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2014年02月13日

100万超ヒットの事例から学ぶ 日本交通アプリはなぜ成功しているのか?

スマートフォン利用率が急増する中、クラウドとデバイスをフルに活用した新たなビジネスモデルを確立し、ビジネスを変革・成長させている企業がある。東京のハイヤー・タクシー会社の日本交通だ。同社は2010年6月ごろ、スマホを利用したアプリケーションを企画・発案。2014年1月時点でダウンロード数は100万超、アプリ経由の売上は20億円を超えるという。ではなぜ日本交通のアプリが成功しているのか?アスキークラウド主催イベントに登壇した野口勝己氏が語る、アプリ企画、開発、リリース後のマーケティング戦略から紐解いてみたい。

執筆:フリーライター 井上 猛雄

スタート当初、開発担当はたった1人だけ

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日本交通
総務・財務部担当執行役員
野口 勝己氏

 日本交通は、1928年に創業した東京のハイヤー・タクシー会社として知られる。2013年5月現在の従業員は7122名、売上高は約430億円と日本一を誇る。日本交通の総務・財務部担当執行役員である野口勝己氏は、冒頭で配車アプリの概要について紹介した。

 この配車アプリは、スマートフォンのGPS機能を利用し、現在地からワンタップでタクシーを呼び出せるというもの。事前予約機能によって、配車の日時や時間も指定でき、ユーザーに好評を博しているという。野口氏は、同社がこのようなアプリを自社開発した経緯について以下のように語る。

 「以前からガラケーで通話をせずにタクシーを呼べるアプリを提供していましたが、使い勝手があまり良くなかったのです。そうした中、異業種の宅配ピザ屋がGPSを利用したユニークなアプリを開発したと聞き、我々もGPS機能を使ってタクシーを簡単に呼び出せるアプリを開発したいと考えました」

 開発することが決まると、同社は競合他社に追い抜かれないように、可能な限り早くリリースすることを目標にした。しかし、驚くべきことに開発を担当した日交データサービスのエンジニアは1人だけ。さらにiOSでの開発が社内初の試みという、厳しい制約条件があったのだ。

スコープはタクシーを「呼ぶこと」に限定

 「やりたいことは数多くありましたが、まずスコープを絞り込んだのです。タクシーを『呼ぶ』という機能に限定して開発に取り組むことで、効率化とスピードを最優先にしました」

 日本交通と日交データサービスのアプリ開発方法は、ドキュメントを作成せず、要件定義・分析開発・検証・導入という短いサイクルをその都度回し、現場の意見を反映しながら完成度を高めていくアジャイルのようなスタイルを採用した。

 「アプリを利用するにあたって、面倒な登録が多いと利用する前に離脱するユーザーが出てきます。利用時には、面倒な会員登録の入力をなくし、アプリのダウンロード後にすぐ使えるように工夫しました。余計な顧客データを収集する機能は持たないため、情報漏えいの心配もありません」

【次ページ】アプリ経由で売上が20億円、そのノウハウとは?

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