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- 2016/11/15 掲載
LINE田端氏が「お客さまと本当の友達のように話す」ことを勧める理由
レッド オウル
編集&ライティング
1964年兵庫県生まれ。1989年早稲田大学理工学部卒業。89年4月、リクルートに入社。『月刊パッケージソフト』誌の広告制作ディレクター、FAX一斉同報サービス『FNX』の制作ディレクターを経て、94年7月、株式会社タスク・システムプロモーションに入社。広告制作ディレクター、Webコンテンツの企画・編集および原稿執筆などを担当。02年9月、株式会社ナッツコミュニケーションに入社、04年6月に取締役となり、主にWebコンテンツの企画・編集および原稿執筆を担当、企業広報誌や事例パンフレット等の制作ディレクションにも携わる。08年9月、個人事業主として独立(屋号:レッドオウル)、経営&IT分野を中心としたコンテンツの企画・編集・原稿執筆活動を開始し、現在に至る。
ブログ:http://ameblo.jp/westcrown/
Twitter:http://twitter.com/redowlnishiyama
スマホは「ゲームチェンジャー」だ
そう指摘するのが、LINE 上級執行役員の田端信太郎氏だ。「ワールドマーケティングサミットジャパン 2016」で登壇した田端氏は「今では多くの人がスマートフォンを所有しており、スマホがあるために人々がソーシャルメディアで費やす時間も増えている」と続ける。
米国のある調査によれば、2015年の時点で大人がデジタルに費やす時間、つまりモバイルやPCなどのデジタル機器に費やす時間は、1日に平均して約5.6時間だという。このうちの半分以上の時間をモバイルが占めている。
「私はLINEをマーケティングプラットフォームとして色々な所に売り込みにいっているが、まず最初にお伝えしているのはスマホ、モバイルの大切さ。特に強調したいのは、今ではスマホが消費者にとってのファーストスクリーンになっているということだ。私たちの活動のすべてがスマホから始まり、社会のありとあらゆる面に影響を与えていく。最初に自動車が社会に現れた時と同じぐらいの影響力をスマホは持っていると私は考えている」(田端氏)
一方でスマホの登場により、さまざまなものが破壊されたともいわれている。たとえばWeb型の広告は今までのような効果を出さなくなっているし、電子メールによるマーケティングも効果がなくなったといわれている。
「人々は平均して1日2~3時間、スマホを使用しているが、Webを見ているわけではなくアプリを使っている。この事実は『SEOの価値が低くなる』ということを意味している。また企業から送られてくるメールは開封すらされない。今のスマホの利用状況を考えれば、新たなマーケティング手段が必要だ。スマホはまさにゲームチェンジャーだ」(田端氏)
スマホアプリの次の波は「メッセージング」
「スマホの所有者は、平均して30~50個のアプリをダウンロードしているという調査結果がある。しかし1か月間で実際に10回以上使われるアプリは、約9個だといわれている。混み合った非常に厳しい競争環境であることを考えれば、企業のアプリはもう入り込む余地がない」(田端氏)
こうした状況の中で大きな伸びを占めているのが、メッセージングアプリだ。2015年には、メッセージングアプリのビッグ4(=LINE、WhatsApp、Facebook Messanger、WeChat)のユーザー数が、ソーシャルネットワーキングアプリのビッグ4(=Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagram)のユーザー数を超えた。
「メッセージングアプリの急激な伸長は、スマホの浸透によってもたらされた非常に大きな潮流だ。メッセージングアプリを使えば、現在のスマホ時代をより深く理解することができる。マーケターは、今日のスマホユーザーとどのようにコミュニケーションするかを考えなければならないが、そこで非常に有効な手段となるのがメッセージングアプリだ。私はメッセージングアプリが次の大きな波になると信じている」(田端氏)
人々のコミュニケーションにイノベーションを起こしている
現在LINEは、メッセージングアプリとして日本や台湾、インドネシアなどでマーケットシェア第1位で、グローバルでの月間アクティブユーザー数は2億2000万人以上だ。「LINEは、最も革新的でユーザーフレンドリーなメッセージングアプリであり、人々のコミュニケーションにイノベーションを起こしていると考えている」(田端氏)
その代表的な例として田端氏が挙げたのがスタンプだ。
「講演会などで話された言葉、即ちテキストは、コミュニケーションの7%に過ぎず、声のトーンや質が38%、ボディランゲージが55%を占めるといわれている。これらをスマホ上でどう示せばいいのか。そこで我々が開発したのがスタンプだ。スタンプを使うことで人々はテキストや絵文字よりも多くのことを、さらには色んな複雑な感情を伝えることができる。こうした革新的な環境を提供していることで、現在400社以上の企業が、LINEのオフィシャルアカウントメンバーになっている」(田端氏)
2016年の最新四半期では、LINEの収益の40%が広告収入や企業のマーケティング活動における使用料から得られているという。
「他のビジネスモデルと比較しても、我々の広告収入の成長率は、かなり力強く、顕著なもの」
【次ページ】ソーシャルメディアの活用を成功に導く7ステップ
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