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  • 2018/09/12 掲載

Windows Server 2016の更新、「サーバが止まってもサービスは止めない」を目指して

連載:山市良のマイクロソフトEYE

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毎月第二火曜日(日本ではその翌日の水曜日)は、Windows向けに新しい更新プログラムがリリースされる定例日です。最近、特にWindows 10において、更新プログラムの問題に起因するトラブルが目に付くようになったと思わないでしょうか。Windows 10の更新プログラムの問題は、Windows Server 2016以降にも影響します。今回は前回に引き続き、サーバの安定運用のための更新管理について取り上げます。

執筆:フリーライター 山市 良

執筆:フリーライター 山市 良

IT 専門誌、Web 媒体を中心に執筆活動を行っているテクニカルライター。システムインテグレーター、IT 専門誌の編集者、地方の中堅企業のシステム管理者を経て、2008年にフリーランスに。雑誌やWebメディアに多数の記事を寄稿するほか、ITベンダー数社の技術文書 (ホワイトペーパー) の制作やユーザー事例取材なども行う。2008年10月よりMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(旧カテゴリ:Hyper-V)を毎年受賞。岩手県花巻市在住。
主な著書・訳書
『インサイドWindows 第7版 上』(訳書、日経BP社、2018年)
『Windows Sysinternals徹底解説 改定新版』(訳書、日経BP社、2017年)
『Windows Server 2016テクノロジ入門 完全版』(日経BP社、2016年)
『Windows Server 2012 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2014年)
『Windows Server 2012テクノロジ入門』(日経BP社、2012年)
『Windows Server仮想化テクノロジ入門』(日経BP社、2011年)
『Windows Server 2008 R2テクノロジ入門』(日経BP社、2009年)
など

photo
サーバ稼働率を低下させないための更新管理とは
(©niroworld - Fotolia)
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Windows Server 2016の累積更新プログラムは毎月1GB超

 Windows 10およびWindows Server 2016以降の累積更新プログラムは、過去の累積更新プログラムの内容を含むため、毎月、そのサイズ(Microsoft Updateカタログのダウンロードサイズ)は増えていきます。

 しかしながら、Windows UpdateやWindows Server Update Services(WSUS)から累積更新プログラムのダウンロードは、累積更新プログラムの全体ではなく、利用可能である場合は高速インストールファイルが使用されます。

 高速(Express)インストールファイルは、更新対象のコンポーネントのカタログ情報のようなもので、それ自体には更新プログラムは含まれません。高速インストールファイルの情報に基づいて、更新が必要なコンポーネントをスキャンし、その更新ファイル、つまり前回の累積更新プログラムとの差分だけをダウンロードするようになっています(画面1)。

画像
画面1■Windows 10バージョン1607の2018年6月の累積更新プログラムのダウンロードには、高速(Express)インストールファイルが使用されている

 この動作は、累積更新モデルに移行したWindows 7/8.1、Windows Server 2008 R2/2012/2012 R2も同様です。差分とはいってもそのシステムで更新が必要なものだけがダウンロードされるので、Microsoft Updateカタログで提供される差分(Delta)更新プログラムよりもダウンロードサイズは小さくなります。

 しかしながら、Windows Server 2016向けの2017年10月の累積更新プログラム(KB4041691)で、高速インストールファイルを使用した更新が失敗するという問題があり、その後、Windows Server 2016についてはフルパッケージで提供されるという措置が 続いています(Windows Server 2016に対する高速インストールファイルの提供は、2018年11月に再開される予定です)。

 例えば、2018年7月10日(米国時間)の累積更新プログラム「KB4338814」と翌週の累積更新プログラム「KB4345418」は、それぞれ1.2GBを超えるダウンロードサイズでした(画面2)。2017年10月の累積更新プログラムの時点で既に1GBを超えていたため、毎月1回以上、1GBを超える更新プログラムのダウンロードを行ってきたということになります。ちなみに、2018年7月は第二火曜日の他に、3週目、4週目にも再起動を伴う更新プログラムが提供されました。

画像
画面2■2017年10月以降、Windows Server 2016の累積更新プログラムには高速インストールファイルは使用されず、フルパッケージをダウンロードしている。WSUSサーバからのダウンロードも同様

 Windows Server 2016の品質更新のサポートは、2026年10月まで提供されます。現在の提供方法がいつまで続くのか分かりませんが、累積更新プログラムのダウンロードのために毎月、インターネット回線の使用帯域が問題ならないように対策を講じておくべきでしょう。

 多数のWindows Server 2016のサーバを運用している場合は、WSUSやその他の更新管理ツールを導入することで、インターネットからのダウンロードを一本化できます。少数のサーバを運用している場合は、Microsoft UpdateカタログからWindows Updateスタンドアロンインストーラー(.msu)をダウンロードして、各サーバを手動でインストールするのが効率的です。

品質更新プログラムのインストール失敗への対応には数時間かかることも

 筆者の経験上では、Windows Server 2016で累積更新プログラムのインストールが「0x800705b4」のエラーで失敗し、再試行してもインストールに成功しないことがよくあります(画面3)。

画像
画面3■筆者がWindows Server 2016の累積更新プログラムのインストールでたびたび遭遇する「0x800705b4」のエラー。再試行で解消しない場合は、対処に数時間から半日はかかる

 原因はまったく不明です。フルパッケージのダウンロードであるためダウンロードとファイルの展開に時間かかかる上に、長いインストールの末、最後にこのエラーが表示されるのです。

 問題に対処する方法はありますが、ここでは説明しません。再試行しても失敗する場合は、以下のサポート情報で、「どのバージョンのWindowsでエラーが表示されましたか?」で「Windows 10」を選択して対処してみてください。

Windows Update問題を修正する
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/10164/

 ほとんどの場合、最終手段である「インプレースアップグレードを実行する」の1つ手前の「Windowsファイルの破損を修復する」までのステップで解消すると思いますが、問題の解消までには数時間、場合によっては半日以上を要します。

【次ページ】 更新にかかる時間や、成功・失敗の結果は予測不能…ではどうするべきか?

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