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  • 2009/06/25 掲載

BI製品を比較、押さえておきたいオラクル・SAP・IBMによる3つの買収劇

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ここ1、2年、拡大を続けるBI市場をめぐって、オラクルやSAP、IBMなど世界の名だたる巨人たちが動いた。大型の買収が行われ、BI市場の勢力図は大きく塗り替えられた。BIベンダーは、いくつかのグループに収れんしつつあるが、落ち着きを取り戻すには、まだしばらくかかりそうだ。BI導入を検討しているなら、こうした市場動向にはある程度、注意を払っておきたい。

執筆:フリーライター 井上 健語

執筆:フリーライター 井上 健語

フリーのテクニカルライター。コンシューマからエンタープライズまで、初心者向けの記事からテクニカルな解説記事、広告記事、企業取材記事などを手がける。執筆した書籍はこれまでに約80冊。オールアバウトでは「パソコンソフト」「ワード(Word)の使い方」「MS Officeの使い方」のガイドもつとめる。2008年からWordカテゴリーでのMicrosoft MVP。
個人ホームページ:http://www.makoto3.net/
facebook:http://ja-jp.facebook.com/inouekengo

押さえておきたいオラクル/SAP/IBMによる3つの買収劇

 ここ1、2年でBIマーケットのメインプレーヤーは大きく変化した。特に大型の買収が相次いだため「どこがどこを買収したのか」をある程度把握しておかないと、混乱しかねない。マーケットの全体像をざっとつかんでおけば、製品を選ぶ際にも役立つはずだ。以下は、特に押さえておきたい3つの買収だ。

・2007年4月……米オラクルによる米BIベンダー大手 Hyperion Solutionsの買収。
・2008年1月……独SAPによる仏BIベンダーBusiness Objectsの買収
・2008年1月……米IBMによる加BIベンダー Cognosの買収

 いずれも、巨大企業がBI専業ベンダーを買収するという構図になっている(図1)。

図1 主要BIベンダーの動き
※クリックで拡大

図1 主要BIベンダーの動き



 オラクルは言わずとしれた世界最大のデータベースソフトメーカー。基幹系システムから情報系システムまで同社のデータベース製品を利用しているシステムは数多い。2007年4月にアメリカのBIベンダー Hyperion Solutionsを買収し、BIマーケットに本格進出した。なお、オラクルは2005年1月にERPベンダーであるピープルソフトも買収している。

 そのERP分野で最も大きなシェアを持っているのがSAPである。ERPは「Enterprise Resource Planning」の略で、企業の経営資源を有効活用し、経営の効率化を図る手法・概念のこと。そのERPを実現するERPパッケージの分野でトップを走るのがSAPである。世界120カ国以上で10万件以上の導入実績を持つとされ、ソフトウェアベンダーとしてもマイクロソフト、オラクルに次ぐ規模を誇る巨大企業である。

 ERPパッケージには、製造・物流・販売・調達・人事・財務会計など、企業の基幹業務を支えるシステムが含まれている。したがって、経営状況の把握やビジネス判断をサポートしようとするBIにSAPが進出するのは、ごく自然な流れだと言えよう。2008年、BIツールのパイオニア企業であるBusiness Objectsを買収し、自社のBIソリューションに組み入れた。

 IBMは世界最大のコンピュータメーカー。ハードウェアだけでなく、OSやアプリケーションソフト、システムインテグレーションなどのサービスなども幅広く手がけている。データベースソフトのDB2も有名だ。2008年1月、カナダのBIベンダー Cognosを買収し、自社のBIソリューションを強化した。

 もちろん、主要BIベンダーは、この3社だけではない。国内では、純国産のBIツールを提供しているウイングアークテクノロジーズ社が有名である。2001年にリリースされたDr.Sumというデータベースエンジンをベースに、日本独自の「帳票」を中心としたデータ活用のBIソリューションを展開し、導入している国内企業は数多い。

 また、マイクロソフトの動きも要注目だ。マイクロソフトの強みは、BIに必要な製品をすべて自前で持っていること。データベースソフトのSQL Server、情報共有のプラットフォームとなるSharePoint Server、BIのフロントツールとなるExcelなど、自社製品の組み合わせだけでBIソリューションを構築できてしまう。BIに関連して買収した企業も数社あるが、いずれも前述の3つの買収に比べると規模が小さく、自社開発に必要なテクノロジーを手に入れたという側面が強い。

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