• 2017/01/24 掲載

世界のロボティクス市場、21兆円規模に 日本市場は2.3倍に拡大

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世界のロボティクス関連市場は、2016年の支出額915億ドル(約10.3兆円)から、2020年には1,880億ドル(約21.2兆円)に伸びる見通しとなった。日本を含むアジア太平洋地域は、世界のロボティクス関連市場全体の3分の2以上を占めるという。また、国内市場における2016年の支出額は104億ドルで、2020年には2015年の2.3倍に拡大する見込みだ。IDC Japanが発表した。
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ロボティクスは産業変革に欠かせないものになってきている
(© phonlamaiphoto – Fotolia)


ロボットを導入する産業分野が増加している

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 IDCによる調査「Worldwide Semiannual Commercial Robotics Spending Guide」によると、世界のロボティクス関連市場における2016年の支出額915億ドルから、2020年には1,880億ドルに伸びる見通しとなった。

 このガイドは、ロボットシステム、システムハードウェア、ソフトウェア、ロボット関連サービス、そしてアフターマーケットに対する支出額に加え、ドローンおよびアフターマーケットに関するデータも調査の対象としている。

 米IDC Manufacturing Insights サプライチェーン リサーチマネージャーのジョン・サンタゲート氏は「ロボティクス関連市場は、成長が続いている。成長が加速する要因として、技術進化、ユースケースの拡大、そして市場の受容性の高まりが挙げられる。ロボティクス関連業界の革新的な企業が多様なタスクを実行できるロボットを提供するようになり、ロボットを導入する産業分野が増加している」とコメントしている。

高い成長が見込まれるのは消費者、医療、小売の分野

 調査によれば、ロボティクス関連市場は製造業が半分以上を占めた。2016年の世界市場において、組立製造が31%、プロセス製造は28%の割合となっている。

 この状況は2020年まで継続し、この2つの産業分野の支出額は、2020年には約1,100億ドルに達すると予測した。ユースケース別にみると、組立製造では組立/溶接/塗装、プロセス製造ではミキシングが最大のユースケースになった。

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世界ロボティクス関連市場 ユースケース別 支出額構成比、2016年
(出典:IDC Worldwide Semiannual Commercial Robotics Spending Guide, 2016H1)


 また、2016年にロボティクス関連支出が多かった産業分野は、資源(80億ドル)、消費者(65億ドル)、医療(45億ドル)の3分野となった。各分野の相対的な順位は、2020年まで同じとなる見込み。ただし、2020年になると、消費者と資源の支出額の差は、小さくなると予測した。

 倉庫での棚出梱包など、すべての産業に共通するユースケース(「クロスインダストリー」)も、高い成長が見込まれるという。2015年~2020年において、最も高い成長率が見込まれる産業分野は、消費者、医療、小売だった。

 米国IDC Manufacturing Insights ロボティクス リサーチディレクターのジン・ビン・チャン博士は「ロボティクスは産業変革に欠かせないものになってきており、先進諸国でも新興市場でも、事業生産性や効率性を著しく高めている。一般的な産業用途でロボットが普及するスピードが速く、我々が注目している有力なロボティクス関連企業の中には、この2~3年で年間平均成長率が自動車業界の2倍を超える企業もある」と述べている。

テクノロジー別ではドローンとアフターマーケットが急成長

 テクノロジー別では、ロボットシステム(コンシューマーロボット、産業用ロボット、およびサービスロボットを含む)やアフターマーケットのロボットハードウェアに対する支出額は、2016年で400億ドル以上となる見込み。

 また、サービス関連支出額(アプリケーション管理、教育&トレーニング、ハードウェア導入、システムインテグレーション、コンサルティングを含む)は、2016年で200億ドル以上になるという。

 ロボティクス関連支出で急成長しているセグメントは、ドローンおよびアフターマーケットであり、2020年には200億ドル近くに達すると予測した。

日本を含むアジア地域が2/3を占める

 地域別では、2016年から2020年にかけて、日本を含むアジア太平洋地域が世界のロボティクス関連市場の3分の2以上を占めると予測した。

 2016年の世界のロボティクス関連市場で2番目に大きいのは欧州・中東・アフリカ地域の147億ドルで、北米・中南米が129億ドルで続く。アジア太平洋地域のロボティクス関連市場は2020年には2015年の2倍以上に増加し、最も成長著しい地域となる見通しという。

 アジア太平洋地域に続くのは北米・中南米で、欧州・中東・アフリカの支出額を2018年までに上回ると予測した。日本の2016年のロボティクス関連支出額は104億ドルであり、2020年には2015年の2.3倍に増加すると予測している。

 さらに国内のユースケース別では、組立/溶接/塗装が26.0%と最大で、これにミキシング22.6%が続いた。

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国内ロボティクス関連市場 ユースケース別 支出額構成比、2016年
(出典:IDC Worldwide Semiannual Commercial Robotics Spending Guide, 2016H1)


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