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  • 2011/05/11 掲載

新しいテクノロジーを自身の仕事といかに結びつけるか?鈴木恭平さんに聞く

【連載】セミナー・勉強会の選び方

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プラップジャパンという大手PR会社に勤務する鈴木恭平さん。学生時代に演劇をやっていた鈴木さんが、お酒やタバコなどの嗜好品のPRをやりたいと同社に入社して今年で5年目になる。現在鈴木さんはIT企業のPRを支援する仕事と、企業のソーシャルメディア活用といったデジタルコミュニケーションのコンサルティングを行うデジタルインフルエンス事業推進室を掛け持ちしながら、自ら勉強会の運営にも関わる。連載第3回となる今回は、若手ながらも勉強会の運営などに携わる鈴木さんの勉強会への関わり方と取り組みのコツを紹介する。

加藤恭子

加藤恭子

株式会社ビーコミ 代表取締役
IT媒体の記者・編集者を経て、外資系IT関連企業のマーケティング責任者を歴任。PRSJ認定PRプランナー。企業の広報・マーケティングのコンサルティングや実務支援を行う会社「ビーコミ」を2007年に設立。ソーシャルメディアの台頭を考慮した広報・マーケティング活動にも力をいれているほか、業務を円滑に進めるためのコミュニケーション法や勉強法なども啓蒙している。


新しいテクノロジーを広報とどう絡めていくのか

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PR Laboを運営する鈴木恭平さん
 鈴木さんが運営にかかわる勉強会は、プライベートで友達と一緒に企画をしたPR Laboだ。この会は当初、同じ業界の人間が集まって情報交換をする飲み会でしかなかったが、皆で勉強したいという話から読書会としてスタートした。そこでは『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略(Harvard Business School Press)(翔泳社,2008)』などを読み込んだという。

 この読書会が徐々に勉強会として変化していき、ここ1年は講師を招いて講演してもらうスタイルで3ヶ月に1回実施しているという。話をしてもらうテーマは、フェイスブック上に非公開グループを作成し、運営している3名で話し合って決める。

 内容は広報やマーケティングに関わることが中心で、退職した先輩を講師に招いて「クライシスコミュニケーション」という広報色の強いテーマを話してもらったり、「位置情報」や「AR(拡張現実)」といった技術色の強いテーマを掘り下げるなど、幅広く取り上げている。次回は「屋外広告」がテーマになる予定だという。

 勉強会では、取り上げるテーマをやみくもに賞賛して「皆で取り組もう」というスタンスではなく、場合によっては「このサービスは使わなくていい」という結論もあるという。まだ積極活用されていないテクノロジーや、知識として知っておきたいことをテーマに選ぶことが多く、まさに勉強するための会というわけだ。

 また、こうした新しいテクノロジーや知識は世に出回っていても、広報とどう絡めていけるのかといった議論は行われないことが多い。そこで、それを皆で集まってわいわいと考えていくのだという。

講師とのWin-Winの関係を築く仕組み

 参加者は鈴木さんと同世代の20代半ばから30代半ばが多い。勉強会はテーマによって顔ぶれが変わる。毎回皆が参加するわけでなく、母体となるグループ100人くらいのうち、20人から30人くらいが参加する。

 参加者の職業は、PR会社だけでなく広告代理店やメディアに携わる人が中心で、マーケティングやコミュニケーションへの感度の高い人が多いと言えるだろう。参加者が知人を誘うためか、人のつながりで同じようなタイプの人たちが集まってくるのだと思われる。鈴木さんの後輩にあたる、プラップジャパンの内定者も参加しているという。

 この勉強会自体はクローズな場ではないが、まず講演を聴いてから、グループワークをするスタイルをとっている。そのため、「5人のグループを6個作るのが限界」で、積極的に人数を増やす取り組みはしていない。

 勉強会では、最初に講演を聴き、グループワークをやり、その後は懇親会を実施する。たとえば、電子書籍の回では、講演後に「どういうことができるか」をグループで話し合い、それぞれ発表を行った。一方的でなく、関わり合って出てくるアイデアを大事にしたいと思っていると鈴木さんは言う。このようなグループワークがあると、参加者のハードルは上がる。しかし、お互いに「参加し合う」、つまり一方的に話を聞くわけではない関係が生まれる。

 この勉強会の参加費用は会場費と飲食費という実費のみ。講師も一緒に食事して、参加者全員で講師に食事をおごる。さらにグループワークで考えたアイデアを講師にフィードバックするため、講師にも「気づき」がある。そのためにWin-Winの関係が築けていると鈴木さんはいう。

【次ページ】勉強会なのに書き取りしない!?

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