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  • 2018/10/25

RIZAP 岡田章二 取締役が語る「結果にコミットする」IT戦略とは

「結果にコミットする」でおなじみのプライベートジム「RIZAP」をはじめ、専属トレーナーによるゴルフレッスンや英会話スクールなどを展開するRIZAPグループ。同社は、美容・健康を軸に、アパレルや住関連などの領域でM&Aを活発に行ってグループを拡大するとともに、新たな顧客体験を実現するデジタル変革を急ピッチで進めている。変革の陣頭指揮を執る事業基盤本部 本部長 岡田 章二 氏が、同社のIT戦略に取り組みや推進体制について語った。

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RIZAPグループ 事業基盤本部 本部長 岡田章二氏

グループ基盤整備を進めるための「3つの軸」

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 グループ全体で11万人の会員を擁するRIZAPグループ。会員の8~9割を占めるプライベートジム「RIZAP」を中核に、ゴルフや英会話、料理などの「自己投資」ビジネスを横展開するとともに、美容・健康を軸にアパレルや住関連、エンターテイメントなどの領域でM&Aを活発に行ってグループ拡大している。

 連結子会社は78社、連結従業員は7000人を超え、連結売上高は2019年3月期に2500億円、同営業利益は230億円をもくろんでいる。岡田章二氏は、RIZAPグループ全体のITを中心とした事業基盤の責任者である事業基盤本部の本部長を務める。

 同氏は2018年8月29日に都内で開催された「BSIAシンポジウム2018」に登壇「RIZAP デジタル化の全貌」と題した講演で、グループ全体のこの2年間の取り組みとして「事業軸」「機能軸」の2つを挙げた。

「事業軸は、自己投資産業で事業ドメインを拡大し、アパレルやスポーツなどの分野に取り組んでいきます。そして、事業領域の拡大と経営基盤の強化のため、機能軸としてバリューチェーン(企業活動での業務の工程を機能別にとらえ、効率化や競争力を目指すこと)の機能強化を位置づけています」(岡田氏)

 そして、グループ全体の事業基盤への投資は、「デジタル化」「プラットフォームイノベーション」「グループ/グローバル経営」の3つの軸に基づいて積極的に進めている。

(1)デジタル化
 フロント側では、身体形状の計測を行う「Body Scan」や、データに基づく身体の変化を予測する「ナビゲーター」、あるいはセンサー技術や動画解析などによる「スマートゴルフ/スコア管理」といったアプリ開発を進めている。

 一方、基幹側では、CRM/SFAによりすべての顧客データを集中管理、統合する。これにより「AIによるビッグデータ活用を進め、たとえばコールセンター基盤の刷新も可能となる」と岡田氏は述べる。

(2)プラットフォームイノベーション
 CRMやSFA、物流、EC、出店組織、購買機能、IT組織、コールセンターなどグループ共通基盤の構築、整備に際しては「情報が非常に重要なカギを握る」と岡田氏は述べる。

 たとえば、出店組織では、2017年に連結子会社となったジーンズメイトという会社は、それまでチラシで来店促進を行う戦略をとっていた。店舗は家賃の安い立地に構え、商品の単価を安くしても利益を出せるビジネスモデルだった。

「しかし、アパレル全体で単価が下がり、コスト削減からチラシの回数が減った結果、来店数が減少、売上高が下がり、売り上げに占める家賃比率が高まるという悪循環に陥っていました」(岡田氏)

 そこで、RIZAPグループ傘下に入ってからは、出店戦略をショッピングセンターに切り替え、家賃についても、「それまでグループ内の他の店舗よりも5%ほど高かった」ものを、グループ全体で保有する情報を元に交渉を行うことで、売り上げに占める家賃比率を下げることができたという。

(3)グループ/グローバル経営
 人材マネジメントや、経営ダッシュボード、グループ会計など、システム化による経営効率化をグループ70社で取り組んでいるところだ。

KPIに「経営への貢献」を設定、投資効果を評価

 岡田氏は、前営業期におけるシステム面での投資の取り組みを紹介した。まず、2017年6月には業務システム部が発足し、ITシステム基盤を統括する専従組織が立ち上がった。同7月には、アプリでのオンライン予約を開始、10月にはCRMによる顧客管理を開始、これと並行して、EC基盤である「RIZAPコレクション」を刷新した。

 こうしたシステム投資で重要視しているのは経営に対する貢献だ。KPIには「経営への貢献度」が設定された。

 たとえば、「ボディナビゲーター」というカウンセリング機能は、ダイエットシミュレーションやサプリメントの推奨などを行うもので、KPIには「契約率」が設定された。システム投資により、前期では契約率が15%ほど向上した。

 また、アプリでのオンライン予約では、「いつでも」「どこでも」予約や予約内容の変更が行えるようになったことで、一人あたりの来店率が20%ほど向上した。その結果、トレーナー稼働率も10%ほど向上し、一人あたりのトレーナーの売り上げが増えた。

 CRMによる顧客管理基盤整備では、コールセンター基盤の刷新やチャットでの接客、来店フォローなどにより、電話から契約を行う「反入率」が2%向上、チャット経由での予約も増加した。

 そして、「RIZAPコレクション」の再構築により、定期併売購入対応などで客単価は7000円ほど向上したという。

 今期(2019年3月期)のシステム投資ついては、後述する「ライザップゴルフ」におけるレッスンアプリ、スコア管理アプリのリリースによるサービス品質の向上や、会員が利用する「RIZAP Touch」の刷新などが挙げられる。

「これまでは、RIZAPに通う会員は、その日に食べたものを写真に撮って、メニュー名を書いてトレーナーに送っていましたが、今後は食事を写真で撮ってアプリで送信するだけで、AIが写真からカロリー、糖質量を計算してくれるような機能の実装を目指していきます」(岡田氏)

【次ページ】「RIZAP×テクノロジー」をさらなる成長のキーワードに

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