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2017年02月28日

フロスト&サリバン連載 「TechVision:世界を変革するトップ50テクノロジー」

オフグリッド淡水化とは何か? 東レなど日本企業が支える廃水膜ろ過市場を解説

地球上の水の大部分は海水であり、淡水は2.5%しかない。その淡水も、南極や北極の氷や氷河がほとんどで、使用不可能な地下水や汚染水を除くと、使える淡水は全体のわずか0.01%しかない。水は有限資源であり、人口増加、地球温暖化などの環境問題、経済発展などから、水資源不足は避けられない。そこで、フロスト&サリバン ジャパン コンサルティングアソシエイトの中井 由莉子氏が、日本企業が保有する「オフグリッド淡水化/廃水膜ろ過」技術が世界で果たすべき役割を解説する。

執筆:フロスト&サリバン ジャパン 中井 由莉子

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世界経済にも影響する水をどうやって確保するのか

(画像:© Janis Smits – Fotolia)



水資源不足は世界経済最大のリスク

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 2015年、世界経済フォーラムは水の危機を世界経済にとって最も危険度の高いリスクに位置づけた。さらに2016年には、この警戒状態のステータスは最高レベルにまで高められている。世界の水需要が供給を大きく上回っていることは明らかだ。産業界や社会にもたらされる脅威を緩和するために、短期および長期的な水リスクの評価と、適切な供給計画が不可欠である。

 そのままでは使えない海水、汽水、廃水から、塩および他の鉱物を除去するプロセスが淡水化である。

 現在、淡水の約56%は海水から、24%は汽水から、6%は廃水から製造されている。現時点では世界の人口の1%のみが淡水化によって水を得ている状況だが、国連は2025年までに全人口の14%が淡水化によって水を得るようになると予想している。

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安全な水が供給されない人口比率(2015年)

(出典:フロスト&サリバン)


 こうした背景から、フロスト&サリバンは、今後数年間で大きなビジネス機会が見込まれる「TechVision:世界を変革するトップ50テクノロジー」の1つに、「オフグリッド淡水化・廃水膜ろ過」の技術を選定している。

オフグリッド淡水化、廃水膜ろ過とは

 淡水化とは、すでに述べた通り、そのままでは使えない海水、汽水、廃水から、塩および他の鉱物を除去するプロセスである。

 「グリッド」とは電力会社の送電網のことで、「オフグリッド」とは、「送電系統と繋がっていない電力システム」を意味する。「オフグリッド淡水化」は、通常のグリッドからの電力を頼りにせず、小型風力タービン、太陽光発電(PV)、集光型太陽熱発電などのさまざまなエネルギーを利用して淡水をつくることを指す。

 廃水膜ろ過とは、水の中の濁りや溶け込んでいる成分を特殊な膜を通してろ過することで、膜の組織の孔(穴)よりも大きい物質と水の分離操作を行う作業のことを意味する。対象物質の大きさとろ過の駆動力によって、精密ろ過膜、限外ろ過膜、イオン交換膜、逆浸透膜などに分類される。淡水化の手法は、海水を熱して蒸発させることで淡水を得る「蒸発法」が主流であったが、フロスト&サリバンの分析によると、2015年から2016年では、膜ろ過が最も高い成長を見せている。

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(クリックで拡大)

淡水化装置の成長率
赤枠で囲まれているのが膜ろ過に関わる技術

(出典:フロスト&サリバン)


【次ページ】オフグリッド淡水化と膜ろ過の市場規模予測

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