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  • 2017/01/30 掲載

脳の機能を使いこなして「スキルアップ」する5つのコツ

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学校を卒業してビジネスパーソンになっても、学ばなければいけないことは数多くあります。経済動向や最新技術、今話題の経営の手法など、いつまでインプットしても終わりはありません。しかし、脳の仕組みを理解して使いこなせば、スキルアップは各段にしやすくなると、追手門学院大学客員教授、前鹿屋体育大学教授で、臨床スポーツ心理学、体育方法学を専門の児玉 光雄氏は指摘しています。児玉氏に、脳の機能を使いこなして「スキルアップ」する方法を伝授いただきました。

児玉 光雄

児玉 光雄

1947年、兵庫県生まれ。追手門学院大学客員教授。前鹿屋体育大学教授。京都大学工学部を卒業後、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)大学院にて工学修士号取得。米国オリンピック委員会スポーツ科学部門の客員研究員としてオリンピック選手のデータ分析に従事。専門は臨床スポーツ心理学、体育方法学。プロスポーツ選手のメンタルカウンセラーも務めている。スポーツ界各分野のチャンピオンやビジネス界の成功者をさまざまな分野から分析し、ビジネスの能力開発推進にも力を注ぐ。右脳と記憶の関連性について研究を積み重ね、みずからも落語のもちネタ50以上を誇る。『上達の技術』『マンガでわかるメンタルトレーニング』『マンガでわかる記憶力の鍛え方』(サイエンス・アイ新書)、『Kのロジック 錦織圭と本田圭佑』(PHP研究所)、『サッカー日本代表を鍛えた監督力』(イースト・プレス)、『なぜ大谷翔平は二刀流で闘えるのか』(双葉社)、『イチロー思考』『イチロー頭脳』(東邦出版)など、著書は130冊以上。

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脳の使い方を知れば効果的に勉強できるはず

「初頭効果」と「終末効果」をうまく使う

 与えられた勉強時間の中で、いかに集中力を高めて効率よく勉強するかは、勉強の成果を左右する重要なテーマです。学生時代、学校の図書館や塾・予備校の自習室などで、ちょいちょい席を外すにもかかわらず、成績が良かった人はいませんでしたか? 実はこれ、ちゃんと理由があるのです。

 集中力については、「初頭効果」と「終末効果」という「心理学の法則」にのっとった勉強法を確立することが重要です。これは「何をするにしても、最初と最後に集中レベルが高まる」という心理法則です。言い換えれば、長時間勉強し続けると、さっぱり集中力が高まらない中だるみの時間が生まれてしまうということです。この中だるみの時間を、できるだけ減らすことが勉強を効率化する秘訣なのです。

 たとえば、勉強を2時間するとして、合間に15分の休憩時間を設定するとしましょう。このとき、以下の(1)と(2)ではどちらがベターでしょうか?

(1)1時間勉強した後に15分の休憩をとる
(2)30分勉強するたびに5分間の休憩を3回とる

 そう、(2)です。なぜなら、初頭効果と終末効果が2回から6回に増加するからです。

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人が集中できる時間は限られているので、それに逆らわずに休憩を入れる。これにより、集中力が回復するので、勉強の効果が高まる

 もちろん、休憩中はお茶を飲んだり、机から離れて軽いストレッチをするなどして気分転換しましょう。ただし、気分転換しようと思って休憩中、スマホゲームに興じたりすると、かえって逆効果になることもありますから慎みましょう。

 休憩は短時間でいいので、できるだけたくさん設定することが、初頭効果と終末効果が働くので、あなたの勉強効率を着実に高めてくれるのです。

 とはいえ、それでも集中力は時間とともに落ちてきますから(誰でも疲れてくるので)、たとえば英語の勉強をするときは、最初の30分間に難易度の高い勉強する、あるいは、まったく学習していなかった新しい学習をする時間にあてましょう。そして、最後の30分間は、その日勉強した内容を復習することに努めましょう。

 なお、これと同じ事は仕事でも言えます。頻繁に席を外すわりには成績がいい同僚が周りにいないでしょうか? 席を外すことが多いと「あいつは集中力がない」などと思われることがあるかもしれませんが、実は「集中力を切らさないために、あえて席を外している」のかもしれませんね。

脳の機能を理解し、それに即した勉強法を取り入れよう

 このように、勉強の効率を上げて最大化するには、脳の機能をしっかりと理解して、それに即した勉強法を導入することが大切です。脳科学を無視して、ただ、がむしゃらに勉強したところで、たかが知れています。それだけでなく、そんな勉強法ではいくら時間があっても足りません。

 スポーツと同じように、勉強も技術なのです。

 もはや、ただ猛練習に明け暮れるだけでは一流のアスリートになれないように、勉強でも効率化や動機付けをはじめとする、さまざまなノウハウを持ち込まない限り、目標や夢をかなえることなど到底不可能なのです。

 以下からは、先述の「初頭効果」と「終末効果」を利用した勉強法以外のノウハウも紹介していきます。ぜひ日々の勉強に取り入れてみてください。

勉強スポットを見つける

 「ここで勉強をすると、なぜか集中できて記憶したいことがスラスラと頭に入ってくる」という場所がありませんか? もちろん、私にもあります。それが「勉強スポット」です。

 実は、人は適度な騒音があるほうが集中できます。完全無音の無響室だと逆に集中できません。また、人の目があると、適度な緊張感を維持できます。場所は、カフェや、学校の図書館や塾・予備校の自習室、ファミリー・レストランなど、どこでも構いません。あなたの使い勝手が良い場所であればどこでもいいのです。

 勉強スポットが決まったら、できるだけその場所で勉強する時間を確保してください。

 通勤・通学時、いつもより30分早く自宅を出て朝のラッシュ・アワーを避け、比較的空いた電車に座って読書をしたり、勉強するのでも構いません。できるだけ会社に近い場所にお気に入りのカフェを見つけて、出勤前の1時間をなにかの勉強時間にあてるのもお勧めです(その日のスケジュール確認を兼ねて)。

 勉強するのに快適な場所を毎日確保できれば、勉強がはかどります。自然に集中力が高まる環境で、勉強にのめり込んでしまいましょう。

【次ページ】脳の機能を活かしてスキルアップする方法

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