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2017年04月28日

経営者の意向を超える企画提案の変革(7)

資料は「メッセージファースト」で作る その資料は誰の気持ちをどう変えますか?

コンサルティング・プロモーションでは、メッセージファーストという説得の設計のための技術を身につけている必要がある。メッセージファーストができていないとどのようなロスを生むか、メッセージファーストとはどのようなものか、これを事例で解説する。また、メッセージファースト実践に必要な行動規範「アクティビティに落とす」についても解説する。

執筆:データ総研 シニアコンサルタントマネージャ 大上 建

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経営者は、戦略達成のための企画提案を待っている



メッセージファースト=説得の設計

 我々が、クライアントに対してコンサルティング・プロモーションの導入OJTを行うと、しばしば出会う光景がある。「社内説明用の資料を作っているがアドバイスしてほしい」、「現場へのアンケート調査をまとめているが、まとめ方のアドバイスがほしい」のように、日常の情報システム部門としての活動に対するアドバイスの要望だ。

 もちろん快く応じる訳だが、まず確認するのは「その資料(あるいは調査結果)で、誰の気持ちをどのように変えようとしているのか?」という点だ。

 しかしほとんどの場合、アドバイス対象の方は、「…、あー、それは…」となってしまう。彼あるいは彼女にとっては想定外の質問だからだ。なぜ想定外になるか、残念ながら落としどころを定めないまま、資料作成や調査などの行動(アクティビティ)にかかっているからだ。

 難易度の高い企画提案をする場合、ムダな資料作成や調査に時間を割いている余裕などない。最大効率で進めなければ成果につながらない。そこで「メッセージファースト」という技術を用いる。

 メッセージファーストは単純な論理だ。まず初めに意思決定者あるいは合意形成の相手の今現在の認識とそれをどのように変えるか、つまり落としどころを定める。そしてその落としどころに向けて落とすためのメッセージを決め、相手がそのメッセージを受け入れるのに必要な裏付けとしてのファクトを定める。これを定めてから必要なファクトを獲得するための行動としての調査、そしてそれをまとめる資料作成を行う。

 メッセージファーストで説得を設計する道具がメッセージ・ストリームだ。メッセージファーストは、説得の設計の技術だ。メッセージファーストを図1に示す。

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(クリックで拡大)

図1■メッセージファーストで説得を設計する


メッセージファーストの事例

●事例のファクト
 A社は総合エレクトロニクスメーカーのグループ企業だ。A社は、市街地にある設備を設置し、その設備で得たデータを加工して種々の情報を販売している。設備の設置には、地権者の合意が必要で、その設備を設置して意味のある場所はある程度限られている。

 A社のライバルB社はこの事業を専業で行う会社だ。B社の設置済みの設備数は、A社に比べてわずかに多い。しかし設置済み設備数以上に、加工した情報の売上はA社の倍ほどもあり、加工した情報の魅力度と販売で負けていた。

 競争に勝つためには、そもそもの設備数を増やすことが必要だ。販売する情報の魅力は、元データの量と密度に大きく相関するからだ。ライバルB社に情報の魅力で負けているが、その差はわずかであり、改善余地は十分ある。また販売面でも、営業の体制強化と営業支援のシステム化による改善余地は十分ある。

 意思決定者である事業部長は、資金力はあるのに、ここまでのところ設備投資になぜか消極的だ。このままではライバルB社との差は広がるばかりだ。事業部長にしてみれば、今現在、販売する情報の魅力度でも販売面でも負けているのに、さらに大型投資をすることを、社内に説明しにくい思いがあり、逡巡していたのだ。

 そこで、設備設置開拓、情報加工、販売について、業務改革とシステム化をセットにした提案をし、承認された。

●説得の設計

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