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2017年01月11日

クラシファイドサービスとは何か? ジモティーに聞く海外動向と地方創生への可能性

近年、お金をかけないで必要なモノをあげたり、もらったり、ヒトを集めたりする場を提供する「クラシファイドサービス」が盛り上がっている。昨年3月にはメルカリがアプリ「メルカリ アッテ」をリリース、4月にはドリコムが物々交換アプリ「Clip」をリリースした。6月には、不動産・住宅情報サイト「HOME'S」で知られるネクストが日本最大のクラシファイドサービス「ジモティー」を運営するジモティーへの出資を発表している。そこで、今回、ジモティー 取締役 執行役員 小野有美氏に、クラシファイドサービスとは何か、さまざまな角度から話を聞いた。

(聞き手/構成:編集部 佐藤友理、執筆:井上猛雄)

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ジモティー 取締役 執行役員 小野有美氏



クラシファイドサービスとは何か? 国内外のサービス動向

――「クラシファイドサービス」の概要をお教えください。

小野氏:クラシファイドサービスとは、目的・地域によって分類された広告という意味で、新聞の「三行広告」のような一覧形式で情報を掲載する媒体です。このサービス自体は、ユーザーが自ら情報を書き込む「CGM」(Consumer Generated Media)という形態で、1995年に米国サンフランシスコで始まった「craigslist」(クレイグズリスト)が先駆けと言われています。世界の地域ごとにセグメント化された情報があり、世界を股にかける巨大サイトに成長しています。

 海外の代表的なサービスは、米国発craigslistを筆頭に、南北アメリカ大陸、アフリカ大陸、東欧などに広く展開する「OLX」や、中国の「58.com」などがあります。サイトのユーザーインターフェイスは、テキスト中心のシンプルなものも多いですが、OLXは国ごとにカテゴリーやサービスをカスタマイズしています。

――日本国内のクラシファイドサービスには、どのようなものがあるのでしょうか?

小野氏:2000年に京阪奈IT事業共同組合の付帯サービスとして始まった「あげくだ」さんや、最近では物々交換を中心としたドリコムさんの「Clip」、メルカリさんの「メルカリ アッテ」も登場しています。海外と比べると、クラシファイドサービスは日本ではまだ発展上のサービスであり、これからより広く利用されていくサービスになると考えています。実際に我々のジモティーもサービス開始から5年間でMAUが約650万、月間訪問数は約2300万の規模まで成長しています。

――クラシファイドサービスの急成長には、どういった背景があるのでしょうか?

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ジモティーの利用方法。不用品を売りたい、処分したい人が情報を投稿し、それを欲しい人がサイト内メールで問い合わせる。商品受け渡し方法などを相談し、直接会って取引する。

小野氏:スマートフォンの普及によって個人が情報を発信しやすくなったことは影響があるかもしれません。またクラシファイドサービスの「まず誰でも気軽に情報を出せる」という特徴が普及を大きく後押ししているのではないかと考えています。従来の新聞などのメディアでは、個人が三行広告を出すと相当な掲載料がかかるケースが多かったと思いますが、クラシファイドサービスを利用すれば、ほとんど費用がかかりません。

 ジモティーの場合、商品を提供したい人が投稿し、それを欲しがる人がサイト内メールで連絡し、ユーザー同士で商品の受け渡し方法などを相談し、直接取引します。取引後は評価を双方に送り合う仕組みで、我々はユーザーからは利用料や手数料を一切受け取りません。ただしユーザーが特別に自身の情報を目立たせたい場合は、1回30円から課金オプションを用意しています。

クラシファイドサービスの差別化ポイント

――クラシファイドサービスでは、どのように競合サービスとの差別化を図るのでしょうか?

小野氏:現在、国内各社のサービスやカラーによる違いはあまりなく、ユーザーの母集団や規模に違いがある状況です。その中で情報のカテゴリー整理は国によっても提供会社によっても独自性を出せる部分です。

 たとえば、ジモティーの「中古車」のカテゴリーのコンテンツは、「売ります・あげます」カテゴリーにあったものです。「売ります・あげます」カテゴリーの中で中古車に関する投稿が増えたので、中古車の投稿のみを「中古車」カテゴリーとして集めて車種や距離でも絞り込みが出来るように検索性を高めました。このように常にユーザーのニーズを取り入れて、サービスを改善しています。

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ジモティーはカテゴリーによって検索条件が異なる。


 またサイトの閲覧性も、差別化のポイントになります。ジモティーでも、情報を見つけやすいように工夫を凝らしています。地域情報を集約し、誰にとっても見やすくするには、サイト全体での統一感が必要です。特定の種類のモノに特化したバーティカル・メディアのようなアプローチをとるクラシファイドサービスがある一方で、ジモティーは、地域におけるあらゆるヒト・モノ・コトの情報が手に入る「一覧性」を重視しています。

――ほかにも差別化のポイントはありますか?

小野氏:もう1つの差別化ポイントは、データの量と質です。特に米国のサービスは、データ量が多いものが生き残ってきました。データが充実すると、ユーザーのマッチング確度を上げることができ、ユーザー間取引が多く発生するクラシファイドサービスの大きな強みとなります。

 ジモティーも大量データと、地域ごとにマッチングするアルゴリズムを用意することで、より効率よくスムーズな検索環境を提供しています。その一方で、偶然の出会いを増やすために、すべての情報を折り混ぜた一覧情報も表示させているわけです。効率よく見つけたいものを探せると同時に、偶然宝クジのアタリのようなお宝が見つかるサイトにしています。

【次ページ】シェアリングエコノミーとクラシファイドサービスの関係

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