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  • 2018/07/15

サッカーW杯「最強アプリ」は日本から? リアルタイムデータが観戦を進化させる

ロシアで開催されているサッカーのFIFAワールドカップ。2002年以来、5大会連続で現地を訪れている筆者は今回、現地でピッチで戦う選手や監督・スタッフ、試合と旅行を愉しむサポーターに対して、高度化したIT技術が新しい価値を提供している姿を確認した。前編と中編に引き続き、アプリで手軽に楽しめるようになったリアルタイムに提供されるデータがいかに観戦を変えるかを見てみよう。

野村総合研究所 上級コンサルタント 佐藤将史

野村総合研究所 上級コンサルタント 佐藤将史

宇宙ビジネス分野やテック系ベンチャーによるオープン・イノベーションを主領域としたコンサルティング事業に従事。ライフワークはサッカー観戦。FIFAワールドカップを2002年以降5大会連続で現地観戦している他、スポーツビジネスにも造詣が深い。東京大学スポーツマネジメントスクール3期生(2005年修了)、鎌倉インターナショナルFC(神奈川県3部リーグ)インターナショナルフェロー、東京大学理学部卒(2001年、地球惑星物理)、同大学院理学系研究科修了(2003年、地球惑星科学)、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)MPP(2013年、公共政策修士)。 総務省「宇宙利用の将来像に関する懇話会」構成員。一般社団法人SPACETIDE共同創設者・理事。

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リアルタイムに提供されるデータがサッカー観戦のあり方を変えている(筆者撮影)
本記事は前編中編、後編の3つに分かれています。この記事は後編です。

サッカーファンの楽しみ方を膨らませるFIFAデータのWeb公開

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延長突入後、スペイン代表のパス数が1000本を越えた

(画像:筆者スマートフォンのスクリーンショット)


 ピッチ上のサッカーがビッグデータ時代に突入していることは以前紹介した通りだが、コンテンツ・ビジネスとしてのサッカーにおいても「データ」が非常に注目され始めているのがロシア・ワールドカップの特徴である。

 今大会、FIFAは各試合のデータを、試合中にリアルタイムでWebサイトやスマートフォンアプリで閲覧できるサービスを提供している。

 ボールポゼッション(ボールの保有時間の比率)、シュートやパスの数と精度、走行距離やセットプレー数、反則数などのデータが分かる。それらのデータを選手別に取得することも可能だ。

 従来のサッカー中継では、統計データは大半がハーフタイムか試合終了時に出され、視聴者はそれを受動的に見るのが一般的であった。

 今大会では、PCやスマホ経由で自分が見たい時に能動的にデータ確認ができるため、試合の状況に応じて、数字の変化を楽しめる。

データ公開でサッカーの見方はこう変わる

 一例として、筆者がスペイン対ロシアの試合をFIFAファンフェスト会場でパブリック・ビューイングをしながら、同時にFIFAアプリを確認していた時の例を挙げる。

 猛攻をしかけるスペイン代表と守備に奮闘するロシア代表の構図がはっきりしていたこの試合だ。

 筆者はスペインのパス本数がアプリ上でみるみる内に増えていき、延長前半にはスペイン1000本:ロシア250本という圧倒的な差が示される様をリアルタイムで見て、スペインのパスへの執着を、映像で見る以上に実感した。

 このようにピッチとデータと見比べながら観戦する、分析的な新しい観戦スタイルが今大会からファンの間に広がっていっている。

 波及事例の一例としては、Twitter上でこのようなリアルタイム・データを使いながら試合中に戦術の分析、解説を行うアマチュア戦術家の活躍が注目を集めている。

「最強アプリ」NHKのワールドカップ・アプリが人気に

 ファンが享受するデータは、FIFAから直接提供されるものだけではない。FIFAは、データセットをメディアに対して公式に提供しており、各国のメディアはそれを各自利活用してコンテンツを製作している。

 これは中編で紹介したEPTSのデータの一部が提供されていると考えるのが自然だろう。

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EPTSデータの二次利用の展開(右側)

(図版:FIFAサイトや各種媒体より筆者作成)


【次ページ】データへのアクセスコスト低減がサッカーデータ分析を変えるか

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