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2016年12月28日

大田区のコワーキングスペース「biz BEACH CoWorking」が絶好の立地に開設できたワケ

今回取り上げるのは「biz BEACH CoWorking」だ。これまで紹介してきたコワーキングスペースとは異なり、大田区の中小企業のための総合支援施設ともいえる大田区産業プラザにおいて、入口からエスカレータで上った2Fのすぐ脇に位置している。大田区の中小企業が相談に来るこの施設の、まさに絶好のポジションにbiz BEACH CoWorkingがある。どうしてこんな良い立地にコワーキングスペースをオープンできたのか? 運営する企業に、立ち上げから現状と今後を聞いてまとめた。

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羽田空港から10分という立地を活かし、海外からの渡航客の利用も狙う「biz BEACH CoWorking」


「羽田空港から10分のコワーキングスペース」を民間企業が運営

 biz BEACH CoWorkingは2015年9月、京急蒲田駅から徒歩5分に位置する大田区産業プラザ(通称PiO)の2階に開設した。写真で見ると分かるように、この建物全体が開放的で、非常にモダンなデザインで設計されている。

 PiOの所在地は京急蒲田駅前。大きな道路に囲まれて、特に目立った商業施設や企業があるわけでもないため、車で通り過ぎることが多い立地だ。駅からこの建物はすぐに分かるが、なんとなく通りがかりによっていくような場所ではない。つまり、目的をもって訪れることになるわけだ。そしてその主目的は大田区産業センターを訪れる人がほとんどであろう。

 つまり、このコワーキング施設の導線は区役所などの諸施設にあり、その機能とぴったりシンクロした活用機会であることが明快である。大田区が区の施設を用いて、区の産業振興に役立たせようとして、民間公募によってこの施設を企画、運営させようとした狙いは、民間企業の目線で新しい試みを進めることが背景にある。

 取材の前は大田区の行政主導で行っている施設のように見えたのだが、実際には、民間の企業が企画、運営を行っていた。そのあたりから聞き始めることにする。

「大田区が、地方創生予算のなかで、大田区の中小企業の支援のための施設を設けるという計画が持ち上がり、大田区産業プラザ内にイノベーションサロンを開設することになりました。ただ、大田区が企画、運営するよりも民間企業が進めるほうが、自由度もあり、よいであろうということで、民間企業を対象に一般公募され、複数社のプロポーザル方式での選考となったところ、弊社が受託することができました。そして2015年9月にオープンしました」(エイチエヌディー・プラス児玉大氏)

 もともとエイチエヌディー・プラス社の親会社が大田区で創業90年を迎えた中小企業であり、地元地域への貢献を行うことも合わせて、イノベーション、コミュニケーション、区内の顧客企業同士の横の繋がりを促し、同社の単なる目先の利益確保ではなく、中長期的な観点で、大田区を中心に事業を展開することのプラスになればということでこの大田区の公募に参加して、受託することができたとしている。

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biz BEACH CoWorkingは、運営主体のHND社から6名と外部スタッフの5名の11名のスタッフで構成されている(写真後方、右から2人目が児玉氏)


グローバル展開のハブとして羽田空港、2020年に標準

 同スペースは、海外からのビジネスパーソンの利用もターゲットのひとつだ。あとで述べるように、羽田空港の跡地への大がかりな移転計画とともに、この施設もゆくゆくはハブとしての羽田空港とシンクロして、海外需要を獲得することが大きな狙いとなっている。

 多くの海外渡航客は日本に来る際は予定をしっかり組んでくる。こうした渡航客を取り込むために役立つような案内資料や専用のWebメニューの作成を進めている。利用者が実際に利用することで得られるメリットを享受してもらうために心がけていることがあるという。

「いわゆる、おせっかいをすることだと思います。利用者のプロフィールや仕事で取り組んでいること、困っていることを聞きながら他の利用者や会員とつなげること。たとえばスタッフが利用者に積極的に声をかけることはもちろんですが、数多くのイベントや講習会、勉強会を企画、運営、実施していますので、そこへの誘引はとても効果がありますし、利用者にも高評価です」(同児玉氏)

 産業支援は、人のつながりが必要であり、そのシステムをどう作るかも積極的に実証したいと考えている。こういった、人の集め方、事業の推進方法は、羽田空港内への移設を考えた際にプラスになる。

 大田区産業プラザ(PiO)には、数多くの行政の出先機関が入っていることから、biz BEACH CoWorkingの利用者は、この行政機関と連携しやすいという特徴がある。つまり、工業、商業、観光業などの業種に関連する行政機関があるために、企業は各種手続きやイベントなどを通じて連携しやすい。さらに大田区以外の他区、他県、海外とつながっていく可能性を秘めていることが特徴であり、強みだ。

【大田区産業プラザ(PiO)にある行政の出先機関】
  1. 地独)産技研技術開発支援室
  2. 一社)大田観光協会
  3. 公財)東京都中小企業振興公社城南支社
  4. 知的財産総合センター城南支援室
  5. 公財)大田区産業振興協会
  6. 東京信用保証協会
  7. 地独)東京都立産業技術研究センター城南支所
  8. 一社)大田工業連合会
  9. 東京商工会議所大田支部
  10. 蒲田工業協会
  11. 一財)大田区中小企業特定退職金共済会/大田区商店街連合会/大田区商店街振興組合連合会/大田商業協同組合/労働保険事務組合
  12. 大田まちづくり公社

【次ページ】利用者と大田区の企業がつながり、新しいビジネスが発生

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