コマツの成長を支えるグレーターアジア戦略とダントツ商品開発
他社に先駆けてグローバル化を進めてきたコマツだが、現会長の坂根正弘氏が社長に就任した2001年は、創業以来、はじめて赤字決算を行うなど、苦戦を強いられていた。そうした中からV字回復を果たしたコマツの原動力となった戦略がグレーターアジア戦略と、ダントツ商品の開発である。この両戦略に共通するのが「選択と集中」だ。
グレーターアジア戦略とは、アジアを戦略市場と位置付け、経営資源を集中投資するというもの。2001年当時は全体の2割に過ぎなかったが、昨今では6~7割を占めるまでに急成長させた。横堀氏は「日本だけでは頭打ちなのは見えており、コマツは海外に出て行くことが必須だった」と振り返る。
一方、ダントツ商品開発とは、文字どおり他社を圧倒するダントツした機能の開発に資源を集中することだ。ハイブリッドの油圧ショベル車、鉱山で活躍する巨大な無人ダンプ、世界中の建設機械の稼働状況をGPSを用いてモニターできるシステム「KOMTRAX」などは、業界関係者以外にも知られたダントツ商品として有名だ。
こうした中、同社が構築したグローバル統合部品表システム(G-DMS)は、「コマツの戦略を支えるうえで欠かせないシステムだった」(横堀氏)。
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グローバルでの共同開発環境を実現した統合部品表システム