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  • 2018/11/05

【8分野】粒子線治療から洋上風力発電、工場セキュリティ--日立が示すITの応用力

先ごろ開催された日立製作所のプライベートイベント「Innovation Forum 2018 TOKYO」。本イベントの展示ブースでは、同社のビジョンが前面に打ち出されていた。ここでは、医療から製造、発電、働き方改革まで幅広く取り扱う同社のソリューションや製品の中から、各カテゴリーごとに目を引いたものを紹介していきたい。

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大盛況だった「Hitachi Social Innovation Forum 2018 TOKYO」の展示ブース。

粒子線治療ソリューションをグローバル展開へ

 日立がヘルスケアビジネスの主力事業の1つとして捉えているのが粒子線治療システムだ。本システムは、量子が止まる位置で線量が高くなるという「ブラックピーク」と呼ばれる物理的特性を活かした治療法だ。従来の放射線(X線)治療よりも、患部への線量の集中度が高く、ピンポイントで適用することができる。そのため、患部周辺の健常部位への影響を最小限に抑えられ、患者の負担が小さく、QOLの高いがん治療として注目を浴びている。

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最先端の粒子線治療システムを手掛けるメーカーは、世界でも片手ぐらいしかないという。同社はがん撲滅に貢献するためにグローバルな展開にも積極的だ。

 ただし、粒子線治療システムは先進医療なので、まだ国内に20施設ほどしか設置されていないという。しかし国の保険適用(前立腺などの患部)も始まっているので、今後は肺や肝臓などの固形がんへの適用も広がると予想される。日立では、この粒子線治療システムを国内だけでなく、グローバルにも展開しているところだ。すでに世界29ヵ所に納入/契約の実績があり、保守サービスなども、リモートで行えるようにしているそうだ。

iPS細胞のバリューチェーンを整備

 基調講演でも話題にあがった日立の再生医療技術。同社は、京都大学と大日本住友製薬との共同研究により、iPS細胞大量自動培養装置を開発しているところだという。年内にもパーキンソン病の治療法への効果を検証するために、培養されたiPS細胞を脳に移植する治験が京都大学で行われる予定だ。

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再生医療分野は21世紀のイノベーションだ。同社では京都大学と治験を進め、さらに実用化に向けたiPS細胞の量産・販売のバリューチェーンも整備しているところだ。

 培養装置自体の開発を1986年から開始しており、大日本住友製薬と手を組むことで、量産体制・販売に向けた準備も整えているところだ。パーキンソン病は、一部で薬の効果はあるものの、有効な決め手はなかった。しかし、iPS細胞を利用することで根治への道も開かれる。将来的には、さまざまな部位への適用も視野に入れた「夢の治療法」として大きな期待がかけられている。

AI技術を活用し、安心・安全を実現する社会インフラソリューション

 参考で展示されていた「AI活用による人物発見・追跡ソリューション」は、監視カメラなどによる高度な画像解析の一例として、基調講演で話題にあがっていたもの。このソリューションの最大の特徴は、人の顔がわからなくても、身なりなどの特徴から、該当人物を探しだせることだ。大抵の場合、カメラに顔がちゃんと映っているケースは多くない。それでも上半身や下半身の特徴から映像を絞り込み、マッチングのレベルを調整しながら、該当の人物を探しだすことが可能だ。現在、空港などの施設で、不審者などを探しだすPoCを行っているという。

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AIを活用することで、人の顔がわからなくても、その人の身なりなどの特徴から該当人物を探しだせる人物発見・追跡ソリューション。空港などの施設でPoCを実施中。

日本の地形を活かした効率的な洋上風力発電の取り組みも!

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日立の洋上風力発電ソリューション。日本のように台風が多い地域でも、風車を安全に運用できるように設計されている。現在は1基で5メガワットの電力を出力できる。
 日立は、低炭素社会を見据えて、電力やエネルギーの未来も変えようとしている。その1つが風力発電ソリューションだ。たとえば同社は、海風を利用した洋上風力発電に取り組んでいる。その強みは、国内の電力事情と地理・地形に精通していること。日本は特に台風が多いため、風車を安全に運用する技術が求められるからだ。

 同社では、2011年から浮体式洋上風力の実証実験を積み重ねている。海上は乱れた風(乱流)が吹かないため、地上よりも風車を大型化でき、大電力を得ることが可能だ。風車設計を最適化することで、風車のブレードが127mと136mの2タイプの機種を用意。現在は5メガワットの電力を出力できるという。ほかにも送電距離を長くするために、AC/DC変換(直流変換)を行う設備も提供している。すでに洋上も含めた風車の受注実績は326基、運転中は約200基ほど。総電力で400メガワット超なので、原発1基ぶん相当に近い電力を供給している計算になるという。

【次ページ】アレイ型マイクを採用し、会議の議事録の作成を支援

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