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  • 2016/06/20 掲載

ビジネスパーソンが抱える「対人関係」の悩みは「3C」で解決せよ

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書店に行けば山のように積まれている「フレームワーク」に関する本。現場で働く営業にとって、本当にフレームワークなど必要なのだろうか。実はフレームワークの代表格といえる「3C」を活用することで、営業をはじめとしたビジネスパーソンの「対人関係」を円滑にする方法が見えてくる。

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

プロジェクト進行支援家 後藤洋平

予定通りに進まないプロジェクトを“前に”進めるための理論「プロジェクト工学」提唱者。HRビジネス向けSaaSのカスタマーサクセスに取り組むかたわら、オピニオン発信、ワークショップ、セミナー等の活動を精力的に行っている。大小あわせて100を超えるプロジェクトの経験を踏まえつつ、設計学、軍事学、認知科学、マネジメント理論などさまざまな学問領域を参照し、研鑽を積んでいる。自らに課しているミッションは「世界で一番わかりやすくて、実際に使えるプロジェクト推進フレームワーク」を構築すること。 1982年大阪府生まれ。2006年東京大学工学部システム創成学科卒。最新著書「予定通り進まないプロジェクトの進め方(宣伝会議)」が好評発売中。 プロフィール:https://peraichi.com/landing_pages/view/yoheigoto

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対人関係の悩みを「3C」で分析してみると…

フレームワークは、本当に何かの役に立つのか?

 現場で汗を流す我々ビジネスパーソンにとって、フレームワークに代表される、「MBA経営理論」的なるものは、憧れとコンプレックスの両方をもたらす、少々複雑な存在である。なぜ複雑な感情になるかといえば、「それらが本当に役に立つのか、よくわからない」という感覚のせいではないだろうか。

 例えば、MBAフレームワークの代表格である「3C」を考えてみたい。「3C」とは、「Customer(市場、顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字をとったもので、自社の経営戦略を考える時は、この3つを念頭に置くと良いですよというフレームワークだ。

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「3C」とは、「Customer(市場、顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の頭文字をとったもの

 きっと誰しもが聞いたことのある話だと思うが、実際にこれを営業現場で活用せよと言われると、どうすればよいのか検討がつかないという人も多いだろう。

 営業という仕事をしている以上、必ず「顧客」は存在し、一部の独占企業を除けばほとんどの場合「競合」が存在する。顧客から見積依頼や問い合わせがあれば、見積を提示する。顧客は競合にも同様のアプローチをしていて、提案の内容や金額に応じて、どちらに発注するかを意思決定する。

 なんのことはない、ごく当たり前の話で、何も仰々しく「フレームワーク」なんて言われなくても、とっくの昔からその現実を生きているわけで、「だからどうした」という話なのである。

営業は「フレームワーク」より「結果にコミットする知恵」が欲しい

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 経営企画室なりコンサルティング会社なり、「意思決定機関」や「経営参謀」の役割を有する組織にあって、改めてそうした分析を実施する必要が生じることがある。きっと、フレームワークというものはそうしたところで必要なのだろう… と思ったりもする。しかしそうした人々が作ったレポートを読むことがあったとして、往々にして、そこにも納得感がなかったりする。

 現場にいるビジネスパーソンにとって、そうした場で作成されるレポートに対して、納得感のないデータの羅列でしかないように感じることがある。あてにならない市場規模試算にセグメント分析、ターゲットリスト、自社製品の強みも弱みもその洞察は浅はかで、肝心なポイントが捕らえられないまま、文字数だけはびっしりと書き込まれ、よくわからないパワーポイントのスライド、excelがむなしく量産されていく。

 シェアが何パーセントだとか、今年の見込がどうだとか、一生懸命シミュレーションを繰り返しているが、いま自分が直面しているこの面倒な商談をクリアするために、それは髪の毛一本ほどの役にも立たないじゃないか、と思うのである。

 事件は会議室ではなく、現場で起きている。長期計画や戦略を立てるのは結構なことだが、これまで作ってきた商売上のしがらみや、どうにもならない現場の負担はそこに考慮されているのだろうか。むしろ、営業現場の足かせになるようなそうした要因は、これまでの経営における考慮の不足や不誠実さによって生まれたのではないのか。

 売上が増える最も手っ取り早い対策は、経営層の「英断」で、これらを取り除くことではないか、「3C」やらなんやらという抽象的な議論をするよりも、目の前の現実に向き合うのが先だろうと。

 現場にいる人間は、「経営参謀室」的な場所で語られていること(あるいは語ろうとして失敗していること)が、ピントがずれていた場合、「うちの会社のお偉方のピントがズレている」ということは、直感で嗅ぎ取ることができる。

 しかし、それのどこがどういうふうにポイントを外していて、いま語らなければならないことを、どうすれば明確に語ることができるのか、ということを、うまく言語化することもまた至難のわざである。

 「そうじゃない」は言えても、「こうである」とは言えない。このもどかしさと小憎らしさが相まって、世の「マーケティング的」あるいは「経営戦略」的なる存在は、宿命的に、「現場」と対立関係にある。

 「頭でっかち」で「机上の空論」で、時には「茶坊主的」で、「実際に、日々の稼ぎをつくる我々」からすると「食べさせてあげている」はずなのに、どうも偉そうな顔をしている、目の上のタンコブだ、という感覚がある。

 以上が、「フレームワーク不要論」を支える感覚の実態である。ところが、少し視野を広げ、フレームワークを「応用」させることで、日常で「戦略的思考」をする助けになり得るのだ。

【次ページ】「対人関係」の問題を「3C」で分析してみよう

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