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2016年09月15日
 【連載】ラーニングコモンズ:地方を変える「働き方改革」

筆者が提唱する「創生する未来」では、昨年総務省の「ふるさとテレワーク実証事業」をフォローしてきたが、地方でもリモートワークやテレワークが可能な施設が数多く存在していることに驚いた。ただ、残念なことにそれを活用できそうな企業にとってはかなりなじみの薄い存在であることも分かった。はっきり言えばその存在を知らないのだ。本連載では、このような企業向け、起業家向け、フリーランス向けのファシリティを「ラーニングコモンズ(コワーキング)スペース」と定義し、実際の場所、施設を取材して、その現状や課題、特徴などを分析する。

執筆:ノークリサーチ 伊嶋謙二、木村知司

ラーニングコモンズ(コワーキング)スペースとは何か

図書館や大学などのコモンズと言われる学術、公的な個人利用のための施設、コワーキングスペースのようなビジネスでのテレワーク利用向けの場所貸し施設、インキュベーション的な起業支援のためのスペース貸しなどの施設、などの幅広い「ラーニングとワーキングを包括するスペース」として定義する。具体的には民間、自治体などの図書館、コワーキングスペース、起業支援施設などになる。

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創生する未来より:まずは「踏み出すこと」が一番大事だ

 小さな企業に限らず、リスクを恐れて、結局何も生み出せずに悶々とするくらいなら、小さくても、機敏に第一歩を踏み出すことに躊躇しないことが重要だ。

 会社の中であれこれ愚痴をこぼしているだけでなく、それならば自ら進んで変えてみる、または思い切って自分で会社を作って仕事を始めれば良い。起業して感じたことは、仕事場所や時間、人とのしがらみが少なく、自分のやりたいことができること。それは幸せであり、生きている実感がふつふつと沸くことだった。ラーニングコモンズ(コワーキング)スペースは、こういった人たちのために有効な場所となるはずだ。

 幸いなことに、今ではネット環境や最低限のセキュリティなどを担保する知識があって、ある程度のデバイスがあれば仕事のツールは揃う。パソコンだけでなくスマートフォンだけでも十分だ。

なぜ仕事の仕方は変わらないのか

 筆者が会社を設立した1998年当時は、企業のURLが新聞に掲載されるような時代だった。そこからわずかに10数年で現在のような「すべてがネットでつながる時代」になり、「どこでも仕事ができる環境」になっているわけだ。

 しかし、残念ながら現在の仕事の仕方は、昔に比べて画期的に変わったとはいえない。もちろんネットワークなどのインフラの整備は飛躍的に進展して、充実しているのは間違いない。だからといって、仕事は会社に行かなくてよいかといえば、実際は朝混んでいる電車で通勤して、帰りは定時になって、またもや混んでいる電車で一斉に戻るというスタイルが一般的だ。

 喫茶店やファミレスも悪くは無いが、それでは何ら有機的な「化学反応」は生まれない。すなわち、新しい出会いはないのだ。これからの新しい仕事のやり方や仕事場所は、現代にあったような専用のファシリティがあっても良いはず。それが「ラーニングコモンズ(コワーキング)スペース」なのである。

ラーニングコモンズ(コワーキング)スペースのメリットと課題

 さて、どこでも仕事ができる場所の提供と確保、その存在のありかたについて考えてみると、実際には推奨されている施設や存在している場所などは、極めて限定的にしか知られていない。

 便利で効果的な仕事や事業を進めるための場所や施設を取り上げて、多くの人にその存在を伝える意義は高いと判断する。

 たとえば開設の理由、目的、現状、利用実績、そして今後のラーニングコモンズ(コワーキング)スペースの展開の方向性など、どのようにしてこの施設、事業がうまくいっているのか? その背景や地域性などを突っ込んで聞き取り、同時に利用者になぜここを利用しているか、そのおすすめポイントやアピールするポイントなどを聞き出して、地域での盛り上げ方の参考とすることが連載の目的だ。

 全国各地で芽生えつつあるラーニングコモンズ(コワーキング)スペースをご紹介しようと考える。逆に読者の皆さんの身近に、おすすめしたい場があれば是非ご紹介願う。
ノークリサーチ 伊嶋謙二、木村知司

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