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  • 2016/05/11

フロスト&サリバンが特定、今後5年で数兆ドルのビジネスチャンスを生む5テクノロジー

フロスト&サリバンは、近い将来に大きな商業的機会を持つ50のテクノロジーを選出した。中でも、付加製造、 XaaS (X as a Service)、リチウムバッテリー、軽量化素材、ウェアラブル・エレクトロニクスの5つのテクノロジーは、家電業界、エネルギー業界、自動車・交通業界、海運業界、ビル建築業界など数多く業界の今後数年の成長を左右するという。それぞれのテクノロジーの概要と今後の展開を同社 TechVision グローバルバイスプレジデント アナンド・スブラマニアン氏が解説する。

フロスト&サリバン アナンド・スブラマニアン

フロスト&サリバン アナンド・スブラマニアン

フロスト&サリバン TechVision グローバルバイスプレジデント

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フロスト&サリバンは、「TechVision:新興テクノロジートップ50」の最新版を発表した。今回特定されたトップ50のテクノロジーは、今後2~3年間で世界的にビジネスに大きな影響を及ぼし、今後5年間で数兆ドル規模のビジネスチャンスをもたらすことが予測されている。

既存のモデルを破壊してビジネスを変えるテクノロジーとは

「TechVision:新興テクノロジートップ50」では、特定のテクノロジーの知財活動の実施の段階、技術に対する投資の規模、商業機会の可能性、そしてメガトレンドといった指標に基づいてトップ50のテクノロジーを選定しています。この指標に基づいて、50の中から最も重要なトップテクノロジーを選ぶとすると、下記の9つが挙げられます。

1. 付加製造(Additive manufacturing)
2. XaaS (X as a Service)
3. リチウムバッテリー
4. 軽量化素材
5. ウェアラブル・エレクトロニクス
6. 商用ドローン
7. Waste-to-Energy「廃棄物のエネルギー転換」
8. 治療用抗体
9. 神経機能代替

 中でも、1~5の5つが、フロスト&サリバンの「TechVision:新興テクノロジートップ50」の50のテクノロジーの中でも最も重要となるテクノロジーです。今回はその5つを解説します。

製品開発時間短縮の期待がかかる付加製造(Additive Manufacturing)、課題はスピード

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フロスト&サリバン
TechVision
グローバルバイスプレジデント
アナンド・スブラマニアン氏
 付加製造(Additive Manufacturing)は、樹脂系などの材料を幾層にも重ねて、3次元の物体を設計あるいは製造するために用いられる技術を指します。付加製造には、3Dプリンティングや高速な試作(ラピッドプロトタイピング)、積層造形などの様々なテクノロジーが含まれます。

 付加製造の中でも、特に3Dプリンティング技術は、この数年間で複数の業種での急速な導入がおこなわれました。付加製造技術は、様々な業種における試作品の製造コストの削減に貢献するとみられています。結果として、付加製造を試作品の製造に用いる業界では、製品開発のライフサイクルが短縮されていくでしょう。

 付加製造テクノロジーのカスタマイズにはまだまだ時間がかかります。現段階では、同技術を用いた製造にかかる時間が、従来のものよりも長いという課題もあります。この「遅さ」が大量生産における付加製造技術の活用を阻んでいます。特に、需要の高い業種においては、この「遅さ」が理由で、付加製造の用途が試作品生産の域を出ないのです。

企業のあらゆるコストダウンに貢献するXaaS (X as a Service)、鍵はセキュリティ対策

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 XaaS (X as a Service)は、ソフトウェア、インフラ、ストレージ、ネットワーク、データといったコンピューティングリソースを実現するハイブリッド集積のクラウド・エコシステムから構成されます。XaaSは、カスタマイズ可能なインフラ、ビジネスにおけるコラボレーション、個人のコンテンツ管理といった様々なサービスを単一のパッケージに統合したものです。XaaS固有のオンデマンド型の利用ペースに応じたビジネスモデルは、企業の設備投資や運営費の削減を可能にします。さらに、XaaSは有望な複数のテクノロジーを単一のプラットフォームに統合することを可能にする可能性も秘めています。

 XaaSは、今日の競争が激しい市場で、企業のビジネスに迅速性をもたらし、競争力を高めることが期待されています。XaaSは現在、あらゆるタイプの企業にとって、アナリティクスサービスや他の複数のビジネスオペレーション能力を支える基盤となっており、企業が新たな市場に迅速に参入し、先行投資をせずに収益を上げることをサポートするものとなっています。ビッグデータ・アナリティクス・アズ・ア・サービス(Big Data Analytics-as-a-Service)やインフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(Infrastructure-as-a-Service)も、近年投資家や開発者から大きな注目を集めています。セキュリティ・アズ・ア・サービス(Security-as-a-Service)も、中小企業からの注目を集めており、設備投資を削減し、サイバーセキュリティ・システムが持つ複雑な側面を緩和することが期待されています。

 XaaSはコネクティビティの実現や低コストでのサービス提供を可能にし、IoT (Internet of Things)のエコシステムを今後数年で大きく変化させることが予想されます。「Everything-as-a-Service」は、先進型の業務用コンピューター機能をモバイル機器に導入することを可能にし、IoTのコンセプトを促進することになるでしょう。クラウドを通じた付加価値を持つサービスの提供は、通信や銀行といったセクターでの導入が進むことが見込まれています。「ビジネスプロセス・アズ・ア・サービス(Business process-as-a-Service)」や、「エンタープライズ・ストレージ・アズ・ア・サービス(Enterprise Storage-as-a-Service)」といった様々なクラウドサービスも誕生も期待されます。「ビジネスプロセス・アズ・ア・サービス」は、全てのビジネスプロセスをクラウドに統合することを指し、これはビジネスのオートメーション化やサービス提供の標準化において革新をもたらします。「エンタープライズ・ストレージ・アズ・ア・サービス」は、オンデマンドのクラウドのストレージ・サービスを指し、業務用のデータセンターの導入において大いに安全となる見通しです。

 XaaSの進化はIoTやBYOD(Bring Your Own Device)といった最先端のコンセプトの普及を拡大し、さらに企業の収益構造の拡大にも貢献するでしょう。しかしその一方で、企業はプライバシーやセキュリティといった大きな課題にも対処しなければなりません。あらゆる産業において、クラウドコンピューティング技術を活用したデジタル化が進む中で、あらゆる業界ではコンピューティングネットワークやデバイス、アプリケーションや機密データを保護における重大な必要性を認識しています。犯罪組織からの非常に高度なサイバー攻撃から貴重なコンピューティング資源を保護するために、企業は革新的なサイバーセキュリティ・ソリューションを採用し始めています。

【次ページ】リチウムバッテリー技術はイーロン・マスク氏が推進することに

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