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  • 2016/11/02 掲載

横浜市のシェアオフィス「mass×mass」と「さくらWORKS」はどういう人が集うのか

新連載:地方創生を支えるコワーキングスペースガイド

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神奈川県横浜市。東京までの交通の便もよく、多くのスタートアップ企業が集まっています。今回、その中でも特徴的な2つのシェアオフィスを取り上げます。1つ目の「mass×mass関内フューチャーセンター」は、神奈川県内で最大規模のオフィスです。2つ目の「さくらWORKS」は「サークル棟のような雰囲気」を持つオフィスです。今回は2つのオフィスの運営代表に、オフィス開設の経緯や取り組みについて、話を聞きました。

54 代表取締役社長 山口 豪志

54 代表取締役社長 山口 豪志

スタディスト アドバイザー、情報工場 メディア開発部プロデューサー、デフタ・キャピタル アクセラレーター 兼 横浜ジェネラルマネージャ。
2006年から日本最大料理レシピサイト「クックパッド」を運営するクックパッドにて、広告事業・マーケティング事業の創成期より参加、2009年の同社IPOにトップセールスにて貢献。大手食品・飲料メーカ、流通・商社、広告代理店を担当し、バリューチェーン全体を幅広くカバーした事業創造を行う。2012年より3人目の社員としてランサーズに参画し、ビジネス開発部部長として大手企業との事業提携・協業、広告企画の販売開始などを実行。その後、社長室広報チームリーダーにて、クラウドソーシング業界の普及啓もうに47都道府県フリーランス交流会の実施、中小企業庁主催の各県のセミナー登壇など、実績多数。
2015年1月デフタパートナーズのアクセラレーターとして、インキュベーション施設である横浜グローバルステーションの管理運営とベンチャー企業向けに育成プログラムを提供するなど、活動領域を拡げる。
2015年5月に54を創業。常時約30社のスタートアップ企業のアドバイザーとして事業戦略策定、BtoBアライアンス支援、広報部門立ち上げ等のコンサルティングを行う。

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神奈川県最大規模のシェアオフィス「mass×mass関内フューチャーセンター」のワークショップスタジオ

行政と連携の強い「mass×mass関内フューチャーセンター」

 東急東横線馬車道徒歩3分「mass×mass関内フューチャーセンター(以下、mass×mass)」。今回、mass×massを運営する関内イニシアチブ代表の治田友香さんにお話を伺いました。

──まず、mass×massの開設理由を聞かせてください。

治田氏:起業家やNPOを集積することで街が変化していくことをアメリカで見て、いつか自分でも成長支援型の施設を作ってみたいと思っていました。また、それをやるなら都市でないと駄目だと思っていましたし、(すでに行政がサポートをいろいろやっている)東京ではないなとも思っていました。ただ枠組みの構想もありましたが、提案のスキルもなかったですし、一人ではできないなとも感じていました。

 そんな折、5年前に良いパートナーに出会い、横浜市都市整備局のモデル事業(「横浜市ビジネスインキュベート拠点設置及び起業家等ネットワーク形成モデル事業」)に提案。アイディアが採択され、2010年12月に会社を立ち上げ、2011年に施設をスタートしました。

──開設から5年たちましたね。何か変化はありますか?

治田氏:施設を立ち上げた当初は、周りからは何をするか分からない会社だと思われていたと思います。あの頃はコワーキングスペースも世の中的に、まだほとんどなく新しい形だったので、みんなぽつぽつと様子見でのぞきにくるような形でした。しかも、ほとんどがインターネットからの流入でしたね。国の事業で講座も始めるようになり、その流入も期待しましたが、なかなかそれもなく、開設当初は苦労しました。しかし5年たって、今は(会社の)ビジョンと合致する人が増えてきました。今では80社近くが入居するまでにいたりました。

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奥行きもあり、開放感のあるオフィス

入居者同士のつながりも

──入居者は具体的にどんな方が多いですか?

治田氏:今は2割がソーシャルビジネスの担い手、街づくりや福祉系の事業をしている方です。さらに2割はIT関連の方。アプリを作っていたり、技術者を派遣しているサービスや日報アプリを提供している方ですね。

 残りはウェブデザイナーやグラフィックデザイナー、コピーライターなどのクリエイター系の方ですね。いろいろな方が増えてきて、開設当初のイメージに近づいてきました。

 年代は30代~40代が多く、半分は横浜市在住、半分は県内の他の市から来ています。東京からは川を超えるハードルが高いせいか(笑)、なかなか増えないですね。

──さまざまな職種の方がいらっしゃいますが、協業が生まれるような仕組みは作られていますか?

治田氏:特に引き合わせをやるようなことはしていません。利用者同士に任せています。ただ最近は、似た考えを持った方が集まってきて、この人とこの人を引き合わせたら良さそうだなと思ったときは紹介したり、月1でミートアップを企画し始めました。

さまざまな人が働き、さまざまな人に出会う

──スペースとしての特徴はありますか?

治田氏:まずは、機能を持ち合わせていることですね。コワーキンスペースは県内最大規模ですし、ワークショップスタジオではさまざまな講座やイベントがあり、2階には複数人で使えるシェアオフィスや、TENTOと呼ばれる材木を使ったスペースがあったりしています。

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材木を使った人気のワークスペース「TENTO(テント)」

 あとは講座ビジネスですね。ソーシャルビジネスや成長支援、プロボノのための講座などをやっていて、受講生がもうすぐ1000人を越えようとしているのですが、そこには見えないネットワークができてきています。

 ただ実はここに集まる方の思考とオフィスを利用している方の思考、そしてmass×massカフェ(月1でやている交流イベント)で集まる方の思考はそれぞれ違っていて、3タイプのグループが存在しているイメージですね。今後はグループ同士を混ぜた交流などにつながっていって、場の面白さの1つになればなと思っています。

 あとは、行政機関とのつながりが強いことですね。産業支援機関や、NPO支援機関、横浜市でいえば講座事業をやっていることもあり、経済系や農業系、福祉系など各セクションにつながりがあります。起業家の希望に合わせて行政につなぐチャネルを持っています。

 立ち上げの時は、横浜の企業に出資してもらっているので、地場の信用につながっています。

──今後、取り組んでいきたいことはありますか?

治田氏:中にいる人や、どんな企業が入っているのかを発信していきたいですね。ホームページも変えようと思っています。スキルやモノづくりのマッチング支援ができるようにしていきたいです。そういった情報によって、新しく入ってくる人も安心できるのではないかと思います。

【次ページ】関心コミュニティの実践型ラボ「さくらWORKS」

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