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2017年02月23日

#joqr #グッモニ の人気コーナー

元フジテレビ福井謙二アナウンサーに学ぶ「言葉の語源や意味より伝えるべきこと」

会議でアイデアが出ず、行き詰まっている状況の中で「煮詰まってきましたね」とついつい言ったとする。しかし本来の「煮詰まる」の使い方は「議論が出尽くして論点が限定され、解決が近づく」といったシチュエーションで使われるものだ。これでは失笑を買ってしまいかねない。しかし、実はこの「失笑」という言葉も「相手のことをバカにして笑う」ことではなく、「笑いをこらえることが出来ずに吹き出してしまうこと」が本来の意味なのだ。このように誤用することなく言葉の意味として使うにはどうすれば良いのか。フジテレビの「プロ野球ニュース」や「料理の鉄人」で人気を博した福井謙二アナウンサーに話を聞いた。

執筆:中森 勇人

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福井謙二アナウンサーに聞く、笑って覚える「言葉」の語源


結論が出せずに「煮詰まる」は誤用?

 ビジネスの世界では「言葉」は重要なファクターだ。鋭いセールストークを武器に契約の山を築くビジネスマンは少なくない。一方で間違った言葉の使い方をしてしまえば、思わぬ失敗を招きかねない。

 文化庁が行った「国語に関する世論調査(平成25年度)」によると、「七日間に及ぶ議論で計画が煮詰まった」という例文の場合、「結論の出る状態」と受け取る人が51.8%、「結論が出せない状態」になることの意味で受け取る人が40.0%となり、実に4割の人が間違って理解をしている結果となった。

 また、「世間ずれ」や「やぶさかでない」、「まんじりともせず」に至っては間違った意味として理解している人がそれぞれ本来の意味を上回る結果となった(各55.2%、43.7%、51.5%)。

 フジテレビでスポーツ実況アナウンサーとして活躍し、現在は文化放送でラジオ番組のパーソナリティーを務める福井謙二氏は、著書の中で「やはり言葉というのは『行きつくところ、結論はわからん!』というケースも多々ある」と語り、日本語の難しさを指摘する。

 福井氏はフジテレビ時代、アナウンサーの指導者として言葉の語源を調べていたところで、ある困難にぶつかった。言葉は生モノであり、経験や時代により意味や用法が変わってくるというやっかいなものである、ということだ。

 そこから福井氏は「言葉の意味や語源を究明しよう」という発想ではなく、「言葉を身近なものと捉え、そのナゾや不思議を扱う形で、言葉の性質をプロとして上手く伝えよう」という発想に変わっていった。

 そこで同氏は、文化放送のレギュラー番組「福井謙二のグッモニ」の中で「コトバのヒロバ」というコーナーを作り、言葉の語源をユーモアを交えながら発信しはじめた。

 その一味に絶妙なツッコミを入れるのが、親子二代女性アナウンサーであり、現役女性アナウンサーとしては初となるヌードグラビアにも挑戦したことがある文化放送の水谷加奈氏だ。

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(写真右から)元フジテレビ 福井謙二アナウンサー、文化放送 水谷加奈アナウンサー


福井アナウンサーは「灯台下暗し」をどう解説するのか

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『コトバのヒロバ(講談社)』

 2013年4月からスタートした「コトバのヒロバ」は人気コーナーとなり、2016年11月には書籍化。出版直後に行われたイベントでは100冊が即完売という盛況ぶりだったという。

 毎日聞くラジオ番組の中で、軽妙なトークで言葉の使い方を解説するというスタイルは、抵抗なくすんなりと言葉の正しい使い方が身に着く。リスナーからの投稿がお題となっているため、身近なものとして言葉と向き合うきっかけになるようだ。

 一例として、実際にリスナーから寄せられた投稿を紹介しよう。

「『それじゃあ灯台下暗しだぞ』というフレーズがありますよね。私は今まで海沿いに立っている塔のような灯台の下で人が暮らすという意味だと思っていましたが、友達からそういう意味ではないと言われました。「灯台下暗し」ってどういう意味なのでしょうか」

 これに対して、「言葉の防人(さきもり)」を自認する福井氏は「『人は身近なものごとには意外と気がつかないものだ』という意味」と答えた。

 ここまでなら普通の回答だが、長年言葉に携わってきた福井氏の答えは一味違う。

 続けて「灯台とは『油の入った皿に灯火を立ててあかりを灯す、室内用の灯火器具の事』です」と答え、「『The darkest place is under the candlestick.(最も暗い場所は燭台の下だ)』」と英語のことわざを被せる。

 ただの知識だけでなく、職場で自慢できる内容に仕上げてくるのが憎いところだ。

【次ページ】言葉の語源を知ることは「リスク回避」になる

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