• 会員限定
  • 2018/02/17 掲載

慶應大「殿町WRC」が超高齢社会の課題を解決できるワケ

DRY技術とWET技術を融合

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
記事をお気に入りリストに登録することができます。
世界に先駆けて超高齢化社会を経験する日本。だからこそ世界に誇れる地域発研究開発・実証拠点が必要だと「殿町ウェルビーイングリサーチコンプレックス(殿町WRC)」が誕生した。中核機関である慶應義塾大学の吉元良太 特任教授は「ハプティクス(触覚技術)やビッグデータといったDRY研究と、細胞供給、コホート健康データなどのWET研究の両方が存在することが強み」としたうえで、世界に誇る社会システムづくりを目指す考えだ。

執筆:フリーランスライター 吉田育代

執筆:フリーランスライター 吉田育代

企業情報システムや学生プログラミングコンテストなど、主にIT分野で活動を行っているライター。著書に「日本オラクル伝」(ソフトバンクパブリッシング)、「バックヤードの戦士たち―ソニーe調達プロジェクト激動の一一〇〇日 」(ソフトバンクパブリッシング)、「まるごと図解 最新ASPがわかる」(技術評論社)、「データベース 新たな選択肢―リレーショナルがすべてじゃない」(共著、英治出版)がある。全国高等専門学校プログラミングコンテスト審査員。趣味は語学。英語と韓国語に加えて、今はカンボジア語を学習中。

photo
慶應義塾大学 ウェルビーイングリサーチセンター 特任教授
吉元良太氏

羽田空港の真向かいに誕生したヘルスケアリサーチコンプレックス

関連記事
 多摩川を挟んで羽田空港の真向かいに、殿町ウェルビーイングリサーチコンプレックス(以下、殿町WRC)と呼ばれるヘルスケア関連機関の集積地がある。そこは神奈川県川崎市の最南端、かつては京浜工業地帯の一部をなしていた。2020年の東京五輪までには羽田空港との間に連絡橋が架かる。

 殿町WRCでは、文部科学省より5年間(平成27年11月~平成32年3月)4億円の支援を受け、異分野融合による最先端の研究開発や事業化支援、人材育成などが行われている。


 そのゴールは、世界に先駆け超高齢化社会を経験する日本として、課題に向き合いながら世界に誇る地域発研究開発・実証拠点を形成すること。組織としては、慶應義塾大学が中核機関となり、川崎市を始めとする提案自治体、大学、多様な研究所、企業が有機的に連携、リサーチコンプレックス推進事業を展開する。

画像
図1:殿町WRCの構成
(出典 吉元良太氏セミナー資料)


 具体的な事業の内容は大きく5点ある。

1.異分野融合共同研究開発
2.事業化支援
3.最先端研究設備の共同利用
4.人材育成共同プログラム
5.1~4の推進体制強化


画像
図2:殿町WRC推進事業の具体的内容
(出典 吉元良太氏セミナー資料)


 設定した主な成功指標は「研究と実装のフィールドを構築すること」「実装を支える事業化支援機能を発揮すること」「特徴ある人材を育成すること」など。リサーチコンプレックス推進プログラムオーガナイザーであり、慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター 特任教授 吉元良太氏は殿町WRCを次のように語る。

「研究を出発点として、それをしっかり事業化するとともに、必要な人材を育て、人と企業が集積する街づくりを行うのがこの事業の目指すところ」

 実際に、どのような異分野融合共同研究を行うのか? 4つのコア技術領域があるという。

(1)分子設計・ナノファブリケーション
(2)再生・細胞医療、実験動物
(3)AIと連携するヘルスケアOS
(4)ロボット・医療機器

「殿町WRCの強みは、ハプティクス(触覚技術)やビッグデータといったDRY研究と、細胞供給、コホート健康データなどのWET研究、その両方が存在すること。これらをうまくインタラクションさせながら、最終的にその成果が生活者に届くような仕組みを作っていく」(吉元氏)

【次ページ】AIとICTの活用で実現する次世代ヘルスケア

関連タグ

関連コンテンツ

あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます