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  • 2018/09/04

2020年のロボット業界5大予測、生き残る「当確」ジャンルを知っているか

連載:世界のロボット新製品

2020年、東京オリンピック・パラリンピックが開催される。2014年ごろから始まった第三次ロボットブームで登場したロボットは、この2020年をいかに迎え、いかに越えていくか?ロボットビジネスの実用に向けた取り組みから、2020年を越えて生存するロボットの条件を見いだしていく。

アスラテック 事業開発部 部長 羽田卓生

アスラテック 事業開発部 部長 羽田卓生

1998年にソフトバンク入社後、出版事業部に従事。2004年に、テレビ東京系番組「テレビチャンピオン」にて、初代ケータイ王になる。2006年より、ソフトバンクモバイルを経て、2013年のアスラテックの立ち上げ時より同社に参画。現在は、事業開発部門の責任者を務める。任意団体ロボットパイオニアフォーラムジャパンの代表幹事。WEB媒体での執筆や多数の講演・セミナーの講師など幅広く活動。直近ではSoftBank World 2017の特別講演に登壇。

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実証実験が急増しているが、その中で生存できるのは一握りかも知れない
(©charles taylor - Fotolia)

実証実験ラッシュはすべて2020年に向けて

 近年、ロボットの実証実験に関するプレスリリースやニュースの数が非常に増えてきている。ざっとこの1年間を追うだけでも、100件近くにもおよぶ。毎日、全国各地のどこかでロボットの実証実験が行われていると言っても過言ではない。

 複数種のロボットを使って大規模に行われた事例としては、以下のものがある。

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(出典:各社プレスリリース、プロジェクトサイトより筆者作成)

 公共空間にて複数種のロボットが使われた実証実験だけでも、これだけの事例がある。実証実験の内容としては、案内業務(多言語も)、清掃、移動支援が主なものとなっている。各プロジェクトの実施趣旨を見てみると、「2020年に向けて」「省人化」という言葉が目立つ。やはり、この2つが大きなキーワードと言えよう。

2020年のロボット業界の5大予測

 さて、この2020年にロボット業界を取り巻く環境がどのようになっているかを、いろいろな角度から見てみたい。大きな出来事としては、以下のことが起きるのではないだろうか。

・法改正が行われ一部地域での無人宅配が実現可能へ
・労働力不足圧力によりロボット導入が進む
・公共交通機関などでロボットが大活躍
・5G方式のモバイル通信が導入されロボットの性能向上
・ロボット製品が続々発表され社会へ浸透し始める

・法改正が行われ一部地域での無人宅配が実現可能へ

 経済産業省、国土交通省が行っている「 自動走行ビジネス検討会」によると、2020年に一部法制度の改正が行われ、一部地域で無人宅配などのサービスが実現可能になるという。ロボットが宅配便やピザを届ける時代はもうすぐだ。

・労働不足圧力よりロボット導入が進む

 行政、民間から多くのレポートが出ている通り、労働力不足は各業種とも喫緊の課題であると言えよう。この課題が、ロボット導入への圧力になることは間違いない。実際、労働力不足対策としてロボット開発、導入に取り組んでいる企業に関する報道が多く出ている。

・公共交通機関などでロボットが大活躍

 2020年に向けた公共交通機関のトピックとしては、2020年に一部開業などが発表されているJR東日本の「品川新駅(仮称)」、そして日本空港ビルデングの羽田空港の国際線拡張がある。両社ともロボットの実証実験に積極的な企業だ。JR東日本は、「JRE ROBOTICS STATION, LLP」という組織も作り、ロボット開発・導入を積極的に進めている。

・5G方式のモバイル通信が導入されロボットの性能向上

 総務省や、携帯電話会社などから、5Gこと第5世代移動通信システムの、実用化開始が発表されている。これにより、さらなる通信の高速化、低遅延化が進むことになる。この5Gをロボットに用いることで、ロボットビジネスの可能性が広がる。特にクラウド上での処理や遠隔操縦などで、そのメリットが生かせるだろう。国内の電話会社各社も、5G×ロボットの文脈で発表を多く行っている。

 筆者の所属するアスラテックも、ソフトバンクと屋外での5Gを用いたロボット遠隔操縦試験を行っており、その効果は体感している。

・ロボット製品が続々発表され社会へ浸透し始める

 この数年、毎年100機種を超えるロボット製品が発表され続けてきた。これらのロボットが、この数年の実証実験の壁を越えて、製品化にたどり着くものも出てくるであろう。そして、その中から、一部はさらに社会に浸透し、生き残ることができる。

 2020年は、生き残ったロボットの社会浸透と、そうでないロボットの淘汰が、同時に起きることになるであろう。


生存ロボットの条件は?「当確」ジャンルを発表!

