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  • 2018/04/23 掲載

早大 池上重輔氏らが語る、「急激な技術進化」への対応方法とは

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人間の感覚は、直線的にできている。反射的に「1の次は2、2の次は3、3の次は4」と考えるが、ITビジネスの成長はその感覚に反しては指数関数的に加速する。「1の次は2だが、その次は4、その次は8」という法則が成り立つのだ。この指数関数的な進化のことを「エクスポネンシャル(Exponential)」と言う。第1回、第2回に続き、今回はさらに理解を深めるために、早稲田大学の池上重輔 教授とエクスポネンシャル・ジャパンの齋藤和紀氏の二人を交えて座談会を行った。

電通/電通ライブ 日塔 史

電通/電通ライブ 日塔 史

(株)電通 BD&A局 主任研究員、(株)電通ライブ 第1クリエーティブルーム チーフ・プランナー、日本マーケティング協会 客員研究員。現在、「ヒアラブル」「エクスポネンシャル思考」をテーマにソリューションを開発中。日本広告業協会懸賞論文「論文の部」金賞連続受賞(2014年度、2015年度)。電通報ほか寄稿・講演多数。

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早稲田大学 池上重輔教授(中央) エクスポネンシャル・ジャパンの齋藤和紀氏(左)電通/電通ライブ 日塔史氏(右)


ワークショップでは、思考のリミッターを外す

日塔氏:この1月、早稲田大学ビジネススクールの池上先生の授業で、斎藤さんが「エクスポネンシャル思考」のワークショップを行いました。まずは、その感想を聞かせていただけますか。

池上氏:メガトレンド(=ビッグデータやナノテクノロジーなど業界横断で世の中に影響を及ぼす大きな流れ)を包括的に見ることに意味があると思いました。「AI」「ブロックチェーン」など皆さん個別には見ているのですが、「まとめて」見ることのインパクトが大きいですね。

日塔氏:ワークショップでは、メガトレンドとして約30枚の技術動向をまとめたカードを配り、その中から2枚をランダムに引いて、強制的に自分の所属する業界とつなげてアイデアを考えました。

池上氏:グループワーク前にそれらの技術動向をまとめて講演してもらう点が大きく、参加者が非常に楽しそうだったのが印象的でした。

 単に面白いだけではなく、知的好奇心が刺激される場だったと思います。今回は2つを要素を組み合わせて発想させる形でしたが、実際のビジネスではもっとたくさんのメガトレンドを有機的につなげていく必要があります。

日塔氏:斎藤さんは講師として話していていかがでしたか?

斎藤氏:今回はトライアルでしたが、結果としては非常に面白かったと思います。プロセスの中では「合意」「発散」「集約」のフェーズを作ったのですが、「発散」のときには、やはり皆さん、最初はなかなかリミッターが外れません。「外せ、外せ」と言い続けると、だんだん外れてくる。だから、もっと時間をとった方がいいのかと思いました。

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ワークショップのプロセス

 また、企業向けに行う場合は、「テクノロジーは進化するけれど、それでも変わらないバリューは何だろう?」というテーマを議論したいと思いました。

 たとえば、テクノロジーが進化して、ろうそくがランプになって、ランプが蛍光灯になって、それが今はLEDになった。それでも変わらないバリューは何だったのか。それを考えるセッションも入れたいですね。

日塔氏:変化が激しいからこそ、逆に変わらないところに価値があるのかもしれません。

池上氏:人としての生き方、価値観というのは同時に見なければいけない。

 先日、UAE(アラブ首長国連邦)のエグゼクティブが日本のビジネス・文化を学びに来日し、その対応を担ったのですが、日本の文化や価値観とUAEのそれを比較して考察する場を設けています。

 このような議論がないと、日本に来て学んだことを、どのように自国の文脈に落とし込むかを考えにくいのです。

【次ページ】 かみ合わない議論に右往左往しない、ファクトの共有が大切

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