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  • 2018/09/05

BtoB企業のデジタル戦略、どうする? ユーザベースやリンクトインが”自社流”を暴露

デジタル化の進展によって、グローバリゼーションはかつてないスピードで進行している。こうした潮流の中、国内BtoB企業は、これまで以上にデジタルテクノロジーを活用したビジネス変革を迫られている。特に収益に直結するマーケティング・セールス領域のデジタル変革は、喫緊の課題だ。競争の激化するグローバルマーケットで、日本企業はどのようにデジタルトランスフォーメーションを推進すべきなのか? リンクトイン・ジャパン、PwCコンサルティング、ユーザベースの3社が、そのフレームワークについて議論した。

庄司 里紗

庄司 里紗

ライター/ジャーナリスト。1974年、神奈川県横浜市生まれ。国立音楽大学卒業後、フリーライターとして活動を始める。インタビューを中心に雑誌、Web、書籍等で活動後、2012〜2015年の3年間、フィリピン・セブ島に滞在。親子留学事業を立ち上げ、早期英語教育プログラムの開発・研究に携わる。現在は人物インタビューのほか、地方創生、STEM教育、バイオテクノロジー、食の未来などをテーマに編集・執筆活動を展開中。明治大学サービス創新研究所・客員研究員。http://risashoji.net/

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左から、リンクトイン・ジャパンの堀 モニカ(堀 母日花)氏、PwCコンサルティングの荒井 叙哉氏、ユーザベースの西川 翔陽 氏、リンクトイン・ジャパンの西田 侑依氏

顧客視点で「最新テクノロジー」と「ビジネス」を掛け算

 最初のプレゼンターは、国内最大規模のコンサルティングファーム PwCコンサルティングのディレクターである荒井 叙哉氏。荒井氏は「デジタル化が進んでも“顧客中心”という商売の原理原則は変わらない」と前置きした上で、デジタルトランスフォーメーションの本質について、次のように述べた。

「デジタルツールやデジタルプラットフォームを活用することで、企業が全社的に連携しながらお客様に価値貢献できるチャンスは、飛躍的に増えてきている。デジタルトランスフォーメーションの本質とは、このように顧客の視点を中心に据えながら、最新のテクノロジーとビジネスを掛け算し、クリエイティブに課題解決していくことと言える」(荒井氏)

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PwCコンサルティング ディレクター
荒井 叙哉氏

 さらに荒井氏は、人口減少による国内市場の縮小、デジタル・ネイティブなミレニアル世代の台頭によって、日本企業のグローバル展開は「避けられない状況にある」と指摘。大手外資メーカーでブランド戦略マーケティングや顧客調査領域のコンサルティングに携わってきた経験から、日本のBtoB企業が抱える課題について次のように述べた。

「日本企業のコミュニケーションは、互いに空気を読みあうハイコンテクスト型。直接的で分りやすい表現を好むローコンテクスト型の海外市場では、顧客理解に課題が残る。デジタル化で日本に先行する海外企業へのキャッチアップや、グローバルで戦える人材の不足など、乗り越えるべき壁は多い」(荒井氏)

 荒井氏は、グローバル市場におけるデジタル変革を4パターンに類型化。その上で、日本企業が世界市場で勝つためのデジタル戦略について「インサイトドリブン」の重要性を提唱した。

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グローバル市場におけるデジタル変革の4パターン

「“あうんの呼吸”という言葉に象徴されるように、行間や空気を読んで相手の思惑や要望を察知できる日本人の“インサイト力”を、解釈が難しいディープラーニングの判断結果と掛け合わせて読み解いていけば、アートとサイエンスが融合したこれまでにないインサイトを発見できるはずだ。このような“インサイトドリブン”なデジタル変革こそ、日本企業が、今後目指すべき方向といえるだろう」(荒井氏)

LinkedInのユーザーデータを活用したマーケティングとセールスの融合

 続いてマイクを引き継いだのは、リンクトイン・ジャパンで日本、韓国における広告事業部門の責任者を務める堀 モニカ(堀 母日花)氏。世界最大のビジネス特化型SNS「LinkedIn」を運営し、B2Bマーケティングのプラットフォームとしても注目される立場から、マーケティングとセールスの融合についてプレゼンテーションを行った。

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リンクトイン・ジャパンで日本、韓国における広告事業部門の責任者を務める堀 モニカ(堀 母日花)氏

 LinkedInは、世界に5億4000万の会員数を持つ。そのデータによれば、近年マーケティング業務に従事する人材は増加傾向にあるという。

「ビジネスにおけるマーケティングの役割が大きくなる中、マーケターにおいてはよりテクニカルなスキルが重視され、営業担当者には顧客をロジカルに説得できるヒューマンスキルが求められるようになっている。こうした状況を背景に、顧客ファネルにも変化が起きつつある」(堀氏)

 そこでLinkedInが推奨するのが、LinkedInユーザーデータを活用した「顧客ビューの統一(Unified Customer View)」だ。マーケティング部門とセールス部門で分断されていた顧客ビューを統合すれば、両部門が同一のターゲットにアプローチすることが可能になり、顧客タッチポイントを拡大できるためだ。堀氏は、中国のコンピューターメーカー レノボの事例を挙げて説明した。

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レノボにおけるLinkedInユーザーデータの活用方法

「LinkedInのインフィード広告を活用して企業ページからコンテンツを配信すると同時に、セールス部門がリードを担保。それらの情報をマーケティングチームがファネルに落としていき、コンテンツを最適化することでエンゲージメントの強化に成功した。さらに、オーディエンスから得られた反応をマス・マーケティング施策にも反映し、最適化したコンテンツを充てていくことで、両方の施策から良質な見込み顧客の絞り込みが可能になっている」(堀氏)

 さらにLinkedInでは、マーケティングとセールスのテクノロジープラットフォームを統一し、マーケティングアプローチの有効性を検証したり、セールス部門のインサイトをマーケティングにフィードバックするフローを作り、営業プロセスの最適化・効率化を加速する提案も行っているという。

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