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2017年05月02日

エヴァン・ウルフソン氏来日

「従業員が"ありのまま"でいられるときに利益は最大化」加・豪・米・日の有識者が討論

ビジネスにおいて、ダイバーシティ(多様性)を重視する動きがますます活発化してきている。4月12日には「女性の権利とLGBTI(性的少数者)の権利に関する取り組み:誰もが平等な社会へ」と題するイベントが在日カナダ大使館で開催され、カナダ、オーストラリア、日本の政府関係者や有識者、野村ホールディングス チーフ・リーガル・オフィサー 執行役員 高山寧氏らが登壇し、女性やLGBTIなどへの支援の次のステップを考えた。この日は2015年の米国同性婚合憲判断の立役者の1人である エヴァン・ウルフソン氏も来日。ダイバーシティやインクルージョン(社会的一体性)への取り組みがビジネスにもたらすメリットについて大いに語り合った。

執筆:編集部 佐藤 友理

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米同性婚合憲判断の立役者 エヴァン・ウルフソン氏が来日した


カナダではトルドー首相がジェンダー・LGBTIの平等を率先して推進

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在日カナダ大使館
Counsellor and Head of the Political and Economic Section
クロード・デメース氏

 開会の挨拶には、在日カナダ大使館 Counsellor and Head of the Political and Economic Section クロード・デメース氏が立った。

「ジェンダーの平等とLGBTIの平等・権利はカナダ国内において、非常に重要な課題であり、ジャスティン・トルドー首相を中心に積極的に取り組んでいます。2015年、トルドー首相はカナダで初めて男女の閣僚数が同じ内閣を作りました。また、カナダ政府はトランスジェンダーの平等の推進にも取り組んでいます。カナダは人権法で差別を禁止する項目に、ジェンダーの平等とジェンダーの表現を加えました。さらに、刑法にヘイトクライムに関する規定を設けました。2016年にはLGBTIが直面するだろう問題に関し、首相に助言を行うLGBTI担当者が任命されました。また、カナダ大使館は東京で開催されるレインボープライドイベントに参加することも決まりました」(デメース氏)

 デメース氏の挨拶の後、2016年に公開された映画『Freedom to Marry』が上映された。これは、米国で同性婚が認められていなかった州のカップルたちが、弁護士などの法律実務家と協力し、2015年6月26日の連邦最高裁判所の同性婚を認める判断を達成するまでの道のりを描いたドキュメンタリー作品だ。本イベントでは、中心的出演者の1人であり、米国同性婚合憲判断の立役者の1人である エヴァン・ウルフソン氏がパネルディスカッションに参加した。

ダイバーシティを内包している企業のパフォーマンスは高い

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在日オーストラリア大使館
首席公使
クレア・ウォルシュ氏

 パネルディスカッションでは、企業とジェンダー・LGBTI推進の関係が問われた。パネリストは前述のウルフソン氏、在日オーストラリア大使館 首席公使 クレア・ウォルシュ氏、ホーガン・ロヴェルズ 別府理佳子氏、カナダ唯一のLGBTIの権利推進を行う全国組織であるエガル・カナダ エグゼクティブ・ディレクター ヘレン・ケネディ氏。司会はフレッシュフィールズブルックハウスデリンガーのアレクサンダー・ドミトレンコ氏だ。

「私が働いていた職場では、上級職の女性や団体を代表する動きは少なかった。それまでの人事ルールなどの企業のシステムが昔の状況を前提にしているからです。はっきりと言えることは、ジェンダーであれ、LGBTIであれ、文化であれ、ダイバーシティを内包している企業のパフォーマンスは高いということです。特に、企業などのプライベートセクターでは、多くのエビデンスがあります」(ウォルシュ氏)

 ケネディ氏は、ウォルシュ氏に賛同したうえで、さらに補足した。

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エガル・カナダ エグゼクティブ・ディレクター
ヘレン・ケネディ氏

「ビジネスにおいて最も大切なのは利益です。そしてその利益は、従業員が職場で“ありのまま”でいられるときに最大化されます。カナダでは、多くの調査が行われ、LGBTIの教育水準は高いものの、良くないマネジメントにはまってしまっていることがわかっています。良くないマネジメントのため、カミングアウトを恐れ、ありのままのパフォーマンスが発揮できない。組織としてのロスを考えてみてください。これは大きな損失です。そしてここには人間的要素があります。

 私が何より強調したいのは、人はありのままの自分自身を職場に持ち込めるのです。日本の職場で週末や家族の話をするか、デスクの上にパートナーの写真を置けるかどうかはわかりませんが、カミングアウトできていれば自分に関する嘘をつく必要がありません。また、こういった会話ができる環境にあれば従業員は職場での安全性を感じることができます。

 もう1つ重要で多くの人が口にするのがメンターシップ(指導)です。たとえば弁護士事務所でより経験のある弁護士が若手に指導を行うことがあるでしょう。では逆に、たとえばカミングアウトした若手のLGBTI弁護士が経験豊富な弁護士に対し、職場が安全ではないとはどういうことか、毎日出勤して自分がどんな人間であるか隠すことにどんなことを感じるのかを教えたらどうでしょう。やり方はたくさんあります。実践するにはクリエイティブである必要があるでしょう」(ケネディ氏)

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