調査では、三重県の延べ宿泊者数は82万820人。前年同月比+23.5%と伸び率で全国1位でした。うち外国人延べ宿泊者数は3万9470人で前年同月の伸び率は+232.8%と爆発的に増加し、こちらも全国1位となっています（全国の伸び率は+46.3%）。

　平成27年全体でも、外国人の伸び率は全国4位。サミット開催決定後の下半期（7月～12月）だけみれば伸び率全国1位になりましたが、その好調さを維持している形となります。

　担当課の分析によれば、外国人の伸び率増加の要因として以下が挙げられるといいます。


　これらは、各観光キャンペーンや重点地域へのプロモーションが功を奏している結果といえます。今後の予定として、桑名市では、50日前から全県で展開する「花いっぱい作戦」のスタートセレモニーを開催。三重県出身の元バドミントン選手の小椋久美子さんや桑名市 伊藤徳宇（いとうとくたか）市長も来て頂き、桜を模した紙吹雪の中、みんなでスタートを宣言しました。

　志摩市では、鳥羽志摩の海女さん100人が集まって、アワビ稚貝の放流。海女は、三重県が日本一の数ですし、1000年以上続く日本の伝統文化ですので、伊勢志摩サミットの際にも大いにPRしたいと思います。


　そして、同じく志摩市では、サミット会場近くの横山展望台にて横山さくら祭で桜の植樹をさせて頂きました。しかも、ご配慮を頂き、今月産まれてくる二人目の娘の誕生祝いも含めて、二本植樹させて頂きました。産まれてくる前から皆さんにお祝いしてもらい、皆さんに感謝です。サミット後も、この好調を維持できるよう事業者の皆さんと連携し、頑張っていきたいと思います。

伊勢志摩サミット開催は経済効果だけでなく県民の意識向上にも

　伊勢志摩サミットに係る直接的な経済効果について、平成28年3月時点における中間試算結果を発表しました。直接的な効果（中間試算結果）は約1,071億円。内訳としては三重県内が約480億円で県外ではそれを上回る約591億円となっています。

　北海道洞爺湖サミット時の試算結果では、道内の直接的な効果は約437億円（マイナス効果を除く）でした。洞爺湖サミットとは前提条件が異なるので単純に比較できませんが、今回の試算は暫定試算ながらも、それを上回るものとなっており、サミット開催による経済波及効果は大きいものと考えられます。

　また、今年で５回目となる「みえ県民意識調査」の集計結果では、日ごろ感じている幸福感の平均値は6.67点で、前回調査より0.07点高い結果となりました。幸福感は前回調査で初めて低下しましたが、今回再び上昇に転じ、徐々にではありますが伊勢志摩サミット決定の効果が現れてきているものと考えられます。

　今回初の調査となる「将来どんな暮らしができる社会が望ましいか」については７割を超える方が「不安を感じることなく、安心して暮らせる」を選択しました。

　同じく、新設となる「伊勢志摩サミットでどのようなことを期待するか」についての回答では「伊勢志摩地域・三重県の知名度の向上」の割合が最も高く、次いで「伊勢志摩産品・三重県産品のPR、ブランド力の向上」、「道路、通信環境等の整備」、「国内外からの観光客の増加」の順となり、三重県民としての意識向上のきっかけとなっているものと考えられます。

　サミットを機に安心して暮らせるまちづくりやますますの幸福感向上を、県民とともに実現していきたいと思います。

【次ページ】Iターンに優しい三重県の施策とは？