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2016年06月14日

現地調査で見えたイノベーションの可能性

多角化戦略のDMMがいま「アフリカ」に参入するワケ

日本の経済が徐々に縮小していく中で、世界に目をやれば未開拓の領域はまだまだ存在する。ネット通販や動画配信、金融、ロボットと多角化戦略で成長を続けるDMM.com(以下、DMM)。同社は2016年、アフリカでの新規事業プロジェクト「DMM.Africa」を本格始動させた。現在DMM.Africaでは、精鋭メンバーがアフリカに赴き、アフリカ現地の市場調査やビジネスコンテスト運営を行いながらビジネスチャンスを模索している。タンザニア・ケニア・ルワンダ・ザンビア・ジンバブエ・ガーナを活動拠点とし、今後5年間で100億円の投資をする同社に、プロジェクトの状況やアフリカにおけるイノベーションの可能性を聞いた。

(聞き手:編集部 時田 信太朗)

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DMMがアフリカで新規事業プロジェクト「DMM.Africa」を始動させた


DMMがアフリカに進出、5年間で100億円投資へ

 「DMM.Africa」のスタッフは12名で、入社が決まっているスタッフも含めれば約20名程度になる。年内に、50名まで増やす予定だ。また、アフリカ全土で5年間に100億円を投資する見込みだという。

 責任者のひとりであるDMM.com 海外事業部部長 兼 DMM.Tanzania 取締役 藤井 茂智氏は「日本でのビジネスをメインにさらに拡大させる一方で、5年後、10年後を見据えた新たな市場を開拓しなければならないと考えてのことです」と参入の背景を語る。

 2015年の国勢調査で日本人口ははじめて0.7%の減少に転じた。日本の経済を例えるなら老化が始まったともいえる。国内のビジネスだけに注力していては未来はない。海外にビジネスを求めるのは必然の流れだ。アジア圏市場でのビジネスが活発に行なわれる中で、比較的参入プレーヤーの少ないアフリカへの進出を決めた。

「ビジネスの領域も限定していません。現地のニーズに合わせてこちらの持っているリソースとノウハウでアドバンテージの活かせるビジネスがあれば農業であろうが、パン屋であろうが、参入するという方針です」(藤井氏)

 DMM.Africaの目下のタスクは大きく2つ。アフリカ現地の市場調査とビジネスコンテスト「ABIC」の運営だ。

 1つ目の市場調査は、DMM.Africaの社員がアフリカに渡り、100万円でビジネスの種を探してくるという方法だ。そのリサーチ方法は感性に任せられているという。

「3カ月滞在して現地で人脈を拡げてニーズを探してもいいし、著名なコンダクターに100万円を支払って帰ってきてもいい。探し方は自由です」(藤井氏)

アフリカでは、日本の当たり前がイノベーションになり得る

 DMM.Africaにアサインされたメンバーのひとりが、会長室・DMM.Africa アドバイザー & 戦略コンサルタント ステファン・E・フシェ氏だ。取材時点ではアフリカのルワンダの首都・キガリに滞在していたステファン氏からも、Skypeを通じた取材で現地の生の情報を聞くことができた。

「DMM.Africaチームの共通理念は『冒険』です。私たちのチームは未知の領域へ一歩ずつ邁進していますが、DMM.Africaと言っても誰も分からない。まずはチームを知ってもらうベースを作り、他の多くの人に知ってもらうことがが目標です」(ステファン氏)

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DMM.Africaアドバイザー
戦略コンサルタント
ステファン・E・フシェ氏


 ステファン氏はハイチの出身。オフィスのフリースペースに座っていたのを見かけた藤井氏が、アフリカ事業のアドバイザーとしてスカウトしたという。アフリカに赴いたのは5月半ばで、そこから2カ月間滞在する。そのステファン氏はアフリカという国での新規事業をどう感じたのだろうか。

「日本からアフリカの問題を見るのはナンセンスです。現地でアフリカの問題を見て、どうすればその問題が解けるかを考えること。日本では目立たなくても、アフリカに行けば重要だ、と思えるアイディアはあります」

 日本とアフリカにある違いの一例が、「停電」の頻度である。停電が多いアフリカでは、携帯電話をチャージするために太陽光パネルでチャージステーションを作り、電気が販売されている。ステファン氏は「日本ではめったに停電がないから、停電の時のために携帯電話が必要という発想はないですよね」と語る。

 実際、ケニアでは世界に先んじたイノベーションも生まれている。銀行口座を使わずに、携帯電話のメッセージで送金できるサービス「M-PESA(エムぺサ)」だ。アフリカでは、公共料金や学費納入のインフラとして機能している。日本のようにコンビニが普及しておらず、銀行口座を持たない人が多いアフリカ諸国において爆発的に利用者が増えた好例である。

「アフリカはそれぞれの国が抱えている課題が似ています。そのため、M-PESAのような便利なアプリがケニアで開発されたら、同じ問題を抱えている他のアフリカの国、たとえばルワンダやザンビアでも展開できる可能性があります」(ステファン氏)

【次ページ】DMM亀山会長「5年先にアフリカ進出の窓口になれたら」

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