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  • 2013/04/02 掲載

Software-Defined Networkでは何ができて、どんなメリットやデメリットがあるか

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米調査会社のガートナーがSoftware-Defined Network(SDN)に関する発表を最近になって2本、公開しています。そろそろSDNとは何かという議論から、具体的に何ができてどんなメリットやデメリットがあるのか、といった議論へと進もうとしている中で、参考になりそうな記述をいくつか引用します。

Publickey 新野淳一

Publickey 新野淳一

ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。

 米調査会社のガートナーがSoftware-Defined Networkに関する発表を最近になって2本、公開しています。そろそろSoftware-Defined Networkとは何かという議論から、具体的に何ができてどんなメリットやデメリットがあるのか、といった議論へと進もうとしている中で、参考になりそうな記述をいくつか引用します。

SDNはビジネスのアジリティを提供する

 1つ目は3月12日に公開された「Ending the Confusion About Software-Defined Networking: A Taxonomy」(Software-Defined Networkについての混乱を終わらせよう)という文書。

 ちなみにガートナーはSoftware-Defined Networking(以下SDN)と、最後にingを入れることで用語を統一しているようです。まず、ガートナーらしい簡潔なSDNのまとめをこう記述しています。

Software-defined networking (SDN) is a new approach to designing, building and operating networks that focuses on delivering business agility while lowering capital and operational costs.

 SDNはネットワークの設計、構築、運用に関する新しいアプローチで、投資と運用のコストを下げつつビジネスのアジリティを提供することにフォーカスしている

 技術的なSDNの定義は、あとで紹介する2本目の文書中において、「コントロールプレーンとデータプレーンを分離して、集中管理する」という特徴を指摘しており、一般的なSDNの定義と変わりません。上記ではSDNがビジネスのアジリティを提供するという点にガートナーの視点がうかがえます。

 また、技術的な視点からのSDNがもたらす変化は、次のように書いています。

SDN represents a shift from (per box) element-based control to network-based control.

 SDNは、ネットワークを(筐体ごとの)要素ベースのコントロールから、ネットワークベースのコントロールへのシフトを体現している。

 SDNが引き起こす変化を俯瞰してみると、たしかにそう言えそうです。だからこそ、このネットワーク全体を管理するソフトウェアの主導権をどこが握るのか、ネットワークベンダーから仮想化ソフトベンダ-、管理ツールベンダー、そしてクラウド基盤ソフトウェアなどさまざまなプレイヤーがいままさに覇を競おうとしているところです。

 さて、ネットワーク仮想化とSDNの関係は混乱しがちな点だと思われますが、ガートナーは次のように説明しています。

While some vendors equate SDN with network virtualization, network virtualization is simply one of the applications supported by SDN. Limiting the discussion of SDN to network virtualization limits the value that can be achieved and may steer you toward an inappropriate choice.

 いくつかのベンダはSDNとネットワーク仮想化を同じものとしているが、ネットワーク仮想化は単にSDNがサポートするアプリケーションの1つだ。SDNの議論をネットワーク仮想化に狭めておくのは、その価値を制限してしまうとともに、不適切な選択にも向かいかねない。

 ネットワーク仮想化がSDNのアプリケーションの1つだという説明は、一昨年の記事でPublickeyでもそう説明していたので、ガートナーと見解が一致していて少しほっとしています。

【次ページ】既存のネットワーク技術者には脅威

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