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2017年03月08日

リクルートライフスタイル 竹田クニ氏が解説

外食産業のIT化、4つのフィールドで同時に革命が起きている

オンラインサービスなど、ITそのものがユーザーに価値を提供するサービスならともかく、他の業界にとってITはやはり効率化の手段として考えられることがいまだに多い。外食産業もそのひとつで、接客はどうしても人間が当たらなければならないため、ITの活用といえばバックヤード業務の効率化をはじめ、コスト削減が目的とみられてきた。しかし、リクルートライフスタイル ホットペッパーグルメ外食総研 エヴァンジェリストの竹田 クニ氏は、いま外食産業では4つのフィールドで同時に革命が起きていると指摘する。

執筆:フリーライター 重森 大

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外食産業のIT化が進展している

(© wayne_0216 – Fotolia)

生産性は「生み出す価値」と「効率化や合理化」との比率で考えるべき

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 失われた20年という言葉があるが、この期間の経済停滞は外食産業にも大きな爪痕を残した。売り上げが伸び悩む中、各店舗は効率化を進めることでなんとか利益を確保してきた。しかし、この効率化に落とし穴があると、HCJ 2017のセミナーに登壇したリクルートライフスタイル ホットペッパーグルメ外食総研 エヴァンジェリスト 竹田 クニ氏は語る。

「さまざまな企業にITによる効率化を勧めていますが、効率化と生産性とが同義語として扱われている印象を受けます。本来、生産性とは生産量に対してどれだけの手間やコストがかかっているかということで判断するものです。しかし、生産量、飲食業界においては売り上げですが、それが伸び悩み続けたために、生産性向上=効率化という文脈が生まれたのでしょう」(竹田氏)

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リクルートライフスタイル
ホットペッパーグルメ外食総研
エヴァンジェリスト
竹田 クニ 氏


 外食産業に限らず、日本のコンシューマ向けビジネスは低価格化競争が続き、単価を上げるよりもコストを下げることで利益を確保せざるを得ない状況だ。

 その結果、日本の外食価格は世界の先進国の中ではかなり安く抑えられている。ファストフードは別にして、店舗に入って着席してゆったりとランチをとっても千円前後で十分楽しめる。「10ドルで普通にランチを食べられる国は、先進国ではほとんどない」と竹田氏は言う。

 ランチ価格がここまで低く抑えられている理由は、外食産業各社が効率化の努力を続けてきた成果に他ならないが、その過程で品質について諦めた部分もあるのではないだろうか。品質を高められなければ、単価を上げることもできない。

「生産性を高めるには、分母となるコストや手間を小さくしていくだけではなく、分母となる品質や単価を高める努力も同時に進めなければなりません。具体的には商品を磨き、新商品を開発し、接客の質を高めること。同業の視察を繰り返して、戦略を立て、実行結果を検証すること」(竹田氏)

 いずれも、外食産業にも携わる人であれば、必要性を理解していることばかりかもしれない。しかし、理解していることと実行できていることとは別の話だ。

 生産性=効率化と思い込んでしまったときから、分子を大きくする視点は経営者から抜け落ちてしまう。本来の姿を思い返し、ITによる効率化を、生産性向上の大きな枠組みの中で捉えなおさなければならない。

外食産業では4つのフィールドで同時に革命が起きている

 生産性を高めるために、顧客に提供できる価値を高めていく必要がある。

 提供する料理だけではなく、それをとりまくコンテキストが重要なのは、他産業と変わらない。たとえば最近では食の安全に加えて、倫理面まで視野を広げて正しい消費活動ができているかを問うエシカル消費など、新たな価値観を持つ消費者が増えている。

「地球市民として正しい消費活動につながっているかどうか。消費者は企業の姿勢を見ようとしています。食事をするなら、そういう意識を持つお店で食事をしたい。勤め先を選ぶにしても、商品ひとつ購入するにしても、倫理的に問題のある企業は選びたくない。そういう消費者が増えてきています」(竹田氏)

 求められていることにすぐに対応できればいいが、言うは易く行うは難しだ。効率化を突き詰めてきた末の低価格化、新たな付加価値を生み出すための余力を残す飲食店は多くないだろう。

 しかし、そうした文脈を理解したうえでIT活用を見直せば、効率化だけではなく、付価値向上にも同時に取り組めるものを選べるようになるという。

「いま外食産業のバリューチェーンは勘違いされています。実は外食産業では、4つのフィールドで同時に産業革命が始まっているのです。もちろんそれぞれの分野でITの活用が求められますが、複数のフィールドを見渡しながら選定すれば、IT活用の効果をより大きなものにできます」(竹田氏)

【次ページ】顧客の満足度を高められる製品を選ぶことが重要

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