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  • 2018/08/15

消防用ドローンが急成長、「DJI一強」を覆す方法はあるのか?

今年は全世界で異常気象ともいえる高温状態が続いている。日本はもちろんのこと、北米でも通常より平均気温の高いところが目立ち、カリフォルニア州では深刻な山火事被害でトランプ大統領が非常事態宣言を出した。こうした中、山火事だけではなく超高層ビルの立ち並ぶ都市型火災においてもドローン導入の必要性が叫ばれており、消防活動に超高度ドローンは必須のものになりつつある。

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住ジャーナリスト 土方 細秩子

米国在住のジャーナリスト。同志社大学卒、ボストン大学コミュニケーション学科修士課程修了。テレビ番組制作を経て1990年代からさまざまな雑誌に寄稿。得意分野は自動車関連だが、米国の社会、経済、政治、文化、スポーツ芸能など幅広くカバー。フランス在住経験があり、欧州の社会、生活にも明るい。カーマニアで、大型バイクの免許も保有。愛車は1973年モデルのBMW2002。

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危険だからこそ需要が高まる消防用ドローン。現在どれくらい活用されて
いるのだろうか?
(© Castenoid - Fotolia)

米国の「消防用ドローン」市場、9800億円規模へ

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 カリフォルニア州では毎年のように夏から秋にかけて山火事が起きる。自然現象の1つでもあるのだが、今年の状況は異常ともいえる。

 同州森林保護防火局によると、州内16カ所の山火事で焼失した面積は累計で約13万ヘクタールにおよび、家屋などの焼失、倒壊は合計1500棟以上、死亡者は7月末時点で8名、避難した人は3万人以上。この火事により消火活動だけで7月には1億1,400万ドルかかり、経済的損失は数十億ドルに上るともいわれている。

 現在、同州における山火事における消火活動には他州消防隊の応援も駆けつけているが、熱波と乾燥、勢いの衰えない火勢になすすべもないのが現状だ。

 山火事の消防にとって大切なのは「最も火の勢いが強い場所での集中的な消火活動」だが、それを行うためには空からの消火活動が必要となる。しかし現在ヘリコプターやセスナ機で行っている消火活動では、大規模な火災地帯の上空を飛ぶことへの危険性から十分な対応ができていない。

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ドローンがある公共安全機関
(出典:Center for the Study of the Drone)

 そこで注目されているのがドローンだ。バード大学のドローン研究センター(Center for the Study of the Drone)によると、現在少なくとも1機のドローンを所有する州、自治体政府の警察、消防の数は910以上に上り、昨年1年間だけでその数は前年比82%もの上昇を見せた。ドローン所有数の最も多い州はテキサス(68)、続いてカリフォルニア(57)となる。

 こうした政府所有のドローンの中でマジョリティーを占めるのはDJIの製品で、910件中実に523機を占める。続いてユニーク社の31機、フィジカル・サイエンス社の14機、ドラゴンフライ社の10機、パロット社の8機、レプトロン社の8機と続く。

 政府の監視、視察に特化したドローンは大型で価格も高く、購入中間値は1万ドルだという。現在こうした非常事態に合わせて軍のドローンを地方自治体に下げ渡す動きも見られるが、まだ本格的にそうなっていない段階だ。

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ドローンがある公共安全機関数の推移
(出典:Center for the Study of the Drone)

 ゴールドマンサックス社の予測によると、ドローンビジネス全体は2020年までに1000億ドルのビジネス機会があるという。特に需要が多いとされるのは軍事関連でおよそ700億ドル、コンシューマー関連が170億ドル、そして商業、公共利用が130億ドルという内訳だ。この中で消火活動に特化するドローン市場は2020年には8億8100万ドル(約9,800億円)規模に達すると予測されている。

【次ページ】火災対策でドローンがクリアすべき問題

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