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  • 2018/09/05

「全品1%引き」と「100人に1人タダ」、客はどちらを買ってくれるか?

いい商品なのになぜか売れない。そんな悩みを抱えているビジネスパーソンは大勢いるだろう。だが、コピーライターの川上徹也氏は「商品は変えずに売り方だけを変えて、売れる商品にすることができる」と胸を張る。「売る人を変えるコツ」を紹介した前編に続き、今回は「売る値段を変えるコツ」を紹介しよう。

コピーライター 川上徹也

コピーライター 川上徹也

コピーライター。湘南ストーリーブランディング研究所代表。大阪大学人間科学部卒業後、大手広告会社勤務を経て独立。東京コピーライターズクラブ新人賞、フジサンケイグループ広告大賞制作者賞、広告電通賞、ACC賞など受賞歴多数。特に「経営理念」「企業スローガン」などの会社の旗印になる「川上コピー」を得意とする。「物語で売る」という手法を体系化し「ストーリーブランディング」と名づけた第一人者としても知られている。著書は『物を売るバカ』『1行バカ売れ』『「コト消費」の嘘』(いずれも角川新書)など。海外にも多数翻訳されている。

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消費者の購買意欲をそそる、値段のつけ方とは?
(©Robert Kneschke-Fotolia)

「100人に1人タダ」は何パーセント引き?

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『売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!』
画像をクリックするとアマゾンに移動します
 価格が変わることで売れ方が変わる、というのはイメージしやすいですよね。とはいえ、単に「値段を半額にしたら売れました」では、当たり前すぎます。

 今回は、「価格にまつわる売り方」を工夫することで売れたり、「価格を変えたこと」で結果として大きな利益を得た事例について、紹介していこうと思います。(他の事例については拙著『売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!』をご覧ください)

  ある家電量販店で、「100人に1人タダ」というキャンペーンをやっていました。「そういえば」と思い出した買い物があったので、ふらり店に入りました。

 買い物を終えてレジに行くと、レシートを見た店員から「あ! 当たりです。おめでとうございます。お買い物がタダになります」と言われました。

 キャンペーンのことは知っていたわけですが、まさか自分が当たるとは思いませんからとても驚いたのですが、湧き上がってきた感情は「うれしい」よりも先に、「もっと買っておいたらよかった!」でした。買い物の金額が3000円くらいだったからです。

 景品表示法の関係で、タダの上限は10万円ということですが、それでも「ついでにあの商品を買っておけば数万円で買えたのに!」と思ってしまいます。3000円でもタダにしてもらうのは、とてもうれしいはずなのですが、人間とは何と欲深い生き物なんでしょう。

 「100人に1人タダ」はインパクトがありますが、店側のコストから考えると、平均すれば1%引きと同じです。しかし私も含め多くの人は、「全品1%引き」より「100人に1人タダ」の方が圧倒的に魅力的で、「どうせ買うならここで買おう」となるのではないでしょうか? それだけ「タダ=無料」というのは強い言葉なのです。

あのコーヒーチェーンの「無料」の秘密

 名古屋から生まれ、今や全国チェーンに発展したコーヒーチェーンがあります。そのコーヒーチェーンの、隠れたヒットメニューがあります。「モーニングサービス」です。こう書くと「モーニングサービスなんてどこの喫茶店でもやっているよ」と思った方、いらっしゃると思います。 

 ただこのコーヒーチェーンが他とちょっと違うのは、「無料」をうたっていることです。朝11時までにドリンクをオーダーすると、トーストとゆで玉子を無料でサービスしてくれるのです。

 「それはお得だ、行ってみよう」と思ったあなた! ひょっとしたら「無料」の罠に、はまっているかもしれませんよ。

 なぜならそのコーヒーチェーンのドリンクは、最低でも400円以上するからです。もちろんドリンクを頼まないと、無料のサービスはありません。ちなみにライバル店を見れば、もっと安い値段でコーヒーにトースト、玉子を加えた「モーニングサービス」を提供している店は数多くあります。

 でも、あらかじめ値段が設定されている「モーニングサービス」を食べても、それほど「得をした」という感情は湧き上がりません。一方、「トーストと玉子が無料」と言われると「すごく得した」という感情が湧き上がるから不思議ですよね。

【次ページ】なぜ人は「無料」という言葉に理性を失うのか

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