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  • 2018/10/09

今さら聞けない「自動運転」の仕組みと業界地図、トヨタやホンダはどこと提携しているのか

内閣府が2018年に発表した「自動走行システム研究開発計画」によると、2020年をメドに“限定領域”で「自動運転」が可能な車を市場に出すことを目標にしています。自動運転分野への取り組みは、トヨタやフォルクスワーゲン(VW)、BMW、日産・ルノーなどの自動車メーカーに限らず、グーグル(Waymo)をはじめとしたITビッグ、NvidiaなどのGPUチップメーカー、自動車部品メーカーなど、さまざまな企業が名乗りをあげています。いよいよ自動運転が少し現実のものとなってきましたが、現時点ではさまざまな条件下でしか実現できません。ここでは、自動運転の定義や仕組みといった基本知識と、各自動車メーカーの動向などについて解説します(2018年10月10日更新)。

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自動運転とライドシェアを巡る各社の動向(10月10日更新の最新&拡大画像はこちら

自動運転車とはそもそも何か?

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 自動運転車とは、その名の通りドライバーの操作を必要とせずに、目的地にたどり着いてくれる車のことです。これを実現させるために必要なのが、人が行う「認知」「判断」「操作」の3要素を自動走行システムとして確立することです。

 これらを実現させるためには、車両単体でのシステム(=自立型システム)では不十分とされており、車両間はもとより、道路や周辺機器と情報をやり取りするシステム(=協調型システム)が必要とされています。すなわち、自動運転車は自動車単体の機能問題ではなく、社会全体を巻き込んだ壮大なプロジェクトなのです。

自動運転車のメリット

 自動運転車のメリットは大きく3つあります。

1.利用者の利便性が高まる
 1つ目は利用者が利便性が高まること。自動車が自動で運転してくれれば、その間、人は自由になります。眠っていても遊んでいても構わないということになるでしょう。また、自動運転で交通が最適化されれば、渋滞の解消にもつながります。

2.自動車事故が減り、安全性が高まる
 2つ目は安全性が高まるということ。昨今、日本では高齢ドライバーによる事故が増えていますが、人為的なミスを減らすことでより安全に利用できる車づくりが実現できるでしょう。安全のために自動運転車を実現しようとしているといっても過言ではありません。

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3.移動時の利用コストの削減
 3つ目は環境に対する配慮です。人が操作するよりも燃費を改善することができるため、二酸化炭素の排出量削減にも貢献できます。単純に燃料利用が減れば、コスト削減のメリットにもつながるでしょう。

自動運転の定義

 では、自動運転とは一体どのように定義されるべきでしょうか。たとえば高速道路でのみ自動運転が可能な場合、それも自動運転車といえます。しかし、一般道路や非常時ではドライバーが操作する必要がある場合、これは一般の自動車と変わりません。

 そのため、自動運転車の定義にもいくつかの段階があり、すべて人の操作を必要とする車(レベル0)からあらゆる状況でも自動運転が可能な車(レベル5)の6段階に分類することで区別しています。

 現在、内閣府では欧米などを中心に定められている自動運転レベルの定義(SAE J3016)を和訳し、概要として公開しています。以下の図はその引用です。

自動運転レベルの定義概要(案)
レベル概要安全運転にかかる監視、対応主体
運転者がすべてあるいは一部の運転タスクを実施
SAE レベル0
運転自動化なし
運転者がすべての運転タスクを実施運転者
SAE レベル1
運転支援
システムが前後・左右のいずれかの車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施運転者
SAE レベル2
部分運転自動化
システムが前後・左右の両方の車両制御に係る運転タスクのサブタスクを実施運転者
自動運転システムがすべての運転タスクを実施
SAE レベル3
条件付運転自動化
システムがすべての運転タスクを実施(領域 ※ 限定的)
システムの介入要求等に対して、予備対応時利用者は、適切に応答することを期待
システム(作動継続が困難な場合は運転者)
SAE レベル4
高度運転自動化
・システムがすべての運転タスクを実施(領域 ※ 限定的)
・予備対応時において、利用者が応答することは期待されない
システム
SAE レベル5
完全運転自動化
・システムがすべての運転タスクを実施(領域 ※ 限定的ではない)
・予備対応時において、利用者が応答することは期待されない
システム


 この定義によれば、自動運転車と認定するにはレベル3以上である必要がああるので、ここではレベル3以上を前提に説明します。

 SAE レベル3では、高速道路や首都高速道路といった限定領域内で、システムがすべての運転タスクを実施します。ここでいう限定領域というのは、地理的な制限だけでなく、周辺状況や速度、時間なども含まれます。ただし、緊急時にはシステムが対応しないため、ドライバーの操作が必要となるものです。

 SAE レベル4では、レベル3同様に限定領域内でのみシステムがすべての運転タスクを実施します。緊急時にもシステムが対応する点が異なっており、限定領域内では原則ドライバーの介入なく対処することができる状態のことを指します。

 SAE レベル5では、限定領域の制限が無くなり、あらゆる環境下で自動運転が可能となります。また、レベル4同様緊急時にもシステムが対応するためドライバーは一切操作をする必要がありません。

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自動運転車に必要となるデータとは?ダイナミックマップとは?

 先にも述べたように、自動運転車は「認知」「判断」「操作」を適切に行わなくてはなりません。そのため、それぞれに次のような情報(データ)を収集・処理する必要があります。

認知道路情報、地理、現在位置、周辺状況の把握(GPS、カメラ、センサーなど)
判断認知した情報を元に人工知能による処理と命令(機械学習、ディープラーニングなど)
操作命令に準じたアクセル、ブレーキ、ハンドルの制御

 特に重要になるのが、人工衛星や車両に搭載されたセンサーなどから生成される「ダイナミックマップ」と呼ばれる高精度3次元地図です。


 このダイナミックマップには、(1)静的情報と呼ばれる路面情報、車線情報、建物情報、(2)準静的情報と呼ばれる交通規制、道路工事、広域気象予報情報、(3)準動的情報と呼ばれる事故情報、渋滞情報、気象情報、(4)動的情報と呼ばれる周辺車両、歩行者、信号情報が記録されています。

【次ページ】トヨタ・日産・BMW・VW(アウディ)の動向は?

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