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2017年03月24日

「デザインシンキング」で実践、エクセレントカンパニーに共通する9つの原則

現代の消費者は、革新的なブランドが創造する、サービスだけでなく情緒や感性を刺激する経験経済(エクスペリエンス・エコノミー)に慣れ親しむようになった。そのため、あらゆる業界では高いレベルの顧客体験が求められるようになり、これをどのようにして進化させるかが喫緊の課題だ。その創出プロセスには、デザインシンキングを活用すべきだという。PwCがエクセレントカンパニーに共通する「9つの原則」を紐解き、これらを実践するためのデザインシンキングの手法を保険業界向けに解説する。

執筆:吉田育代

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顧客体験の進化こそが生き残りの道。日本の保険業界はデザインシンキングで変革を

(© peshkova – Fotolia)



エクセレントカンパニーに共通する「9つの原則」

 「顧客体験の重視と企業の成功は高い相関関係にある」と語るのが、PwC Japan主催セミナーに登壇した、PwCコンサルティング 保険コンサルティング リーダーでパートナーのアビジード・ムコパドヤイ氏だ。

 これを示す事例として、ムコパドヤイ氏はいくつかのエクセレントカンパニーのプランドを挙げた。こうした企業には、共通した9つの「プリンシプル(原則)」があるという。それはシンプルさ、信頼感、顧客とのエンゲージメント力など、次の9つだ。

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現代の消費者は保険にも9つのプリンシプルを求めている

(出典:PwC資料)


 これらの快適性に慣れた現代の消費者は、保険にも同様のレベルの期待を寄せているという。

 しかし、既存の保険業界は「インサイドアウト」、つまり、企業・技術からの発想に終始し、業界や組織、製品やサービスの都合に合わせて技術を選定し、顧客を当てはめる傾向がある。そのために、顧客の期待を裏切る結果になっているというのだ。

9つの原則を「デザインシンキング」で実践する

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 ムコバドヤイ氏は「保険会社が今後、これら9つのプリンシプルを実践しようとするなら、もう一度、顧客体験のあり方をデザインしなおす必要がある」と力説する。

 そのための方法論として、同氏は「デザインシンキング」と呼ばれるイノベーション創出プロセスを紹介した。

 デザインシンキングとは、一言でいえば「人間やその生活に重きを置き、生活者の視点から製品・サービスを開発したり、問題を解決したりする思考法」である。

 とりわけ新しい概念というわけではないが、スタンフォード大学のデザイン教育で取り上げられたり、米国のデザイン会社 IDEOがデザインシンキングによるコンサルティングが注目されたりして、現在は日本でも一部の製造業などを中心に導入が進んでいる。

 PwCの紹介するデザインシンキングは、次のプロセスから構成される。

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(クリックで拡大)

「デザインシンキング」5つのプロセス

(出典:PwC資料)


 顧客体験を進化するためのデザインシンキングのポイントは、まず「共感」にある。共感とは、扱おうとしているテーマに関わる利害関係者についてすべてを学ぶことだ。

 また、顧客のニーズを深く理解することも重要である。これは苦情や、アンケートをして返ってくるフィードバックだけは不十分である。

 ムコパドヤイ氏は「日本の保険会社は苦情から改善を図ろうとしがちですが、それは狭い領域の顧客データでしかありません。つまり小さな問題は解決できますが、顧客体験全体の改革にはなりません」と語る。

「顧客を観察し、彼らがなぜ生命保険に加入し、補償を利用しようとするのかを真に理解する必要があるのです」(ムコパドヤイ氏)

 顧客が理解できたら、次のアクションはサービス開発だ。ここで重要となるのは分析能力である。

 ここで同氏は「日本の保険会社は、データを持っているが分析する能力が足りない」と語る。分析能力はこれからのデジタル経済を生きるために必要不可欠なもので、これを身につければ、未来予測や製品・サービスイノベーション、動的な保険料体系などの構築に役立てられる。そしてそのためには、どの領域のデータを強化すべきかの決定が必要だという。

 ほかにも重要なのが「顧客体験の共創」だ。同氏は「既存の保険会社はインサイドアウト型企業が多く、共創の習慣がない。エクセレントなスポーツブランドがそうしているように、サービスのデザインやテストに、顧客やパートナーを招くべき」と主張する。

【次ページ】リーダーシップの関与が成否を左右する

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