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  • 2022/12/08 掲載

世界で進む「テック企業×自動車」、「ここまで来たか」中国ビッグテックの戦略を徹底解説

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中国の大手テクノロジー企業が、次々と自動車産業に進出している。BAT(百度、アリババ、テンセント)をはじめ、ファーウェイ、シャオミなど著名なテック企業のほとんどが参入する中、戦略は各社によって異なるが、テック企業が主導して自動車製造をするケースと、サプライヤーとして自動車メーカーにソリューションを提供するケースに大きく二分される。中国主要テック企業の自動車産業への参入戦略と現状をまとめた。

執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

執筆:ITジャーナリスト 牧野 武文

消費者ビジネスの視点でIT技術を論じる記事を各種メディアに発表。近年は中国のIT技術に注目をしている。著書に『Googleの正体』(マイコミ新書)、『任天堂ノスタルジー』(角川新書)など。

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ソニーとホンダの新会社ソニー・ホンダモビリティのような「テック企業×自動車メーカー」のタッグが世界中で起きているワケ
(写真:つのだよしお/アフロ)

世界中で進む「テック企業×自動車メーカー」の提携

 2022年6月、ソニーとホンダがモビリティ事業を行う新会社「ソニー・ホンダモビリティ」の設立の契約を交わしたことが大きな話題を呼んだ。新会社の事業は「EVの販売」と「モビリティサービスの提供」であり、ホンダの車にソニーのタブレットを搭載するなどという安直なものではなく、両社の持つ先進的な発想がケミストリーを起こしたEV、サービスが登場するのではないかと期待されている。

 このようなテクノロジー企業と自動車メーカーの提携は世界的に進んでおり、米ビッグテックも自動車領域に参入している。たとえば、グーグルの兄弟会社であるウェイモは世界に先がけて自動運転の開発に取り組んでいる。また、アップルは10年以上前から自動車技術の開発を続け、「アップルカー」の製造を目指しているが、12月6日、アップルカーの発売目標時期を2026年に延期し、完全自動運転は断念したことが報じられた

 中国もこの「テック企業の自動車領域参入」という潮流の例外ではない。BATと呼ばれる百度(バイドゥ)、アリババ、テンセントのテックジャイアントはもちろん、ファーウェイ、シャオミも自動車産業に参入し始めている。


業界の常識を覆す潮流、要因はニーズの変化

 なぜ、テック企業と自動車メーカーが提携を始めているのか。その理由は明快だ。自動車は「製品」から「サービス」に変わろうとしているからだ。

 最高時速や加速性能といった自動車の基本性能はすでに成熟している。消費者は、自動車を日常の道具として使う上での運転のしやすさ、実用性、さらにはカーナビ情報サービスなどの充実、サブスクリプション(定額課金)やシェアリングなどの新しい販売方法などを求め始めている。

 電気自動車(EV)、自動運転といった要素も、もはや必須になってきている。そして、故障、事故時の緊急支援サービス、メンテナンスサービスの充実も車選びの重要にポイントになり、自動車という商品は、製品単体から、自動車を中心にしたサービスに変わろうとしているのだ。

 このような「サービスとしての自動車」を提供するために必要な技術要素は下図のように整理できる。

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次世代の自動車製造に必要な技術。青色の項目はテック企業が得意な分野。黄色の項目は自動車メーカーが得意な分野

 今後求められる「サービスとしての自動車」に必要な技術要素は、自動車メーカーよりもテック企業のほうが多く持っているのだ。つまり、次世代の自動車を提供する最短距離にいるのは、自動車メーカーではなくテック企業のほうなのだ。

【次ページ】これからの自動車に必須で求められる「3つの要素」

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