 2020年を生き残れるロボットをまとめてみたい。まず、この「生存ロボット」の条件は、3つ。

1.同一のロボットであること
2.同一の運用内容であること
3.複数拠点・複数オーナー

 たとえば、当確ロボットの一つとしてホビーロボットが挙げられるがその代表として、aiboの例を用いて説明しよう。aiboは量産されており、どれを購入しても同一のロボットだ。その使い方もペット的にかわいがるというもので基本的には同じだ。そして、日本中で多くのオーナーがいる。このケースにおいては、3つの条件がすべてそろっており、生存「当確」となる。

当確分野
生存ジャンル 代表的ロボット・サービス名 メーカー 主な導入先・オーナー
ホビー aibo ソニー 個人
COZMO、オムニボット(ハロー!ウ~ニャン) タカラトミー 個人
家庭向け清掃 ルンバ iRobot 個人
COCOROBO シャープ 個人
コミュニケーション Pepper ソフトバンクロボティクス イオン、日産、ネスレ他、法人、行政など
Sota ヴイストン 法人、行政など
倉庫輸送 Amazon Robotics Amazon Robotics Amazon、ニトリホールディングス
Butler GreyOrange 大和ハウス工業、ダイワロジテック、トラスコ中山
医療 da Vincii Intuitive Surgical 慶応義塾大学病院、東京医科大学病院、聖路加国際病院、他多数
HAL医療用下肢タイプ CYBERDYNE 東邦大学医療センター、済生会神奈川県病院、湘南藤沢徳洲会病院、他多数

(※アスラテック調べ)


 上記に、当確ジャンルのロボットをまとめてみた。ホビー、家庭向け掃除機、コミュニケーションロボット、倉庫搬送、医療の5ジャンルを挙げてみた。特に、家庭向け掃除機の代表である「ルンバ」に関しては、単に「掃除機」と言っても違和感はなく、もはや「ロボット」という表現を卒業する寸前くらいまで、社会に浸透したと言えるのではないだろうか。また、全世界の掃除機販売台数の約10%が、ロボットタイプになったという調査レポートもある。

 ルンバのみならず、ロボットと呼ばれる存在から、卒業していくことが社会浸透した証しとも言えよう。

 続いて、まだ当確とは言えないが、あともう少しで「同一ロボット」「同一の運用内容」「複数拠点・複数オーナー」の3要素がそろいそうな分野を挙げる。

当確ライン(当確に近い)分野
生存ジャンル 代表的ロボット名 メーカー・代理店・SIer 主な導入先・オーナー
外食 Sawyer QBIT Robotics エイチ・アイ・エス
たこ焼きロボット コネクテッドロボティクス ハウステンボス
自動走行サービスワゴン「サウザー」 ニチワ電機 ブロンコビリー
建設 TOギャザー 竹中工務店 竹中工務店
Robo-Welder 清水建設 清水建設
DOKA ROBO 3 カナモト 災害現場など
産廃処理 ZenRobotics Recycler ZenRobotics シタラ興産
業務用清掃 RS26 powered by BrainOS ソフトバンクロボティクス アイング、イズミテクノ、JR西日本メンテック、阪急阪神クリーンサービス
清掃ロボット パナソニック 三井不動産
CL02 CYBERDYNE 住商ビルマネジメント
荷物搬送 HOSPI パナソニック 松下記念病院
Relay Savioke 品川プリンスホテル

(※アスラテック調べ)


 こちらも5ジャンル。外食向け、建設向け、産廃処理、業務用清掃、荷物搬送だ。このほかにも、2020年に向けて次々とこのジャンルに次々に躍り出てくるはずだ。

 次ページでは、当確やそれに近いジャンルのロボットからわかる、ロボットが社会に浸透していく上で大切なポイントを記す。

【次ページ】当確ロボットから学ぶ社会浸透3つのポイント、「PoC死」の危機とは?

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